中1~3 夏期特別実験講座「盗聴者を発見せよ!~量子暗号体験実験~」
学園便り
2017年8月29日、電気通信大学にて夏期特別実験講座「盗聴者を発見せよ!~量子暗号体験実験~」を実施いたしました。
昨年度より始まった本講座は、電気通信大学 准教授 清水 亮介 先生に御講義頂き、アシスタントとして山脇学園の卒業生でもある同大学大学院生、学部生の2名と清水研究室所属の学生さん2名のご協力のもとに実施されました。
この日の参加者は中学1~3年生の13名で、講義、実験のあとにキャンパス内の施設見学も行って頂きました。
まず講義では始めに、この実験でやりとりする「暗号」について、その歴史や現在どのように暗号が用いられているのかの仕組みを習いました。
その中で「量子暗号」という送信者から受信者の間で安全に「暗号鍵」と呼ばれる暗号を解読するためのデータを送るということを学び、その中で使われる「光の偏向」の使った暗号化について講義を受けました。どのようにして偏向を使って暗号を送るのか、受信するのか難しいながらも生徒たちは真剣に講義を受けていました。
実験では、講義で習った偏光板を用いた暗号通信の実験を行いました。声をかけあいながら、自分達で設定した暗号を相手に送りましたが、最初はなかなかうまくいかず正しい暗号が送れていなかったり、送った回数と受けた回数が違ってしまっていたり、と試行錯誤しながら行いました。そして、いよいよ講義のタイトルの「盗聴者」役が投入されました。すると、通信エラーの回数が増え、「盗聴者がいる」ということを実験を通して実感することができました。また、そのような場合には、複数の通信ルートを前もって設定し、盗聴者のいないルートを使って迂回しながら通信を行うとよい、ということも習いました。
実験が終わり、今回お世話になったアシスタントの卒業生の2人から進路についてのアドバイスや、大学での過ごし方などを聞きました。
同窓の先輩の生き生きした姿を見て、生徒も真剣に話に聞き入っていました。その後、清水先生の研究室の見学をさせていただき、そこでは高出力のレーザーを使った実験機器などがありました。レーザーで紙を燃やすなどの実験を見せてもらい、目に見えない「光」のことを知ることができた一日でした。