SI便り 「西表野生生物調査隊 活動報告(総集編)3」
山脇の学び
4日目
いよいよ二班が合流しました。
まずは、互いが調査してきた生物についての発表会です。
どのような場所で見つけたのか、その時どのような状態だったのか、みな自分の言葉で他の人にわかるように説明しました。
この日は、以前学校で「マングローブについて」の講演をしてくださった国際マングローブ協会の馬場繁幸先生がいらして下さいました。発表が終わった後、そこに登場した生物について様々なお話をしてくださいました。また、ゲットウとクマザサランはそっくりだけれど、全く異なる種類の植物であることを、実物をまわしながら説明してくださいました。みな「観て、触って」納得です。
その後は、隣の白浜小学校へ出かけました。昨年から始まった、小学生のみなさんとの交流会です。力強い太鼓の音が響き、小学生が披露して下さったエイサーです。調査隊の面々は、小学生の真剣さとエイサーの見事さに大いに感動していました。調査隊54名はお返しに、合唱を心を込めて歌いました。
海人の家に戻ると、すぐに晩の白浜青年団の方々との交流会の準備です。青年団の方々に教えていただきながら、野菜を切ったり、郷土料理のジューシーという炊き込みご飯を作ったり、青年団のみなさんとの会話も弾みます。船浦班でお世話になった渡辺信先生ご一家もご参加くださいました。暫くすると、先ほどの馬場先生が、今日の釣りでぼうずだった調査隊のために、大量の魚を釣って持って来てくださいました。興味を持ったメンバーが集まり、馬場先生の魚の三枚おろし講座です。これも馬場先生のおっしゃる「観て、触って」です!
青年団の方々は、三線や太鼓、その他の楽器と素晴らしい歌声で郷土民謡を披露してくださいました。見事な演奏の後、今度は調査隊の面々が、感謝の気持ちを込めて合唱を披露しました。
5日目
みんなの楽しみにしていた、シュノーケリングの日です。
初めて、イリオモテヤマネコが発見された舟浮集落を生物調査しながらイダの浜に向かいました。
目の前がパアッと開け、美しいイダの浜が広がりました。念入りに準備体操を行い、泳力調査を行って、4チームに分かれ、いよいよイダの浜の生物調査を行いました。おなかペコペコでみんなで食べるホットドックが美味しいこと!楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。
お世話になった海人の家の管理人さんにお礼を言って、白浜を出発しました。夕方、日の入りを観るため浜に出ました。明日は、飛行機に乗って帰ります。
たくさんの方々に支えられて今年も無事に西表野生生物調査隊を終了することができました。ここで経験したことを糧に、みなは1年間、それぞれの継続実験に入ります。この活動をご支援くださった大学の先生方、白浜の地域の方々、琉球大学の施設でお世話下さった方々、海人の家の管理人さん、皆の安全を一番に考え調査活動を支えて下さった皆様、ありがとうございました!

イダの浜にて
<生徒の感想より>
・実際にその場に行って、本物を見ることで写真や図鑑ではわからないようなことも分かったし新たな疑問を持つこともできました。手触りや大きさなどを自分の目や手で触れることが出来、良い経験をしたと思います。
・水族館でしか見たことのないサンゴを間近で見られてよかったです。また、実際に見ることで、サンゴにもいろいろな種類があり、その種によって生息している場所が違うということが改めてよくわかりました。
・同じ海でも、潮が満ちている時と潮が引き干潟となったときでは、全く違う景色がみられおもしろかったです。また、干潟の状態でしか気づけないものも見つけることが出来ました。
・普段は絶対にしないのに、魚をさばいたり、やったことのないことをすることができとても良い経験になりました。
・今まで苦手だった虫を少し克服できました。
・たくさん学ぶためにもたくさんのことを聞き出さなくてはと頑張ったおかげで少しは自主性が身についたのかなと思います。
・色々な方と話したり、作業をすることができ、協力することの大切さがよくわかりました。
・何事もチャレンジすることが大切!
・短い期間にこれだけの経験をすることは二度とないと思います。自ら興味を持ったことを探求する姿勢は大事だと思いました。
・大人になったらまた行きたいです。