Project4H③「人に寄り添う柔らかいエレクトロニクス」④「エンタメ✕科学」で未来を変える!」
山脇の学び
9月27日(土)、Project4Hの第3回・第4回講義を実施しました。この日は保護者面談日で、生徒は通常の授業のない探究日でしたが、サイエンスクラスの高校生のほか、多くの中学生、さらには保護者の方もご参加くださいました。
<1時間目>
1時間目は、東京大学の松久直司先生に「人に寄り添う柔らかいエレクトロニクス」というテーマで出張講義をしていただきました。
松久先生が取り組まれているのは、生体のように柔らかく伸縮する電子材料とデバイスの開発です。センサーなどの電子機器、LED、半導体などに伸縮性や透明性を持たせることで実現できる最先端の技術についてお話してくださいました。まるでSF映画や漫画の世界のような未来のテクノロジーがすでに実現可能なところまで来ていることを知り、参加者にとって、新鮮な驚きと学びに満ちた時間となりました。
また、東京大学での大学院生時代、米国スタンフォード大学でのポスドク研究員時代にどのように研究を発展させていったのか、研究が上手く進まず苦しかった時にどのように乗り越えていったのかといった貴重なお話も伺うことができました。
松久先生の講義を通じて、生徒たちは最先端の科学技術の可能性に触れるとともに、自らの進路や将来の学びを考える貴重な機会とすることができました。
★参加者の感想★
・私の知らないところでこんなにも技術が進歩しているのかととても驚かされました。柔らかくて伸び縮みする電子素材の活用法はたくさんあると思い、考えるのがとても楽しかったです! 大学や大学院のこともよくわかり、とても勉強になりました!お忙しい中ありがとうございました!
・松久先生が研究していることは今までなかった技術で、とても興味深く聴くことができた。また、キャリアなどをきいて、自分のキャリアを考えるきっかけにもなった。自分も研究をこれから頑張って行こうとやる気が出た。
・伸びる導体を学生時代にもうすでに作っていらっしゃたことにとても驚いたとともに、材料がないなら作ろう、という発想が自分にはないものだったため、とても大きな刺激を受けた。また、そのような性質のあるものが完成しても品質の改善など、自身の研究をどこまでも高めていく、探究心の高さについても驚き、畏敬の念を抱いた。
・研究の経緯や研究内容のほか、どうやって将来の進学や仕事を考えてきたか、とてもわかりやすくご説明いただき、とても勉強になりました。
資料にはヤング率の公式や簡単な回路図の提示もあり、新技術の研究について子どもたちの興味をグッとひきつける内容で、保護者の私も大変興味深く、実用性を考えながら楽しく受講できました。
<2時間目>
2時間目は、俳優・サイエンスコミュニケーターの佐伯恵太先生を講師にお迎えして、「『エンタメ✕科学』で未来を変える」というテーマでお話をしていただきました。
佐伯先生は、俳優のお仕事をされる一方で、サイエンスショーや、研究紹介動画、科学イベントの企画などさまざまな形で「科学と社会をつなぐ」取り組みを行っています。今回は、そうした取り組みをご紹介していただきながら、科学の面白さ・大切さを「伝える」ためにどのようなことが必要か、生徒たちと一緒に考える授業を行ってくださいました。
また、ご自身のキャリアの中における挑戦や挫折の経験についてもお話してくださり、エンタメも科学も全力で打ち込んだからこそ現在のお仕事・活動にたどりついたこと、自分の強みをつくることの大切さを伝えてくださいました。
最後は、生徒も参加して佐伯先生が振付をした「スイスイ水素のエネルギー!」の歌を会場みんなで踊って授業を終えました。楽しさを共有しながら多く人の心を動かす「エンタメ」の力、その実現のために全力で努力を惜しまない姿から、生徒たちは大きな刺激と学びを得たようです。
★参加者の感想★
・とても楽しかったです。先生が途中で、たくさんのことをやってきてどれも全力だった。手を抜く気はなかった。と仰っていて自分もたくさんの色々なことにチャレンジしたいと思っているのでとても背中を押されたような気がしました。
・貴重なお話をありがとうございました。私自身、サイエンスコミュニケーターという言葉自体を知らなかったのですが、今回の講演を聞いて少し理解できました。佐伯先生がアーティスティックスイミングと研究をどちらも全力で取り組まれてきたように、私も自分の道を信じて数種類のことにどれも同じ比率で取り組んでいきたいです。
・サイエンスコミュニケーターとしての興味を持ってもらうためのスキルは私たちが発表したときに興味をどう持ってもらうかを考えることに共通すると気付いた。だから、そのスキルをこれから考えながら発表していきたい。




※Project4Hとは、Human Health(⼈の健康)・Planetary Health(地球の健康)・H₂O(⽔)・Hope(希望)という、4つのH(叡智)を軸に、「志」の種をまき、⾃分の未来を⾒つめるきっかけを作っていく体験型教育プログラムです。今年度は全6回を予定しています。