多様な文化を受け入れ、美しいものを美しいと感じられる感性と、人の心に伝わる豊かな表現力を身につけます。
美術
美術の授業では、様々な作品制作を通して、豊かな発想力・構成力・表現力を身につけます。また制作に必要な基本的知識と技術を習得することも大切にしています。
中1では『絵文字』『自画像』『はりこ』など、絵画・デザイン・彫塑の各分野からベーシックな課題に取り組み、基本的な物の見方や技法を学びます。中2では、普段はなにげなく手に取り使っている身近な物の美しさを感じ取る機会とするため、『観察と描写』『平面デザイン』『立体デザイン』の3つの課題にバランスよく取り組みます。中3は、心の中を描くことをテーマに『貼り絵』を制作し、自分自身を客観的に見つめ直すきっかけとして大きく成長します。また『一版多色木版画』という、伝統的かつ基本的技法を用いて『蔵書票』の制作も行います。
高校では、『陶板レリーフ』『シルクスクリーン版画』『自由課題』などの制作を通し、専門的な技法を学び、より深い表現力を身につけます。
制作を通して得られる純粋に物を作る喜びや作り上げた時の達成感、鑑賞の授業で出会った名画の感動は長く記憶に残ります。そのことが学校という場を離れた後も、生涯を通じて美術を愛好する心を育てるきっかけになることを、美術科はめざしています。
書道
中学校の書写は、国語科に属しています。文字を正しく整えて、読みやすく速く書くことを目標とし、それを日常生活に活かすことを学びます。 高等の芸術科の書道では、中国や日本の古典を通して様々な表現方法を学び、技術と感性を磨きます。その上で、書における自己表現ができるようになることを目標としています。
パソコンやスマートフォンが普及し、キーボードやタッチパネルで文字を入力することが増えていますが、文字を書く場面はたくさんあります。 書写・書道教育を通し、女性の教養の1つとして、文字を正しく美しく書くことを身につけていきます。
音楽
中学では、生涯音楽を楽しむための基礎となる豊かな感性と表現力を身につけるための、器楽・歌唱・鑑賞・楽典をバランスよく学び、3年間を通して、多様な演奏形態やジャンルを扱い、日本の芸能や西洋の音楽を愛好するための動機づけとしています。また器楽・歌唱活動のなかに、読譜のために必要な知識を自然に習得できるよう配慮しています。2月に行われる合唱祭は、1年間の歌唱活動の集大成ともいえる行事です。各クラスで選曲した曲を歌いこむ過程で、発声や表現力は大きく伸長します。クラスでの話し合いや自主練習を経て、合唱祭当日はどのクラスも美しいハーモニーを披露し、大きな感動と達成感を得ています。
高校では、中学での内容を基盤として、より高度な内容で活動を行います。英語以外にもドイツ語やイタリア語の歌曲に挑戦したり、毎時間各国の多様なジャンルの鑑賞を行い、様々な国の音楽文化への見識を深めたりしています。グループアンサンブルは、選曲からアレンジ・練習・発表というプロセスを自分たちで行うプログラムです。どのように聴き手に届けるかを考えながら、協働してつくりあげたアンサンブルは創意工夫にあふれています。
琴
本校では、通常の音楽の授業とは別に、中1で「琴」(山田流箏曲)の授業を行っています。日本の伝統楽器である「琴」とその穏やかな調べとの出会いに感動し、生徒は熱心に習得に励んでいます。日本の音楽を学びながら「礼に始まり礼に終わる」という美しい日本人の精神により、社会生活において基本となる挨拶や、場に応じた和室での立ち居振る舞い、マナーなど、作法や女性としての美しい所作が身につくように指導しています。日本文化への興味関心を深め、同時に国際社会においても力を発揮できる女性の育成をめざしています。
道徳(礼法・華道)
中学の道徳では、「自主、自律、自由と責任」や「相互理解、寛容」、「よりよい学校生活、集団生活の充実」などのテーマを掲げ、自己や物事を広い視野から多面的・多角的に考え、自分自身の将来や生き方についての考えを深めていく学習に取り組んでいます。中学1年生では学校長、中学2・3年生では教頭による道徳の授業も実施しています。
また、道徳の授業の中で、中学2年生では「礼法」、中学3年生では「華道」の授業も行っています。「礼法」は小笠原流礼法、「華道」は池坊の師範から直々に指導を受けます。礼法では相手を大切に思う心を作法というかたちで表し、華道では日本の四季折々の花を生けて鑑賞し、豊かな感性を育てています。これらの授業を通して、日本文化の伝統である「型」の美しさを知り、それを自然に表現できる力を身につけます。