「自己知」「社会知」を高め社会で活躍する志を育てる

ラーニングフォレスト

探究活動の拠点として「総合知」を育む

これまで自学館として利用していた施設を、2022年冬、ラーニングフォレストとして新たに開館しました。探究活動の拠点として、「情報を得る」「交流する」「考えをまとめる」「表現する」という4つの機能を備え、生徒の主体的な学びを支援します。6万冊の蔵書を収納する書架のほか、グループワークやプレゼンテーション、中央展示、ラウンジなど6つのエリアから構成されています。

「Learning Forest」の名称は、生徒からの公募により「木々が集まる森のように様々な学びが集まる場所」という意味を込めて決定しました。

休み時間や放課後だけでなく、中高の授業でも利用しています。

 

これまでのLIの取り組み

プレゼンテーションやグループディスカッション等の活動エリアとして活用してきたLI(リベラルアーツアイランド)は、新設されたラーニングフォレストにその機能を引き継ぎます。

以下では、これまでのLIでの活動について紹介しています。

LIで行う教育

私たちをとりまく社会は多様な人間によって構成されています。違った環境・文化の中で生活し、異なる価値観を持つ人々と関わり合う中で相手を理解し自分を理解してもらうためのコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力は、自分自身の能力を発揮して社会に貢献するためにとても大切な力です。

LIは、課題を発見し考察する力・情報を収集し分析する力・発想力・協働力・表現力など、社会で活躍するために求められる力を育む場所です。個人の問題意識を明確にして、それを互いに共有し、そして個人に戻って振り返りによって得られる新たな気づきからより深い「自己知」「社会知」につなげていく、プロジェクト型学習の拠点となっています。国語科の「知の技法の時間」、中3での「探究基礎」の授業をはじめ、その他の教科や総合学習・部活動におけるグループディスカッションやプレゼンテーションによって意見を交換・発信する取り組みに活用しています。

高校での「総合的な探究の時間」とも連携しながら、修学旅行などの校外学習もプロジェクト型学習の機会ととらえ、LIをその企画や準備の場、そして、成果の発表・展示の場として利用しています。高2修学旅行は「平和実現のためにできること」をテーマとして、長崎では市内自主研修や被爆体験講話を通じての平和学習、さらに沖縄にフィールドを移して基地問題についての議論などを行っています。

LIが行う授業

2016年度よりLI部(リベラルアー ツアイランド部)を立ち上げ、報道・政治経済・地理・歴史・文学など、人文・社会科学系の様々なテーマについてアカデミックな活動を展開しています。これまで部員全員と希望者による模擬裁判、全国高校教育模擬国連大会や日本地理学会への参加(高校生)、教育フォーラムへの参加(中学生)などをしてきました。また、各種コンテストヘの応募や小論文指導などを通じて、問題発見・情報収集・論理的思考カ・意思の言語化など社会に出てから必要な力を育成するとともに、新しい大学入試や海外大学入試にも活かせる取り組みを進めています。

「探究基礎」で富士山をテーマとした例(2020年度 中3)

富士山の山頂で野菜を育てることはできるのか 富士山がもたらした西洋芸術への影響とは
富士山と女性のつながり 富士山にとって最もよいトイレとは

国語科「知の技法の時間」課題文の例(2021年度 中1)

テーマ 内容 作品
言葉 「言葉」の働きについて 金田一秀穂『15歳の日本語上達法』
伝わる表現について 飯間浩明『伝わる文章の書き方教室』
視点について 森達也『たったひとつの「真実」なんてない』
※場所を紹介しよう
人間関係 友だちとの関係 柄本博明『「やさしさ」過剰社会』
敬語とは何か 橋本治『ちゃんと話すための敬語の本』
ルールとは何か 菅野仁『友だち幻想』
※人付き合いのルールを考えよう
文化 外国人から見た日本 鴻上尚史『クール・ジャパン!?』
和の思想・自然と調和する文化 長谷川櫂『和の思想 』
空気を読む・他人の目を気にする文化 森真ー『ほんとはこわい「やさしさ社会」』
※日本文化を外国に紹介しよう

※各テーマの最後には、答えが一つではない問題に対する意見をグループで討論・発表をし、さらにそれを踏まえて改めて自分の考えを深めます。