東京慈恵会医科大学 越智先生の出張講義とOG講演会を実施しました
山脇の学び
11月22日、本校のSSH運営指導委員も務めていただいている東京慈恵会医科大学教授の越智小枝先生による出張講義と、東京慈恵会医科大学医学部に在学している本校卒業生による講演会を開催しました。当日は、中学生・高校生・保護者の方を合わせて100名近くの方にご参加いただきました。
越智先生の講義では「医者になったらできること? 運・縁・恩・歓・(剣)」というテーマで、ご自身のこれまでの歩みやその中で出会ったさまざまな人や出来事について、医師という仕事について、将来に向けた「学び」のヒントについてなど、様々にお話してくださいました。
医師としてのお仕事には専門的な知識や技術が必要なのはもちろんですが、体力や言葉の力、医療だけに捉われない幅広い分野に対する興味・関心が必要であるということを教えていただきました。また、キャリアを歩む上では様々な人との縁が大事であること、学びを通して考えと行動に「自由」を得ることができることなど、生徒たちがこれからの進路を考える上で貴重なヒントとなるお話を伺うことができました。
卒業生による講演会では、医学部の学びの紹介や、中高の学びがどう役に立つか、高校生のうちにやっておくと良いことなどについてお話を伺くことができました。医学部の学びについてのお話では、課題レポートのテーマや、患者さんから学ぶことが多いことなどについてお話してくれました。また、中高での学びのお話では、医学は「理系だけど文系でもある」学問であり、国語力や倫理、社会の素養などが大学に入ってから役に立つということも教えてくれました。
講演会の最後は「自分の心が動くことを大切に」「何度迷ってもよい、時間をかけてよい」「自分の心で決めてきたことが今に生きている」というメッセージで締めくくられました。
お二人のお話を通して、生徒たちは医師という職業の魅力に触れるとともに、迷いながら考え、自分なりに選択していくことの大切さを感じ取ったようです。人との出会いや学びを力に変えながら進路を考えていくための沢山のヒントをいただく機会となりました。
<参加した生徒の感想>
・ご自身の身に突然降りかかる多様な出来事に対して、状況を正確に見極めながら柔軟かつ前向きに乗り越えてこられた姿勢に強い印象を受けた。さらに、その経験を単なる苦難として終わらせるのではなく、むしろ学びの契機として捉え、様々な方向に人脈を築きながら自らの専門性やスキルを絶えず広げていく生き方の巧みさに感銘を受けた。限られた領域に閉じこもるのではなく、新たな分野や異なる価値観に積極的につながりを求めていく姿勢は、一人の社会人としてのあり方を示しているように感じた。
・色々な体験をする機会を掴むためには自分から行動を起こさなければならないと分かりました。多少自分に合わない環境であっても我慢して過ごしてしまうということが多いので、自分に合う環境を積極的に探したり、合わない環境と離れる勇気を持つということをこれから意識したいなと思いました。また、WHOへインターンに行ったという話を聞いて、人脈の大切さや行動力の重要さに気がつきました。
・自分が本当に取り組みたいことは何かという問いに、長い期間迷い続けながらも、思考を尽くす中で本当に探求したい事を見出し、その道こそが自分の進むべき分野であると確信して踏み出していく姿に感動した。自分自身が何に興味を持っているのかわからない時期が長かったことと重なり、その揺らぎと模索の過程を経て、最終的に自分の意志を定め、確信を持って前進する力強さに、心を動かされた。私もそのように進んでいこうと思う。