山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

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12/17 東京大学工学部の訪問プログラムを実施しました

山脇の学び

12月17日(水)、東京大学工学部を訪問するプログラムを実施しました。当日は、高校2年生・高校1年生の希望者および高1サイエンスクラスの生徒あわせて約40名が参加しました。

はじめに、東京大学 先端科学技術研究センター 大学院工学系研究科 都市工学専攻 准教授の春日郁朗先生より、「薬剤耐性菌とOne Health」をテーマにご講義をしていただきました。

抗菌薬が効かなくなる薬剤耐性菌(AMR)は、国際社会が直面する深刻な課題の一つであり、2050年には薬剤耐性菌による死亡者数が、がんによる死亡者数を上回る可能性があるとも指摘されています。この問題に対処するためには、ヒト・家畜・環境という三つの要素を切り離さず、統合的に捉える「One Health(ワンヘルス)」の視点が重要であること、特に下水処理が十分に整っていない発展途上国では、未処理の汚水が農業用水としても用いられ薬剤耐性菌の拡散につながっている現状があることなど、具体的な事例を交えながらお話しいただきました。

春日先生の研究では、都市水環境や水システムの中で薬剤耐性菌がどのように存在し拡散していくのかを明らかにし、それを制御する方法について取り組まれており、生徒たちは「都市工学」という分野が、社会課題の解決に直結する学問であることを実感している様子でした。

続いて、都市工学専攻の女性大学院生お二人から、ご自身の研究内容についてご紹介いただきました。一人は「病院排水の現状と課題」、もう一人は「水環境中の有機汚染物質の調査」をテーマとしており、同じ都市工学の分野でも多様なアプローチがあることを学びました。

その後、研究室見学を行い、大学院生の方々が実際に研究に取り組んでいる様子や、研究機材についてもご説明いただきました。普段は入ることのできない東京大学工学部の研究の現場を間近で見ることができ、生徒たちもテンションが上がっている様子でした。

プログラムの最後には、学部生の女子学生お二人をお迎えして座談会を実施しました。キャンパスライフや勉強方法、東京大学を志望した理由、将来のキャリアについて、生徒から多くの質問が寄せられました。学生のお二人からは、「レベルの高い学生・研究環境の中で学べること」「多様な人と出会えること」が東京大学の魅力であること、また勉強については「とにかく問題演習量をこなすことが大切」という率直なアドバイスもいただきました。

参加した生徒にとって、最先端の学びと将来のキャリアを具体的にイメージする貴重な機会となり、学び進路へのモチベーションが大きく高まるプログラムとなりました。春日先生からは「ぜひ全員東大を目指してください」という応援のメッセージをいただきました。今回の参加者の中から、実際に2年後・3年後に赤門をくぐる生徒が現れることを期待しております。