学びのねらい
現代社会はこれまでに遭遇したことがない多様な課題に直面しており、現代人一人ひとりに、前例のない試練を乗り越える力が求められています。それには、「社会知」が必要です。「社会知」とは自分を取り巻く世界を見極める力であり、「社会知」を育てることが、社会科教育の使命であると考えます。現在のようなグローバル社会における「社会知」には、教科書の内容をふまえた上で、世界各国の人々から生きた情報を入手・分析し、自分の考えを発信する力を身につけることが期待されます。
特色(授業の進め方やカリキュラムについて)
本校の社会科教育では、教科書の内容を理解することに重点をおきつつも、生徒の意見を求める「系統学習」を行い、情報の入手・分析・解決策の創造・発信というプロセスをふむプロジェクト型学習を行っています。
中学での授業
本校では、中1で地理、中2で歴史、中3で公民を学んでいます。地理では異なる価値観が生まれる基礎を学び、歴史では異なる価値観を持つ人たちの対話を学びます。地理と歴史とを基礎にして、現在と未来のことについて考えるのが公民科教育で、現代人が抱える多様な課題に対して私たちがどう向き合うべきかを考えます。
高校での授業
高校では、中学で養成した基礎力の上に、大学入試で求められる学力の養成に照準を合わせたカリキュラムとしています。高1の公共・高3の政治経済・倫理では、現実社会への関心や理解を深める機会、自分の考えを発表する機会を多く作り、創造的な思考力やプレゼンテーション能力の養成にも力を入れています。また、大学での学びも視野に入れ、専門的な研究に対応できるだけの思考力の養成もめざしています。
高1の歴史総合では日本史と世界史を切り分けず、世界と日本を相互的な視野から捉えながら18世紀以降の歴史を学んでいきます。本校の歴史総合の授業は歴史的事実をなぞったり、教員の一方的な教授に終始したりません。生徒が歴史的な事柄を様々な角度から考察・調査・議論・グループ活動を行い、歴史を大きく捉える力、探究する姿勢、まとめ・説明する力を養っていきます。
高2では、多くの生徒が受験科目とする日本史と世界史について、まずは教科書レベルから学習を始めます。大学入試に必要な知識の習得を図るだけでなく、歴史的なものの見方を身につけ、日本または世界の伝統や文化についての理解を深めます。
高3では、世界史・日本史いずれを受験科目とする生徒にも、週6~8時間の授業を用意し、入試問題演習などを行い、私大・国公立大2次科目対策として充分な実力養成が図れるようにしています。
文部科学省は2021年度より「『思考力・表現力・判断力』を中心に評価する」入学試験の実施を各大学に課しています。本校が中高6年間をかけて実践してきた思考力を育てる社会科教育が大いに役立つものと考えています。