津田塾大学 髙橋裕子学長の講演会を実施しました
山脇の学び
12月19日(木)、高校2年生を対象に、津田塾大学 髙橋裕子 学長によるキャリア講演会を実施しました。
山脇学園では、各学期の期末考査後から終業式までの期間を「探究日」として位置づけ、多様な学びの機会を提供しています。今回は、1年後に大学受験を控えた高校2年生に、大学進学のその先を見据えて将来のキャリアについて考えるきっかけを提供するため、女性史研究の第一人者であり、国際女性史連盟(IFRWH)会長も務められている津田塾大学 髙橋裕子 学長をお招きし、「高い教育を求めるということ」をテーマにご講演いただきました。
講演の前半では、津田塾大学の創始者である津田梅子の半生についてお話しいただきました。6歳で渡米し、17歳で帰国した梅子が直面した逆カルチャーショック、同時期に留学した男性たちが活躍する一方で限られた女性の進路に感じた葛藤、再びの渡米を決意してアメリカの大学で研究生活を送ったこと、ロールモデルとなる人々との出会い、そして女子教育に生涯を捧げる覚悟を決めた経緯など、梅子の人生を通じて、梅子の人生を通じて、女性が高等教育を受ける意義や、その道を切り開いた先人たちの思いについて学ぶことができました。
後半では、現代日本における女性の教育状況に焦点を当てて、具体的なデータをもとにお話しいただきました。大学卒業者の割合は国際的に見ても高い一方で、大学院進学率やその先のキャリアステージに進む女性の割合が著しく低い現状について解説してくださいました。その上で、「大学進学だけでなく、その先も学び続けることが大切」「日本の若者よ、女性よ、目覚めよ」という力強いメッセージを生徒に届けてくださいました。
質疑応答では、生徒たちから講演内容に関する質問やキャリアに関する具体的な関心が多く寄せられ、学長からも一つ一つ丁寧にご回答いただきました。そのやり取りを通じて、生徒たちは新たな視点や考え方を学ぶ貴重な時間を過ごしました。
生徒たちにとって、今回の講演会は将来のキャリアを考える上で大きなヒントとなり、学ぶ意欲を高める良い機会となったようです。
<生徒の感想より>
*前半で紹介されていた津田梅子の生涯についての話がとても興味深かった。5000円札などで知ってはいたが、改めて話を聞いてからみると違った見方ができると思った。
*世界と比較した際に日本の大学院の卒業者と他の外国の卒業者の数が大きく異なっていること、修士号や博士号を取得した数も日本は大きく下回っているということが印象に残りました。自分個人の為になった話としては、長い視点で自分のキャリアパスを考えることの大切さについての話が挙げられ将来の人生を考える上でとても為になりました。
*本当の共学の意味についての話が印象に残りました。今、私自身、男女で学問の自由に差があるとは感じていなかったが無意識な偏見によって実際ある男女の差に気づけていなかったことに気づけました。男女ともに無意識的な偏見を捨て、自分の可能性を広げていくべきだと思いました。

