2022年度 中学校卒業証書授与式を行いました
学園便り
3月20日(月)、2022年度中学校卒業証書授与式を行いました。
中学3年生は、中学校入学式をリモートで実施した学年です。入学式は保護者の方のご臨席もかなわなかったため、中学校卒業式では来校された保護者の方にも講堂にて式を見守って頂きました。


【卒業生入場】

【卒業証書授与】




【学校長式辞】


武家屋敷門の桜が、春の日差しにほころび、美しさを増しています。
この佳き日に、保護者の皆様方にご臨席を賜り、卒業式を挙行できますことは、私ども教職員にとって大きな喜びでございます。
ただいまお名前を読み上げた183名の卒業生のみなさん、本日はご卒業、おめでとうございます。心からお祝いとお喜びを申し上げます。
皆さんが山脇学園に入学された3年前のあの春を、私たちは忘れることはないでしょう。突然の感染症の拡大により、全国の学校の校舎から生徒の姿が消え、卒業式や入学式という別れと出会いの大切な節目が行えないという事態。受験を乗り越え、中学校生活への希望にあふれていたみなさんにとって、残念さと不安が心を覆う日々だったことでしょう。私たちもそんなみなさんに思いを寄せ、会える日を待ち望むことしかできませんでした。
入学式はオンラインで行いました。真新しい制服を着て、少し緊張の面持ちでZoomカメラの前に座っていたみなさんのお顔を、私たちはこの講堂で見ていました。一人ひとりお名前を呼ばれ「はい、よろしくお願いします」と答えた表情は、本当にかわいらしくまっすぐでした。動画での授業、Zoomでのホームルームでは、みなさんに寂しさを少しでも感じさせないように、学校への気持ちが切れないようにと、先生たちも必死で、画面に向かって語りかけていました。
初登校は6月のスタート式でした。葉桜の下で保護者の方と写真を撮りながら、笑顔で登校された皆さんを迎え、やっとお会いできた、という気持ちで満たされたことを覚えています。しばらくはクラス全員が顔をそろえるのもなかなか難しい状況でしたが、皆さんが友だちをつくり、少しずつ学園生活に慣れていくのをホッとしながら見守っていました。
部活動や行事も制限の多い一年でした。小学校時代に思い描いていた中学校生活とはかけ離れた日々だったと思います。しかしみなさんは粛々とそれを受け容れ、一生懸命に毎日を送っていたと思います。
中2では、iPad導入により、みなさんの学びの風景も大きく変わりました。教員にとっても授業の変革が迫られる怒涛の日々でしたが、iPadをあっという間に使いこなし、自分の学び方・使い方を習得していくみなさんのしなやかさに私たちも力づけられていました。
学園生活も少しずつ活気を取り戻し、高校生を中心にできることを精一杯やっていこうという雰囲気が生まれてきました。校庭で先輩が練習しているダンスや部活動の光景などを、窓に貼りつくようにして見つめていた皆さんの姿が印象的でした。
中学最高学年である中3の一年は、今まで抑えていたものが溢れるかのような、様々な活躍を見せてくれました。学園生活に自分たちが貢献しようという気持ち、後輩たちの見本になろうという気持ちも、生徒会活動などを通して感じられるようになりました。
5月の関西修学旅行・西表野生生物調査隊は、みなさんにとって本校での初めての宿泊行事となりました。事前学習を行ったうえで、実際に訪れた地の歴史や文化・自然に触れた経験、そこに生きる方々の話に耳を傾けた経験は、仲間と共に味わえた忘れがたい学びになっていると思います。その後の皆さんの学校生活の中に、十分に活かされていることを感じました。
山脇祭では、それぞれのクラスが工夫を凝らし、様々なアイディアを出し合い、皆で楽しめるように計画を立て、実行していました。初めて保護者の方に山脇祭を見ていただけたことが、皆本当に嬉しそうで、いくつもの役割を掛け持ちしながら頑張っている生徒の姿もありました。
体育祭でも、各クラスの体育委員が中心となって種目を決めたり、メイポールや団体競技の長縄など、クラスが一丸となって練習に取り組んだりと、前向きで明るい姿がたくさん見られました。
みなさんにとって初めての6学年合同の体育祭は、先日卒業した高3生が中心となって復活させたものでした。先輩たちが伝統の体育祭に込めた願いは、「全校生徒がともに全力で楽しむ、山脇の行事のありかたを後輩たちに伝えたい」ということでした。そしてみなさんは、その気持ちを受け取ろうとするかのように、高2や高3生の活躍や、伝統のダンスなどをしっかり見つめていたように思えました。
合唱祭も、対面での実施はみなさんにとって初めてでしたが、「Restart!」というスローガンのもと、中3としての自覚を持ち、実行委員が中心となって、合唱祭全体を盛り上げようという気概を感じました。どのクラスもそれぞれに練習を重ね、当日のみなさんの歌声は瑞々しく、歌詞のメッセージが切々と伝わる、心に響くハーモニーでした。中学の集大成として、そして中学最高学年として、しっかりと後輩に合唱祭の伝統をつないでくれたと感じています。
さて、山脇学園では自分の「志」を立てることを教育目標にしています。「志」とは、2つの意味がありましたね。自分が心に決めた目標のこと、そしてそれを活かして他者への貢献につなげることが、志です。
自分が何を学びたいのか、どんな人間になりたいのか、それをどのように社会に役立てるのかを考え行動するためのエンジンであり、道しるべともなるものです。
中学3年間を経た今、あなたに「志」の輪郭は見えていますか。「志」を立てるためには、自分を開拓することが必要なのですが、毎日同じ場所、同じ人間関係で、なんとなく過ごしているだけでは、なかなか自分の中にある志の種を見つけることはできないものです。自分からチャレンジを求め、主体的に動き、様々な人と出会い、真剣に打ち込む経験を重ねたところからこそ、自分の新たな力を発見し、進む道が見えてきます。
この3年間の社会情勢により、みなさんはそのような場を求めにくい中学校生活だったかもしれません。それでも、自分でテーマを定め継続的に探究活動をした人、「マイステージ」に挑戦した人、行事の運営に関わり貢献した人、部活に打ち込み技術を向上させた人、日々の学習方法を工夫し成果を上げた人など、一人ひとりに、主体的に動き真剣に打ち込んだことがあると思います。それらは紛れもなく、あなた方の志の種になる「大切なもの」なのですが、その時はそれに気づかないことが多いのです。是非ここで、中学校生活を振り返り、自分の頑張ったことから「何を得たのか」「これからにどうつなげたいのか」を、しっかりと考えて頂きたいと思います。それらを携え進んだ高校で、あなたの「志」の種は、茎を伸ばし葉を茂らせ、枝を広げ、3年後に自分の花を咲かせることにつながることを確信しています。
さて、中学校の卒業は義務教育の終了を意味します。ここから先は、みなさんが自分で選び主体的に歩んで行く道です。ここまで隣を歩いてきた先生たちは、みなさんのご成長を喜び、これからのさらなる飛躍を願いながら、これからは少し後ろに下がり、あなた方が自ら考え、選んでいく道を尊重し見守ります。
そして悩んだ時、迷った時には、いつでも手を添え、背中を押せる存在でありたいと思っています。
3年間、友と一緒に過ごし学んだたくさんの経験や思い出も、あなたの「大切なもの」であることでしょう。これまで築いた友情を大切にし、また新たな出会いを求め、本校の校章があらわす「まるく優しい心と、豊かな人間性」を育んでいってください。
最後に保護者の皆様、本日のご来校、まことにありがとうございます。お嬢様のご卒業に際し、心よりお祝いとお喜びを申し上げます。3年前の入学式で皆さんを迎えることができなかった桜が、今日、卒業生のみなさんを祝福しているような気がしてなりません。
立派に成長された第一制服でのお姿を拝見しながら、本日、皆さまとともにお祝いできる喜びを、教職員一同、深く感じております。
中学時代という思春期にあたり、お嬢様のご成長の日々には、さまざまな表情があったことと思います。コロナ禍においては、時に不安や孤独を抱えるお嬢様を、励まし支えてくださっていたことと存じます。どのような時も、学園をご信頼いただき、ご理解とご協力を賜りましたことに心より感謝申し上げます。
そしてお嬢様が高校という次のステージで、力強く歩みを進めていかれますよう願い、これからも支援し続けてまいります。
それでは、みなさんが未来に大きな志を描ける平和な世界を願い、お一人お一人のさらなるご成長とご活躍を心より祈念して、祝辞といたします。
令和5年3月20日
山脇学園中学校校長 西川史子
【卒業生による合唱「大切なもの」】

イギリスで語学研修中の英語チャレンジクラスの生徒は、3月11日(土)に一足早い中学校卒業式を行いました。
【英語チャレンジクラス 卒業証書授与式】


卒業式後は、講堂にてクラス写真の撮影を行いました。


終礼後の校庭は、保護者の方や友人と記念撮影する卒業生の明るい声が響いていました。



4月にまた、高校生になったみなさんとお会いできることを楽しみにしています。