山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

山脇の“いま”を伝える学園ブログ

POLARIS

中学3年 科学研究チャレンジプログラム「西表野生生物調査隊」No.2

サイエンス

前回2班に別れる前の記事はこちら

中学3年 科学研究チャレンジプログラム「西表野生生物調査隊」No.1
https://www.yamawaki.ed.jp/2019j3ekachale/

 

【船浦班1日目】

上原港に到着し全員バスで船浦の琉球大学熱帯生物圏研究センターへ。そこで白浜班と別れ、3日間お世話になる渡辺先生にご挨拶をし、宿泊施設の使い方の説明を受けました。

研究棟の屋上から、船浦湾を眺めました。現在曇っていますが、「おそらく、だんだん下り坂になるよ」と、衝撃の宣告を受けたのでした。

宿舎の使い方

研究棟からの眺め

明日使うカヤックの準備をし、雨雲から逃げるようにホシズナ海岸へ行きました。

船浦班では1m間隔で南北に並びホシズナを採取しました。風が強く紐を張るのに苦労しました。

現地では「ホシズナがみつからない!」とさわいでいた生徒たち。学校に帰った検証の結果はどうなるでしょうか。

カヤック準備

ホシズナ採取

ホシズナ

今にも雨が降りそうな中、祖納の集落で海をバックに夕飯のお弁当を食べることにしました。しかし結局、車の中で食べることになってしまいました。雨の中ホタルを観に行きましたが残念ながら観ることができませんでした。

祖納集落

海バックに夕日のはずが!

夜間調査

宿舎に戻り、夕飯のお弁当を分別しました。西表島では生ゴミは捨てません。家庭ではコンポストに入れて肥料にしているそうです。

一日の振り返りをして、今日、羽田を出発したとは思えないほど長い一日が終わりました。

 

【船浦班2日目】

朝食後、渡辺先生が今回の天気の状況について説明してくださいました。

研究棟にある降水量測定装置のデータや様々な雨雲の動きのデータから、今日は雨が降ったりやんだりであまり晴れ間もなく気温が上がらないことが予想できる、とのお話でした。

明日の方がよくなりそうだとの判断から、本日予定のカヤックは明日に変更。いざ出発です。

朝食

天気状況の説明

今日の最初のフィールドワークは、先輩方も行ったことのない、雨風にもそれほど支障のない、クーラ川近くの洞窟探検です。琉球石灰岩の地層が多い西表島では鍾乳洞が発達している場所がいくつかあるそうです。

雨が降ったり止んだりしていたのでレインコートを着て、ヘルメットをかぶりジャングルの中に入りました。

クーラ川付近ジャングル

洞窟にむかって

鍾乳洞に入る前にヘッドライト

南国特有のシダやツル植物の多いジャングルに入り、わくわくします。

タカサゴシロアリの巣を観察していたら、中から頭の尖ったタカサゴシロアリが出てきました。

タカサゴシロアリの巣

タカサゴシロアリ

いよいよ洞窟内に入ります。足が水に浸かり、頭上を気にていても、ヘルメットをぶつけながら、本当に通れるのかと思うくらい狭い場所を通りました。

鍾乳洞 狭くなってきた

助け合って進みます

ひかり

洞窟探検終了

次はユツン川沿いのジャングルに行きました。

ユツン川探検

ヒカゲヘゴ

ギランイヌビワ・オオタニワタリ・モダマ・ヒカゲヘゴなど、たくさんの植物を観察しました。

写真の撮り方のアドバイスもいただきました。

モダマは、世界で一番大きな豆の木でジャックと豆の木を連想します。ツルはバネのようでとても太く、どこまで続くのか分からないくらい長く伸びていました。

写真の撮り方

くるくる太いツルが多い

モダマ このツルでした

宿舎に戻り、「自分のオンリーワンについて話す」プレゼンテーションを行いました。まだ少し距離があるクラスメイトの意外な一面を知り、一気に打ち解けていきました。

自分のオンリーワン語り

午後からは船浦湾の干潟でミナミコメツキガニなど干潟の生物観察をしました。

干潟で出会う生物は

ミナミコメツキガニ

雨が降ったり止んだりでしたが、次はまるまビーチに移動しました。ビーチには外国からの漂流物がたくさん流れついており、これらは遺失物扱いとなるので簡単に捨てることができず、問題になっています。

また、岩についているきれいなコケのように見えたものはアオサノリだと聞いてびっくりしました。

盛りだくさんでしたが、夜は宿舎近くでホタルを観察しました。西表のホタルはこんなもんじゃないと渡辺先生は言っておられましたが、生徒たちはたくさんの光に感動していました。

オオシママドホタル 成虫

オオシママドホタル 幼虫

青春の1枚

【船浦班3日目】

今日はお天気にも恵まれ予定通り西田川流域でのフィールドワークです。

満潮を迎え、船浦湾からカヤックで西田川に向かいました。

まずは準備運動を行い、協力してカヤックをおろし、2人組で漕ぎ出しました。

風もなくカヤック日和です。

 

カヤック準備

準備体操

カヤック降ろして

漕ぎ出します

ヤエヤマヒルギの間を縫いながら西田川へ入ります。しばらく行くとオヒルギのマングローブ林です。カヤックごと突き進み、サキシマスオウノキの板根を触り観察しました。板状の根でとても堅かったです。

ヤエヤマヒルギの中

オヒルギの森の中に突入

サキシマスオウノキの板根

さらに奥へ

終点でカヤックをメヒルギにくくりいよいよジャングルトレッキングです。

メヒルギ 満潮

カヤック留めて

ジャングルではたくさんの種類のシダ植物、サキシマキノボリトカゲなどを観察しながら、サンガラの滝に到着しました。

すべりやすい

西表島の森の解説

シダ植物の表

シダ植物の裏 胞子のう

サキシマキノボリトカゲ

サンガラの滝では長い時間をかけてつくられたポットホールがたくさんあいていました。中にはオタマジャクシなどの生物がいました。

サンガラの滝付近

ポットホールにはオタマジャクシがたくさん

昼食を食べ、滝で遊びました。

滝の内側

サンガラの滝にて

来た道を戻り、カヤックを留めた場所を観ると、潮位の変化がよくわかりました。

水位の変化

カヤックを出そう

帰りには、干潟でミナミトビハゼやオキナワハクセンシオマネキを観察しました。

メヒルギ 干潮

オヒルギ

急いで戻らないとさらに潮位が下がってしまします。あわてて船浦湾まで戻りましたが、上手に潮目を読めなかったチームはカヤックを降りて引っ張っています。

引っ張って帰る

カヤックはきれいに洗って片付けます

イリオモテモリバッタ

船浦もあと少しだと思うと疲れてばかりいられません。元気いっぱいで、夕方から中野のビーチに向かい、軽くシュノーケルと磯観察を行いました。

シュノーケル練習

磯観察チーム

事前学習で危険生物と習ったミノカサゴが3匹くらいいて怖いけど観察!!

 

カクレクマノミとイソギンチャク

アオヒトデ

ミノカサゴ

夜にはヤエヤマオオコウモリを観に行きました。甘い果実を食べるコウモリで羽を広げると1mにもなります。本当に逆さまに木にとまることに感動。

夜間観察 ヤエヤマオオコウモリ

ヤエヤマオオコウモリ

その後、星空観測に行きました。曇っていましたが、部分的にでも星が観えると生徒は大感激です。

明日はいよいよ白浜班に合流です。

 

【船浦班4日目】

朝食後、お世話になった宿舎を来た時よりもきれいにして、白浜に移動します!!

みんな真剣に、大掃除に臨みました。

渡辺先生のまとめセミナーでは

「自分の人生で大切なこと」「自分の好きなことを見つけること」「自分の世界の外を見ること」など、これからの人生すべてにつながることを人生の先輩としてお話くださいました。

生徒の胸に深く刻まれたことでしょう。

宿泊棟を出発し、白浜へ向かう道中、白浜での避難経路の確認をして海人の家へ向かいました。