山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

山脇の“いま”を伝える学園ブログ

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2023年度 高等学校卒業式を行いました ~その2~

学園便り

今回の記事では、在校生総代からの「送辞」と、卒業生総代の「答辞」をご紹介します。

【送辞】

三寒四温を繰り返し、牛鳴坂を通り抜ける風にも春の訪れを感じるようになりました。武家屋敷門の桜の蕾も、先輩方の旅立ちを祝福しているかのようです。

この佳き日に、山脇学園をご卒業される皆様、本日はご卒業おめでとうございます。在校生を代表し、心よりお祝いを申し上げます。

平成30年4月8日、志を抱き、これから始まる学園生活への期待に胸を膨らませながら武家屋敷門を通ったあの日からここ山脇学園をご卒業される本日まで早くも6年が経ち、数々の思い出を思い起こしながら今ここにいらっしゃると思います。

私たち後輩は、先輩方の背中を追いかけ続けてきました。私は入学時、新しく始まる学園生活に不安や緊張を感じていましたが、先輩方の姿を拝見すると、「入学して1年が経つと、こんなにも制服が似合う山脇生の一員になれるのだ」と心が躍りました。部活動や委員会活動では歳が近いこともあり、親近感を持ちながらも時に厳しく、時に優しく私たちを導いてくださいました。個性豊かで活気に満ちた先輩方の姿がない山脇学園は、どこかもの寂しく感じられます。

先輩方の6年間の学園生活を思い返すなかで、新型コロナウイルス感染症との戦いは避けては通れない出来事だと思います。入学後、多くの学校行事を経験し、翌年も再びその日を迎えることを心待ちにしていましたが、社会情勢の影響を受け、学校行事の延期や縮小、中止が相次ぎました。

 「これまでのような学校行事はもうできないのではないか」という先の見えない不安の中、私たち後輩を励まし、支えてくださったのは先輩方の存在でした。コロナ禍以前の学園生活を知っていらっしゃる先輩方とつらさを分かち合うことで、この困難に立ち向かっているのは一人ではないのだと感じ、前向きな気持ちになることができました。昨年度の山脇祭では、クラス展示と部活動発表を融合した新たな形の山脇祭を企画し、これまで全校生徒が温めてきた熱い思いを一つにしてくださいました。先輩方が時代の変化に合わせてFirst pageを刻みながら伝統を繋いでくださったおかげで、120周年の節目である今年を迎えることができました。今年度の体育祭では、6年間の山脇学園での生活の集大成として描かれた「ペルシャの市場にて~プロムナード」の人文字を見て、すべての山脇生の学園生活にも「彩」を与えてくださったことを思い起こし、感謝の思いで胸がいっぱいになりました。

中国の歴史書『漢書』が由来となっている「不撓不屈」という言葉があります。どんな困難があっても志を曲げず、諦めないという意味ですが、学園生活や受験勉強に向かう先輩方はまさにそれを体現されているように思われました。何事にも一生懸命に取り組む先輩方は輝かしく、最高学年にふさわしい姿でした。私たち後輩は、先輩方から学園生活の楽しさや厳しさ、目標を持って日々過ごすことの大切さ、自分が成長できる仲間のかけがえのなさを学びました。先輩方は、山脇学園を旅立った後も、志を諦めることなく実現し、それぞれの道を切り拓いていかれることでしょう。

最後になりましたが、改めて本日はご卒業おめでとうございます。先輩方のこれからの人生が彩り豊かなものとなるよう、在校生一同、心よりお祈りして、送辞といたします。

  令和6年 3月9日
山脇学園中学校・高等学校 在校生総代

【答辞】

寒さも和らぎ、吹く風にも春の訪れを感じる頃となった今日、私たちは卒業の日を迎えました。この佳き日に、私たち卒業生のために盛大な式典を開いて下さり、誠にありがとうございます。ご来賓の皆様、教職員の皆様、同窓会の皆様、保護者の皆様にご多用の中ご臨席を賜りましたことに、卒業生一同心より感謝申し上げます。

 6年前の2018年4月8日、真新しい制服を身につけて臨んだ入学式では、新しく始まる生活への不安や心配を抱くと共に、大きな期待に胸を膨らませていたことを、今でも鮮明に覚えています。学園生活に慣れない頃は、広い校舎内で迷い、友人と一緒に授業に遅れたこともありました。初々しかった日々を思い返すと、とても懐かしい気持ちになります。中学校生活では勉強だけではなく、夏季学校、山脇祭、体育祭、合唱祭などの学校行事を通して、相手を思いやり、共に高め合う力が養われました。しかし、2020年3月からは新型コロナウイルスの感染拡大によって一変した生活を送ることとなりました。

 中学3年時はオンライン授業になり、周りに仲間がいない自宅で勉強するという、慣れない生活が始まりました。その後は、登校が可能になり日常を取り戻せたという思いも束の間、山脇祭や体育祭の規模縮小や合唱祭の中止が続き、当たり前の学園生活が送れない状況が続きました。しかし、そのような日々を通し、一緒に笑いあい、励ましあった友達、そして私たちを優しく指導して下さる先生方に毎日会えることがどんなに貴重なことか、身に染みて感じました。様々な制約の中での学校生活ではありましたが、私たちの思い出はコロナという逆風にも負けることなく、皆の笑顔で満たされています。高校2年時の修学旅行では、全行程を無事終えることができました。長崎沖縄で「平和」の尊さを学ぶとともに、自主研修などで友人と楽しい時間を過ごせたことは忘れられません。また、高校3年時の体育祭で「ペルシャの市場にて・プロムナード」で「彩」という人文字を描いたことは、特にかけがえのない思い出となっています。この「彩」という文字には、「何かの縁あって結ばれた私たちが、それぞれの道を歩み、成長し、一人ひとりが華やかな人生を送れますように」という意味と、「結ばれた絆を大切にし、何気ない日常に彩りを添えながら、これからも幸せだと感じられる日々を送れますように」という願いが込められています。これから私たちはそれぞれの道を歩むことになりますが、山脇学園で育んだ思い出や絆を糧とし、さらなる高みを目指して精進して参りたいと思います。

学園で共に過ごしながら私たちを見守り、困っているときは手を差し伸べて下さった先生方、毎日私たちを支えて下さった職員の方々に、卒業生一同心より感謝を申し上げます。

また保護者の皆様は、私達の一番近くで応援し、支えて下さり本当にありがとうございました。そして在校生の皆様に伝えたいことがあります。皆様は一人ではなく、先生方や保護者の方々、友人など多くの方々に見守られています。そのことへの感謝の気持ちを忘れず、高校生として残された時間を悔いのないものにして下さい。

あらためて、学園生活を支えてくださったすべての方々に感謝を申し上げます。
最後に、今後の皆様のご健勝と山脇学園のますますのご発展を心より祈念し、答辞とさせていただきます。

令和6年3月9日
山脇学園高等学校第七十六回卒業生総代

式の最後には、在校生からの「送別の歌」、卒業生からの「感謝の歌」の後、最後に全員で校歌を斉唱しました。
講堂に響き渡る澄んだ歌声のなか、涙をぬぐう卒業生・保護者・教員の姿も見られました。

その3では、卒業式後の様子をご紹介します。