高校1年 富士山研修のEXTRA研修『農場実習』を行いました
学園便り
富士山研修のEXTRA研修として7月19日~21日に行われる農場実習の記録をしました。
7月19日(土)【農場実習1日目】
終業式後、バスで農場へ向かいました。3連休ということもあって渋滞していて予定より遅くなりましたが、無事に農場に到着しました。

出発前

車窓から見えた富士山
農場では、1時間ほど見学をさせていただきました。ニワトリ、ホロホロチョウ、ブタ、ウシの飼育舎を見て回りました。

牛舎の牛
〈学んだこと〉
- 卵は洗わない方が長もちする(汚れが殻の呼吸の穴からの雑菌の侵入を防ぐため)。無洗卵のほうが高値で売られている場合も。
- ホロホロチョウの卵はニワトリの卵より小さく、産む数も少ない(本来はホロホロチョウの肉部分を食すが、この農場では採卵のために飼育をしている)
- ホロホロチョウは足が速い上、飛ぶことができるので放してしまうと大変。
- ホロホロチョウは、専門家でも雌雄の見分けが難しい。肉垂(顎あたりについているトサカのようなもの)がメスに比べて赤いのがオス。
- 母豚は暑がりなので夏場は扇風機が必要だが、子豚は夏場でも暖房が必要。
- ウシは、メスが平仮名、オスは漢字で名付けなければならないというルールがある(例えば「はなこ」ならメス、「花子」ならオス)

見学の様子。写真左の柵より左は牛の放牧地です。
また、柵付近の積み上げられたタイヤは、乳酸菌によって刈った牧草を発酵させ、餌にするためのものだそうです。
☆夕食は、和風あんかけハンバーグ、牛蒡サラダ、豚汁でした!富士農場産の牛乳は、あっさりとしていてとても美味しかったです。風呂上がりに飲みたい🤤

本日は見学のみでしたが、明日からは実際に搾乳などの作業を行っていく予定です。午後にはバター作りも行います!
7月20日(日)【農場実習2日目】
☆本日の朝食は、ご飯、おかず弁当(ササミフライなど)ホロホロチョウの卵(富士農場産)、ふりかけ、味噌汁(インスタント)でした!ホロホロチョウの卵は、鶏のものより殻が硬くて小さいので割るのが大変でしたが、とても美味しかったです。

午前中は乳牛舎で説明を受けてA班が搾乳をしたあと、各班がそれぞれ牛舎、豚舎、鶏舎で作業を行いました。
※筆者はB班であるため、ここではB班の流れに沿って紹介させていただきます。ちなみに各班の動きは、2日目午前→2日目午後→3日目の順に、A班:牛→鶏→豚、B班:豚→牛→鶏、C班:鶏→豚→牛です。時間帯によって同じ飼育舎でも作業内容が異なる場合があります。
B班は豚舎で餌やり、清掃を行いました。豚たちはすごくお腹が空いていたようで、豚舎に入ると鳴き声がものすごかったです。餌をケースに入れるとがつがつ食べ始め、追加で与えるときに豚の頭にかかってしまうくらいでした。

糞尿の処理をしている様子

餌を一生懸命に食べる豚たちの後ろ姿がかわいすぎて思わず撮ってしまいました
その後、サイレージ出しをして、放牧するところを見学しました。犬の散歩のように喜んで出ていくのかと思いきや、立ち止まったり物理的に道草を食っていたりなど、そうでもなかったので驚きました。

牧草地に向かう牛たち
放牧のあとは、牧草地の散策をしました。付近のキャンプ場から富士山が見えるのはこの牧草地のおかげだということ、農業はただ食べ物をつくるのではなく景観をつくる役割も担っていることを知って驚きました。

富士山と牛たち
☆昼食は、冷やし中華でした!屋外の作業で火照った身体も涼しくなりました。

午後は、まずバター作りをしました。牛乳をペットボトルに入れて、とにかくシェイク!普段使わない筋肉を使ったので、いい運動になりました。できたバターは、各々が持参したクラッカーなどにつけて美味しくいただきました!普段食べるバターよりもあっさりと軽い味わいで、何かにつけて食べるのがもったいないくらいでした。残ったバターミルクも美味しかったです。

バター作りの様子。そこそこ時間がかかりました

できたバター
元の牛乳に比べると黄色いのが分かりますよね。牛乳は光の乱反射で私たちに白く見えますが、バターは乱反射していた膜が破れて本来の脂肪の色である黄色になるそうです。
次に、集卵、洗卵を行いました。産卵率は、ニワトリは95%、ホロホロチョウは47%でした(一般に70%を超えないと元が取れないと言われているらしいです)。

洗卵の様子
牛たちが放牧から帰ってくるところを待ち構えていると、なかなか帰ってきません。理由は、めいちゃんが柵にはまって抜け出せなくなってしまったからでした(かなりレアケースらしいです)。牛には序列があり、その順番通りに歩くそうです。2番目に偉いめいちゃんが柵にはまってしまったために、ほかの牛たちは帰れなかったのでした。抜かすと角突きのケンカになってしまうそうで、そのケンカで勝つことができれば順位が上がるらしいです。
めいちゃんが無事に帰ってくると、ほかの牛たちも帰ってきました。放牧するときよりもよそ見をせずに帰ってきたので、牛舎の安心感や居心地の良さが分かりました。

帰ってくる牛たち
その後、牛舎で飼育を行いました。牛たちに餌であるサイレージ(搾乳前の牛には穀物の飼料とビタミン剤)を与え、清掃や備品管理をし、次の搾乳に備えて用具の準備をしました。

仔牛(ティアナちゃん)にミルクをあげる様子
お腹がすいていたようで、清掃などをしている間ずっとモーモー鳴いていました。与えると、2Lものミルクをあっという間に飲み干してしまいました。撫でようとすると、指をしゃぶられてしまいました(かわいい)。
他班が戻ってくると、搾乳を行いました。空気が入らないように搾乳器をセットするのが難しかったです。ちなみに、乳牛舎の1番の優等生(お乳の出る量が多い)はティナちゃんだそうです。
☆夕食はバーベキューでした!お腹いっぱい食べました。

明日はいよいよ最終日です。最後まで頑張りましょう!
7月21日(月)【農場実習3日目】
☆本日の朝食は、ご飯、おかず弁当(生姜焼きなど)、納豆、ふりかけ、味噌汁(インスタント)でした!

まずC班が搾乳を行い、その後、班ごとにそれぞれの担当場所で作業を行いました。
B班は鶏舎、禽舎(=ホロホロチョウの飼育舎)で餌やりや清掃を行いました。

餌を入れたらものすごい勢いで食べに来た鶏たち

ホロホロチョウに餌をやる様子
餌やり・清掃が終わると、検卵をしました。孵化器で温められている卵の鈍角にライトを当ててみると、発生しているか否かが分かります。孵化器は鶏卵の場合は37.8℃に設定されていて、それ以上だと発生が早くなりすぎて未発達の状態で生まれてしまうそうです。また、ホロホロチョウの卵の場合は殻が厚いので設定温度がもう少し高いそうです。

検卵している様子
正常に発生した卵は、このように明暗がはっきりと分かれているのを確認することができます(暗い部分が雛に当たる部分で、ときどき動いています)。しばらく温めても全体がぼんやりと明るくなる卵は、発生ができなかった卵なので廃棄するそうです。
時間が余ったので肉牛舎でブラッシングをしました。1頭にブラッシングをしていると、隣にいた子が「私にもやって」と言わんばかりに振り返ってこちらを見てきて、とてもかわいかったです。
その後、昨日と同様にサイレージ出し、牛の放牧をしました。

休憩時間中に見つけたカイ(カタツムリではないそうです)
最後の実習として豚の体尺測定を行いました。各班で1匹豚を選び、体長などの8項目の測定をします。豚は、押さえて動きを止めることが難しく、ブラッシングでなだめながら(長靴やズボンをしゃぶられながら)、止まったタイミングを逃さずに測るのが大変でした。

計測の様子。水を飲んだり、排泄をしているときが計測のチャンス!
☆昼食は、ご飯、ビーフシチュー、野菜サラダ、コーヒーゼリーでした。みなさん、実習お疲れ様でした!

昼食後は3日間の振り返りをしました。以下はみなさんの感想です。
- 初めは、私たちの食物をつくるためだけなので機械的に育てていると思っていたが、名前をつけるなど愛情を込めて育てていると分かった。(ストレスが少ないと肉も美味しくなるらしい)
- 私たちが食べることができるのは、動物たちの命、そしてそれを作る生産者さんの努力や協力があるからこそ。「いただきます」に感謝をこめて食べたい。
- 畜産には「汚い」などのマイナスイメージがあったが、それを当たり前に働いている農家さんたちを見て、そんなこと言っている場合ではないと感じた。
- 最初は蚊や臭い、排泄などに驚いていたが、この短期間で慣れることができた。みんなの適応能力が高いと感じた。
- 今まで「いただきます」を動物に向けて言っていたが、農家さんにも感謝して言いたい。
- 農家さんは食のために動物を育てるだけだと思っていたが、統計を撮ったり景観をつくるなど色々な役に立っていることが分かった。
- 動物たちの命が私たちの体の一部になるので、自分のことも大切にしたい。
- 私たちが生きるためには食べることが必要。食べるためには命が必要。そしてその命を育てる人が必要。全ての存在に感謝したい。
今回の実習で学んだことを心に留めて、日々の食生活を大事にしてほしいと思います。
15時頃、準備を終えると農場を出発しました。この3日間でお世話になった、野口先生、黒澤先生、実習生のみなさん、農場の動物たちなど、私たちの農場実習に関わってくださった全ての方々に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました!

東京農業大学のモニュメント
20時半頃、渋滞で遅くはなりましたが無事に赤坂見附駅付近に到着しました。明日からの富士山研修も頑張りましょう!お疲れ様でした!