山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

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12/11中央大学 オンライン出張講義「法律はインターネット上の問題を解決できるのか?」を実施しました

山脇の学び

12月11日(木)、中央大学 国際情報学部 教授の小向太郎先生 をお迎えし、オンラインによる出張講義を実施しました。当日は定期考査の採点期間で生徒が登校しない日であったため、Zoomを用いたオンライン形式での実施となりましたが、中学1年生から高校3年生の生徒・保護者の方・教員の希望者あわせて約60名が参加しました。

講義のテーマは 「法律はインターネット上の問題を解決できるのか?」です。インターネットやSNSが私たちの生活に欠かせないものとなる一方で、誹謗中傷、フェイクニュース、ディープフェイク、個人情報の流出など、デジタル社会特有の問題が次々と生じています。小向先生からは、こうした問題に対して「情報法」という分野がどのように向き合っているのか、法律の役割と限界、そして今なお議論が続いている課題について、具体例を交えながらわかりやすくお話しいただきました 。

講義では、ネス湖のネッシーの写真やディープフェイク画像を例に、「本物らしく見える情報が、必ずしも真実とは限らない」こと、デジタル情報は複製や拡散が容易で、一度広がると元に戻すことが極めて難しいという特徴についてお話してくださいました。また、「オフラインで違法なものはオンラインでも違法である」という原則を踏まえつつも、表現の自由との関係から、単純に規制すればよいわけではないという法律の難しさについても丁寧に解説してくださいました。

講義の最後は、法律だけで問題を解決するのではなく、悪い情報をブロックするための技術面での対策、利用者一人ひとりの意識やデジタル・プラットフォームの責任といった多角的な視点が重要であるということ、こうした「まだ答えが出ていないこと」について考えることが大学の学びであるというメッセージで締めくくられました。

参加した生徒や保護者の方からは、次のような感想が寄せられ、学年を問わず高い関心がうかがえました。 
「本物とディープフェイクの違いが全く分かりませんでしたが、これからは小さな違和感にも気づけるようにしたい」
「SNSは危険も多いが、やめることはできないからこそ、どう使うかが大切だと感じた」
「難しい問題を非常にわかりやすく噛み砕いて説明していただき、あっという間の1時間だった」
「法律だけでなく、社会のルールや企業の責任についても考えさせられた」

今回の講義は、インターネットやSNSを日常的に利用する中高生にとって、デジタル社会で起きる問題を「自分ごと」として捉え、問題解決のための「考える軸」を与えていただける貴重な機会となりました。また、法律と情報技術を融合させて社会課題に向き合う学びの魅力にも触れ、進路選択や将来の学びを考える上でも大きな刺激となったことと思います。