科学を通して社会に貢献する志を育てるサイエンスアイランド(SI)

サイエンスアイランドでは、「科学を通して社会に貢献する女性の育成」を目標に、科学への志と技術を身につけるためのプロジェクト型学習(PBL)が行われています。サイエンスアイランドの誕生以来、研究者や医師など理系の高度専門職への夢を抱いた生徒の入学が年々増加し、多くの生徒達が熱心に学んでいます。

「サイエンティストの時間」

中1と中2では全員の生徒に対して、中3では希望制で「サイエンティストの時間」というプログラムを行っています。中1では、科学への興味を深めながら、基本的な実験操作技術の習得と、理科的な表現や数字の扱い方を学びます。中2では、基礎をふまえて実験の考察を深め、表現力を養成し、実験計画を立てる探求型の学習を行います。中3では実験計画の立案から結論まで実験を一巡して、自ら問題点を発見し解決する能力に磨きをかけます。3年間を通して、班員と話し合ってひとつのものを作る過程で、コミュニケーションの重要性を学びプレゼンテ-ション力を育てるために各学年で発表を伴う課題を設置しています。これらを通して「科学する心」を育てるとともに「観察して仮説を立て、実験を行い考察する」科学のプロセスを自身で組み立て、実践し、主体的に考える力を育てます。ここでの能動的な活動を通して、現代社会でよりよく生きるために必要な科学的リテラシーを育みます。

SIが主催するイベント

SIでは、大学と提携して様々な公開イベントを実施しています。専門家ならではの視点で行われる多彩な体験を通して、自分の将来への適性を多角的に探ります。

東京理科大学 「光センサで身の回りのものを楽器に変えよう!」
東海大学 「アプリ作成にチャレンジ!」
東邦大学 「遺伝子でわかるあなたの得意な陸上種目」
早稲田大学 「TWIns 研究室体験」
電気通信大学 「盗聴者を発見せよ!~量子暗号体験~」

中3科学研究チャレンジプログラム

中3では、希望制で「科学研究チャレンジプログラム」に挑戦します。昼休みや放課後に、SIの「生命科学系継続研究室」と「科学技術系継続研究室」で本格的な研究活動を続けます。このような体験を通して、自身の理系への適性を探ります。あわせて、大学や企業などの研究者や医師などを志す「気概」を培います。このプログラムに参加する生徒は「西表野生生物調査隊」を結成し、この島ならではの多様性に富む野生生物の調査研究活動を行います。また、「サイエンティストの時間」で養ってきた「自分の取り組みを他者に伝えること」は、山脇祭での中間報告会、年度末の研究報告会で、参加生徒全員が実践します。他者に理解してもらう難しさ、楽しさ、コミュニケーションのなかで新たな発想や課題が生まれるおもしろさなど、実に様々なものを生徒が実感する貴重な機会となります。1年間の活動をやり遂げると、「YAMAWAKI JUNIOR SCIENTIST」として認定され、プログラムを修了します。

ロボット研究グループ

水中および土中探索ロボットの開発
首都大学東京や東京理科大学の先生から助言を受けて、水中ロボットチームは西表野生生物調査隊で使う生物調査用ロボットを開発しています。土中探索ロボットチームは、生命系の研究チームが用いる微小動物の生息環境調査のために各種センサやカメラを組み込んだロボットを開発しています。
2017年度には、継続して研究を続けている高1生が、「IEEE TOWERS」という学会でポスター発表を行い、賞に輝きました。その後、韓国ソウルでも「STUDENT PAPER CONTEST」に参加し、英語でプレゼンテーションを行いBRONZE AWARDを受賞しました。

PC(パーソナルコンピューター)研究グループ

学生向けプログラミングソフト「Scratch」やフローチャートを通して、プログラミングの作成に必要なアルゴリズムの原理を学び、論理的思考能力を養います。その後、自分で研究課題を選び、いろいろなソフトウェアを用いて技術や応用力、試行錯誤する力を身につけます。

生物研究グループ

身近な生物を試料として用いて、生徒が自身でテーマを設定して研究に取り組んでいます。研究例としては「プラナリア再生速度の明暗による違い」「ミミズがもたらす土壌の変化」「メダカの色覚特性」「植物の成長を邪魔する雑草セイタカアワダチソウ」など様々です。
以下のテーマは、大学の先生にご指導をいただきながら、継続的に研究を行っています。

「マングローブ胎生種子の発芽・発根における種の特性の研究」
(琉球大学熱帯生物圏研究センター)
西表島における各マングローブ樹種の分布の違いに興味を抱き、その発芽・発根特性の解明をめざして栽培実験を行っています。12月には「日本マングローブ学会大会」にて中3生と研究2年目を迎える高1生が口頭発表を行いました。

「都市部の土壌環境調査と環境の有効活用に関する研究」
(首都大学東京・茨城大学)
都市部の土壌環境を知ることを目的に、土壌生物を土中カメラで観察し、採取した土壌中の生物を培養して茨城大学の施設で遺伝子解析をしました。また、2017年度国立科学博物館刊行の『自然教育園報告第48号』「CCDカメラを用いた自然教育園の林地における土壌動物観察」にて活動が紹介されました。

西表(イリオモテ)野生生物調査隊の調査研究

 

「観察」を徹底的に行い、まずは研究の基礎を習得します。一方で、都会と西表島という大きく異なる二つの自然環境から「科学と社会とのつながり」を思考することで、物事を多面的に捉え考える力を養います。2015年度より琉球大学熱帯生物圏研究センターの先生の指導を仰いで調査研究を行うチームと、東海大学沖縄地域研究センターの先生に特別講義をしていただいて調査研究を行うチームを作り、異なる地域の研究成果を共有することでより質を高めた活動となりました。

サイエンスアイランドの特任研究員による探究活動

SIクラブは、化学班・物理班・生物班・数学班・天文班に分かれ、それぞれが設定したテーマに沿って探究活動を行っています。SIクラブ員が特任研究員として、研究活動と山脇生へ科学に関する啓蒙活動を行います。ここでは、中1から高2までの5年間を通して自分のテーマに沿って研究を継続することができます。テーマによって大学の先生方のご指導を仰ぎ、学会などへの発表の場も設けています。SI主催の講演会や企業訪問など、様々な経験の場にもなっています。
特にロボット開発は毎年、『World Robot Olympiad』(WRO)という自律型ロボットの競技会での入賞をめざして活動しています。2017年度は、「サスティナビリティ(持続可能性)のためのロボットを作製せよ」というテーマでロボットを作製、プレゼンテーションを行いました。