山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

山脇の“いま”を伝える学園ブログ

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高校一年 夏季学校

山脇の学び

 高校一年生は、七月二十三日(火)〜二十七日(土)にかけて、二泊三日の夏季学校を実施しました。富士山とその周辺地域へ、学年全体が三班に分かれて向かいました。

一日目の午前中は、富士吉田樹海へ行きました。そこでは天然記念物の富士風穴に入りました。風穴には急な崖を下るところがあり、みんな足元に注意して慎重に歩みを進めました。梯子を使って降りる場所では、現地スタッフの方がサポートしてくださり、時には自分たちで助け合って行動することができました。風穴の中はとても寒く、氷が張っていました。所々、足元が不安定な場所がありましたが、みんなが安全に気をつけることで、無事に探検をすることが出来ました。風穴を出て樹海を探索した際には、現地の方が森林や富士山の地層について詳しく解説して下さりました。富士山周辺地域の木々と地層の関係についての知識を深めることが出来ました。富士山周辺の自然環境については、『富士山のふしぎ100』という本を事前に朝読書で読んでいたため、学んだ知識を実際に目の前で見ることができました。

 初日はコテージに泊まり、自分たちで夕食を作る予定となっていたため、食材を買い揃える目的で、地元のスーパーマーケットに向かいました。コテージごとに手分けして必要な食材を考え、買うことが出来ました。コテージに到着後、夕食の準備に取り掛かり、バーベキューをする人もいれば、焼きマシュマロをする人、野菜炒めを作る人などさまざまでした。皆で一致団結し、コテージごとに趣向を凝らした料理が出来上がりました。

 二日目の始めは富士山の宝永火口の調査を行いました。富士山の五号目までバスで登り、そこから徒歩で宝永第二火口縁を目指しました。岩も多く最初は登るのに苦戦しました。宝永第二火口縁は雲よりも高く、とても綺麗な景色が見られました。校章にある、富士山の偉大さを身近に感じることが出来ました。

 午後には、自分達の興味・関心をもとに設定した探究テーマに沿った場所に行く自主研修がありました。三島駅前で解散となり、修善寺駅に集合するプログラムでした。ある班は、富士山と人々の関わりを調べるために、楽寿園と富士山の湧き水がある白滝公園へ行きました。水がとても澄んでいました。暑いので多くの人が水遊びをしていました。富士山はこういった形でも人々に恵みをもたらしている事に気づきました。またある班は富士山信仰について調べるため、三嶋大社と伊豆国二宮淺間神社に行きました。現地での調査からしか得られない資料や情報の収集をし、有意義な時間を過ごすことができたと思います。持ち帰った情報をもとに、設定したテーマについて深く考察していきたいと思います。

 最後はキャンプファイヤーを行い、火を囲みながらゲームを行いました。「猛獣狩り」と「バースデーチェーン」というゲームです。両方のゲームを通じて、楽しいひとときを過ごすことができました。キャンプファイヤーの暖かさと共に、クラスの人達との絆が深まる良い経験となりました。

 三日目の午前中は韮山反射炉とジオリアに行きました。世界遺産である韮山反射炉は、幕末期に作られた金属の溶解炉で、十五メートル以上の高さがあります。内部も見学することができ、その迫力に圧倒されました。また、幕末期にこのように大規模な設備を作ったこともすごいと思いました。ガイドの方の説明から、一度は風化が進んだものの、地元の方々が大切に守ってきたということを知り、歴史を感じました。

 ジオリアは、伊豆半島ジオパークミュージアムで、伊豆半島の成り立ちや地形をプロジェクションマッピングや模型などで体験的に学べる施設でした。伊豆半島は南の海で生まれて、本州と衝突してできたと知り、プレートの活動について理解を深めることができました。

 最後に日本三代清流の柿田川湧水を訪れました。富士山周辺に降った雨水が湧き水となって地表に現れる様子を見ることができました。柿田川湧水の第二展望台から見える湧き水は青色に見え、水と色の関係を探究したくなりました。清流が育む自然豊かな土地であり、希少種のアオハダトンボを見ることもできました。

 三日間の夏季学校の中で、夕食作りや班行動を通じて、協力し合い仲間を大切にすることの重要性を学びました。また、樹海探索や山登りでは富士山の自然の雄大さを実感し、韮山反射炉を見学することで、その土地の歴史的背景に目を向けることができました。仲間を大切にする気持ちや、自然的・社会的視点から物事を多角的に観察することを意識して、これからの学校生活に取り組んでいきたいと思います。