高校2年 修学旅行 ~ 長崎・福岡 ~
学園便り
令和3年度高校2年生(現高3)は、2022年3月28日から30日に2泊3日で修学旅行に行きました。
新型コロナウイルス感染症の影響で延期が続いていましたが、年度末に無事実施することができました。
文系は初日、理系は2日目に平和公園を見学しました。
資料館では、原爆被害の凄惨さを目の当たりにしました。
見学後は、被爆者の方による講話を聴きました。
今回お話くださった方は、「あの悲惨な記憶を思い出したくない」と何度も講話の依頼をお断りされていたそうですが、被爆体験を後世に語り継ぐために講話をお引き受けくださったとのことです。
実体験をうかがい、一人ひとりが平和について思いを巡らせる時間となりました。
2日目には、高速船に乗って軍艦島を見学しました。
総合的な探究の時間で、事前に軍艦島の地理・歴史・文化について学びました。
文系クラスも理系クラスも天候に恵まれたおかげで無事上陸することができ、貴重な体験となりました。
夜のHRでは、稲佐山の夜景・長崎の伝統芸能である龍踊りを鑑賞しました。
稲佐山の夜景は「新世界三大夜景」に選ばれた心洗われる美しい光景でした。
そのなかで日中の平和公園の見学を想起し、戦争の悲惨さを乗り越えて輝いている街並みであることを改めて感じました。
龍踊り鑑賞では、異国情緒溢れる雰囲気を肌で感じました。
実際に体験させていただいた際には、予想以上の龍の重たさに驚きました。
また、長崎市内で自主研修を行いました。研修ルートは、オンライン授業期間中にZoomを利用して班ごとに決定しました。各々の興味関心に合わせて長崎の歴史・文化・伝統・自然を感じることができる貴重な時間でした。
文系は3日目・理系は1日目に、福岡県の太宰府天満宮を参詣しました。
高校3年生での受験を控え、各々の希望の進路実現を祈願しました。
文系は最終日、長崎から福岡に向かうなかで佐賀県有田市を訪れ、有田焼の絵付け体験をしました。
工房の方に暖かく迎え入れていただきながら、本物の伝統工芸に触れることができました。
理系は初日、九十九島パールシーリゾートにて、マリン体験・水族館見学をしました。
東京での生活ではなかなか感じられない自然を全身で感じ、環境や生物への関心を高める素敵な機会となりました。
高校2年生の総合的な探究の時間では、「平和実現のために自分が出来ること」をテーマに個人探究を進め、ポスターの制作や発表、論文執筆を行いました。今回の修学旅行は、これまでの探究活動のフィールドワークとなり、知見を広げることができました。
平和実現のために私たちができることは、「思い出すこと」と「語り継ぐこと」です。修学旅行という生涯の思い出を作ることができたこともまた、平和実現への確かな一歩だと感じました。
【生徒の感想】
平和記念公園を訪れた時、あの場所の静けさに胸を打たれました。広い公園の中に堂々と建っている平和記念像、ちらほらといる観光客がゆっくりと石碑を見回っている姿、その場にいる全員が平和であることの尊さを噛み締めているようでした。修学旅行を終えて思い出すのはやはり戦争の悲惨さです。現在、ロシアとウクライナが一方的な戦争状態にありますが、修学旅行後では自分に出来ることはないかと考えるようになりました。まだ私に出来ることは限られていて、どうやって将来戦争がない世界にするのかを考えることや、募金をすることだけだと思います。しかし、今回の修学旅行を通して学んだ平和を追求するこの気持ちを忘れないでいれば、必ず何か世界の力になれる事を見つけられると思うので、この気持ちを忘れずに成長していけたらと思います。
原爆資料館を訪れた際、最新技術を利用して当時の状況を説明しているコーナーがあり、とても分かりやすくて驚きました。また、原爆ができるまでの技術の進化過程をしているコーナーもありました。このコーナーを見た時、このような技術進化があるから原爆は生まれ、最新技術を駆使した展示コーナーを作ることができるのだと思い、とても複雑な気持ちになりました。稲佐山から夜景を見た時にも、技術を利用した兵器によって街は壊され、技術によって復興し、綺麗な夜景となったと考えると、技術をどう活用するかはとても重要なことだと思いました。技術が進化していくことで私たちの生活は便利になっていきますが、一方でさらに恐ろしい兵器も作られています。何事も多方面から見ることで意味が変わってくると思います。今後、大学生、社会人になり、様々なものに触れると思います。その際、1つのものを多方面から捉えられるようになることが重要だと思うので、今から小さいことでも多方面から見ることを実践したいです。