北海道大学 雨龍研究林で学びのプログラムに参加しました
山脇の学び
7月29日・30日の2日間、北海道大学 雨龍研究林で森林生態系の機能や、生物多様性の保全について学ぶプログラムに参加しました。
このプログラムは、芝高校が課外ゼミ「芝漬ゼミ」として企画・実施したものです。今回、麻布高校と本校も参加のお声がけをいだき、本校からは高校1年生・2年生あわせて13名が参加しました。
1日目は、まず旭川空港から雨龍研究林の事務所までバスで移動。開校式のあと、森林演習がスタートしました。
最初のフィールドワークでは北方圏の原生林の成り立ちや木々の生態について学びました。ササの密生が森林に与える影響、倒れた木を苗床にしてその上に次の世代の木が育つ倒木更新の仕組み、森林環境による生物多様性の変化などについて、実際の森林の姿を通して学習することができました。
続くフィールドワークでは、実験エリアの植生調査を通して、「掻き起こし」と「表土戻し」による樹林再生の研究について学びました。実験の結果を自分たちで調査し、どうしてそのような結果になるのかを考察するという過程を通して、大学の研究とはどのようなものか体験することができました。
フィールドワークの後は研究センターに戻って振り返りと考察を行いました。




2日目の最初は、人工的に地すべりと同じ状況を作った斜面を再現した実験フィールドを見学しました。生徒たちは条件を変えて実験した斜面を比較して、どのような違いがあるか、どうしてそのような違いがあるかについて考えました。
続いて、幻の魚イトウも生息している渓流を見学しました。川の流れが曲がっていることで多様な水生環境が生まれ、豊かな生物多様性が保たれていることを学びました。残念ながら今回はイトウには会えませんでしたが、イワナなどの魚を観察することができました。
最後に見学したのは、真っすぐな川の流れを、より魚や虫などの生物が住みやすくするために、自然の流路に戻す取り組みを行ったエリアです。多様な水性環境が生まれた一方で、流路が変わったことで増水時の水の勢いが激しくなったことで、川に架けていた木橋が壊れて車両が通れなくなっている状況も見学しし、気候変動時における河川管理の難しさについても学ぶことができました。
フィールドワークの後は研究センターに戻って、土壌生物に関する基礎知識や重要性、ミミズが二酸化炭素の放出に与える影響、温暖化により北方圏の森林が受ける影響などについての講義を受けました。
生徒たちは、日差しや虫など、野外フィールドならではの洗礼を受けつつも、持ち前のバイタリティで楽しみながら森林や気候変動について学ぶことができました。
今回、貴重な機会をいただいた北海道大学雨龍研究林・芝高校の先生方やスタッフの皆様、ご一緒に参加してくださった麻布高校の皆様に感謝申し上げます。



