学習院女子大学×山脇学園 平和教育プログラム【1日目】
山脇の学び
2025年1月17日(金)、学習院女子大学との高大連携事業の一環として毎年本校で開催している平和教育プログラムを実施しました。今年度は1月17日・2月14日の2日間で実施します。今年度は中学3年生のみを対象とし、今年度の社会科(公民的分野)の授業で扱った内容を前提として臨みました。
昨年に引き続き、学習院女子大学国際文化交流学部長畠山圭一教授(国際政治、アメリカ政治外交がご専門)にご来校いただきました。【1日目】のテーマは、「軍事力と核兵器について」。核抑止など、非常に複雑かつ繊細な内容を、端的にわかりやすく講義していただきました。この日はNHKの撮影も入り、講義を真剣に聴き・メモを取る生徒たちの様子がカメラに収められました。
今回のような機会に得られた知識や考え方を通じて、世の中の見方を知り、自分の知識と繋げ、自分の考えや意見を創り上げていく糧にしてほしいと思います。また、高校2年次の修学旅行に向けて、「平和とは何か、どのように実現するのか」という問いに向かい合っていくために活かしてほしいと思います。
次回は2月14日。テーマは「国際関係について」の講義となります。
《生徒の感想から》
当たり前でない平和という状態に感謝したいと思いました。(プラトンが)科学を応用してはいけないと言っていたのに、核兵器を作り出してしまったのはしてはいけなかったことだと思いました。核兵器の威力を数値とともに紹介されたため、核兵器が恐ろしいことは知っていたが、さらに恐ろしいと感じた。
社会でやった冷戦の範囲についてより詳しく教えていただきました。私は原爆ドームに行ったことがあり、原爆の恐ろしさやそれによってもたらされる被害などを見て知っていましたが、その核によって人類史上1番長い平和な時代が来たということが皮肉だなと感じました。それ以外にも武力や軍事力を行使することで紛争が起きているのに、それがないと平和が保てないことも皮肉だなと思いました。これからの核爆弾への向き合い方に課題は残っているので、自分が生きている時代もその先も、大規模な戦争がないように自分のこととして考えていきたいと思いました。
一番最後に仰っていた「核兵器の知識を消し去ることはできない」という言葉が印象的でした。さらに軍事は平和のために必要であることなど、一応知ってはいたけれどもよくわかっていなかったことのお話がたくさん聞けて楽しかったです。テレビで戦争のドキュメンタリーを見ていてとても衝撃を受け、しっかり国際社会の話を聞いてみたいと思っていたので、とても勉強になりました。今日学んだことを頭に入れて、これから生きていく中でニュースなども関心を持ってみたいと思います。
以前、社会の授業で核抑止戦略についてのテーマを考える機会があった。今回の講義でこのテーマへの理解をより深めることができたと思う。核を持った途端に戦争のない世の中が訪れた、というのは本当に皮肉である。だが、これはあくまでも使えば一発で世界が滅亡するかもしれないという、これまでと比べ物にならないリスクを背負って手に入れた“平和”であり、本質的な解決方法ではない。大国の核保有数は確かに減少の傾向にあるが、漏れ出た技術がどこでどう使われるのかを正確に予測して対処することは難しい。相手が核抑止による制御が効くかどうかさえ分からない。国際情勢が複雑になっている今だからこそ、この課題を先延ばしせずに一人一人が向き合っていく必要があると私は考える。



