SI便り 夏期特別実験講座 東邦大学 「遺伝子でわかる、あなたの得意な陸上種目 ~遺伝子多型分析の基礎~」
山脇の学び
8月30日(水)、本校にて東邦大学理学部 佐藤浩之教授をお招きし、高大連携講座の一環として「遺伝子でわかる、あなたの得意な陸上種目~遺伝子多型分析の基礎~」の実験講座を行い、中学3年生から高校2年生17名が参加しました。
今回の目的は、筋肉でも特に速筋(速くて強い動きをする筋肉)にあるαアクチニン3というタンパク質を調べることで、自身の筋肉が遺伝的に陸上競技のパワー・スプリント系種目に適しているか、持久系種目に適しているかを調べることでした。ただ、運動能力は遺伝子のみで決まっているわけではなく、日々のトレーニングや他の遺伝子の影響も受けます。こうした、複数の遺伝子や環境要因によって決まる遺伝現象についても講義を受けました。
当日は遺伝の話から始まりました。中学生は授業でDNAや遺伝について基礎的な部分は知っているものの、ほとんどが高校生物や大学で学ぶ内容ですのでどの生徒も実験の方法やその原理について理解しようと真剣に聞いていました。
実験が始まると、数μl単位という細かい作業に皆TAの方の説明を聞きながら時間を忘れて取り組んでいました。
TAをしてくださった大学生の中には本校の卒業生もおり、進路や大学生活について質問をしている生徒も見られました。
また、反応の待ち時間に、より深い遺伝にまつわる様々な内容を実生活に結び付けて話してくださいました。
最後に、いよいよ自身のDNAの解析結果を手にし、TAの方に結果の読み取り方を教わりながら、自身の筋肉の質について分析しました。実際に自身の得意な運動種目と比較している生徒の様子も見られました。
最後に、佐藤先生から改めて、今回の実験を含め自身の遺伝子を扱うということは個人情報を扱うということであり、結果についても慎重になることが必要と教えていただき講座が終了しました。
生徒たちは、遺伝について深く学び、実験に臨む姿勢の大切さをおおいに実感することが出来ました。