山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

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中学3年生対象 キャリア講演会を実施しました

山脇の学び

11月8日(金)、中学3年生の総合学習の一環として、法政大学 ダイバーシティ・男女共同参画推進担当 副学長 コー・ダイアナ先生をお招きし、キャリア講演会「DEI(Diversity, Equity, Inclusion)と女性の社会参画支援」を実施しました。

この講演会は、「女性と労働」をテーマにした全4回の連続授業の2回目として、高大連携校である法政大学のご支援を受けて実現したものです。

女性の社会進出が顕著となって久しい今日、女性の生き方や働き方の選択肢は多様化しています。しかしながら、依然として賃金格差や昇進機会の不平等、育児や介護との両立、保育所不足、ひとり親家庭の課題など、多くの女性がこれらの問題に直面しています。その結果、働き方を見直さざるを得ない状況や、母親が精神的に疲弊するケースも少なくありません。今回の授業は、生徒たちが将来社会に出た自分を想像し、自身のキャリアやワークライフバランス、そして自らの生き方について考えを深めることを目的として、中学3年の学年担当者が企画しました。

講演会は、まず「男女平等とは何か?」という問いかけから始まりました。グローバル・ジェンダー・ギャップ指数のような指標が政治や経済、教育といった公的な側面に焦点を当てている一方で、より包括的な定義として「自分で決められるかどうか、他人から支配されていないかどうか」が重要であるとのお話がありました。

続いて、女性の社会参画の現状について触れ、日本はOECD諸国の中で女性の就業率は決して低くないものの、雇用形態や管理職の割合においては他国と大きな格差がある点を、さまざまなデータを基に説明してくださいました。

その上で、「ポジティブ・アクション」「『女性限定』の意義」「『特権』『優遇』の誤解」「『実力主義』の落とし穴」「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」といったテーマを多角的な視点から掘り下げ、男女共同参画とDEI推進について詳しくお話しいただきました。

最後に、「男女共同参画推進が目指していることは、すべての人に本当の意味での選択肢が与えられる環境を作り、それぞれが生きたいように生きてもらうこと」であるというビジョンを語ってくださり、講演会を締めくくられました。

生徒たちにとって、女性を取り巻く社会の現状や、社会全体でどのように課題を解決していくべきかを考える貴重な機会となりました。また、教員にとっても、女子校という環境が果たすべき役割や目指すべき目標を改めて実感する機会となりました。