山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

山脇の“いま”を伝える学園ブログ

POLARIS

中3 科学研究チャレンジプログラム「西表野生生物調査隊」報告②

サイエンス

―「白浜班」の4日間―
<1日目>

フェリー西表島の上原港に着き、バスで移動。途中「船浦班」に別れを告げ、国道の終点「白浜」の“海人の家”に着きました。いよいよ白浜班の調査活動の日々の始まりです。夕食後、旧道を上り「夜の生物調査」の始まりです。これは、避難路確認も兼ねたものです。山道を登り道も狭くなると、暗闇の中にヤエヤマヒメホタルが山の斜面に沿って、美しいイルミネーションでした。静寂の中みな幻想的な光景を見入っていました。夜道を歩いているとカニ、カエル、ヘビなどの生物と遭遇。皆いっせいにカメラに収めます。

<2日目>
東海大学沖縄地域研究センターに向け出発です。河野先生は渡り鳥にカメラをつけその行動パターンを解析していく研究や、ヤドカリの行動範囲とヒトの集落との関係の研究の話をしてくださいました。また、研究をする時には「何を知りたいのか」、「目的を達成するためにはどのような工夫が必要か」を考えることが大事だが、それ以上に、「むやみやたらと行うのではなく、よく観て、予測を立て、実施していくことが大切だ。」ということを教えてくださいました。これからの1年間の研究活動における心得として心に留めておきたいお話でした。

その後、星砂海岸に寄り、10 m間隔で海岸に広がり各地点で星砂をサンプル瓶に採取しました。過去2回の先輩たちのデータも含め「星砂の成因」を探ります。

午後は、海人の家の周辺を探索した後、念のため予定を変更して公民館で調査内容のまとめをしました。しばらくすると、地域放送で「暴風・波浪警報」が発令されたことを知りました。建物の外では風で飛ばされてくるものへの対策として管理人さんによってネットが張られたり雨戸が付けられました。

<3日目>
 台風6号は、夜中皆がぐっすり眠っている間に通り過ぎていきました。残念ながらカヌーで仲良川をさかのぼり滝までトレッキングをするこの日の行程を変更し、午前中は時折降る雨の中、釣りを楽しみました。台風で海水が濁っていたため、魚に気付かれなかったようです。今までのなかで一番の大漁でした。

白浜湾内でカヌーの練習です。カヌーの上からマングローブの観察。

海人の家に帰ると早速、釣った魚のさばき方を教えていただきながら慣れない手つきで包丁を入れます。この魚は、明日の交流会のバーベキューの食材になります。食べるのが楽しみです。

その後、たまたま取材にいらしていた「西表フィールド図鑑」の著者 横塚眞己人さんのお話を伺うことができました。諦めずに現地に通い、周りをよく観察していくうちに、その生物の様々なことが見えてきてにおいまで分かるようになると、イリオモテヤマネコFelis iriomotensisに初めて出会うまでを例にとって話してくださいました。これからの調査活動に重なる貴重なお話しでした。
夜は、第1回目の調査報告会です。プレゼンテーションの第一歩。先生方よりたくさんのアドバイスを受け、次につなげます。

<4日目>
 この日の午前中は、カヌーに乗って白浜湾を出発し、雄大な仲良川に入ります。しばらくすると、干潟が見えてきました。みな上陸し、干潟の生物とマングローブ林の観察です。小さな水の流れを分け入ると、大きな糞を発見!つついてみたら動物の毛が混じっていました。肉食の動物の糞です。傍をみると、いくつかの足跡を発見しました。「イリオモテヤマネコの糞!?」 夜行性のため、なかなか遭遇できないヤマネコですので、そこにいた人たちは興奮して糞や足跡に近づき撮影です。

午後はいよいよ、船浦班と合流します。話を聞くのが楽しみです。