山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

山脇の“いま”を伝える学園ブログ

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9月1日(月)2学期の始業式を行いました。

学園便り

 8月からの猛暑が続いた日になりましたが、生徒たちも久しぶりに元気な姿を見せてくれました。

 高校始業式での学校長式辞を紹介します。間近に迫った行事について、また高校3年生には、応援の言葉が贈られました。

おはようございます。

長い休みの後の始業はいつも、高揚感と緊張感が入り混じった気持ちで迎えます。でも久しぶりのみなさんの明るい挨拶と笑顔に心も体も和み、頑張ろうというスイッチが入りました。

この夏は記録づくめの猛暑、出歩くのも躊躇してしまうほど、体に堪える暑さでしたね。部活動やフィールドワークも、体調管理が大変だったことでしょう。
本来1000年単位でわずかに変化していくようなレベルの気候変動が、ここ数年、毎年記録を塗り替えるほどのすごい速さで起こっています。自然環境や食糧問題に関する不安なニュースも毎日のように目にします。そしてこれは今年だけの特殊な状況ではないことを、私たちは予感しています。異常が当たり前になる、この恐ろしさに深く向き合うとともに、暮らしが変わる、ということを受け入れ、新しい当たり前を人間の叡智で生み出していかなければなりません。そこにはアントレプレナーシップ(新たな価値の開発に意欲を持ち、リスクを恐れずにゼロから生み出していこうとする姿勢や発想)が必要です。誰かのアイディアや創意工夫によって、暮らし方を柔軟につくり変えていく、ということです。

山脇にも、環境問題に目を向け、自分たちにできることを考え、行動している生徒たちがいます。LI部ブルーアース班のペットボトルを減らす運動に、全校で協力したことは記憶に新しいですね。この運動と成果は大阪万博で発表され、高い評価を受けました。また屋外実験場に造設中のビオトープは、赤坂という都心でどのような自然環境の条件をつくれば絶滅危惧種のサンショウウオが育成できるのか、という問いを探り、解析する試みで、生命科学の視点から環境問題を考えようとしています。化学物質を使わず自然の素材を使用した商品で、地球にやさしく体に良い商品を開発する研究に取り組んでいる生徒もいます。それらの取り組みは、一人ひとりのアイディアや行動がきっかけになって社会を変えていけることを伝えてくれます。山脇学園が社会に向けて問いを投げかけ、行動する発信地となってほしい、その風はもう吹き始めている、と皆さんを見ていて思います。

さて、夏休み前に「休みが終わった時に、なっていたい自分を思い描いてほしい」とお伝えしました。夏の終わり、そんな自分に近づけた、と感じられているでしょうか。様々なところで活躍した山脇生の報告を受けています。が、できるならみなさん一人ひとりのサマーストーリーを聴きたいです。どんなところに行ったか、どんな人に出会いどんな体験をしたか、ということだけでなく、「あなたが何を感じ」「何に気づき」「どう変わったのか」というところに興味があります。思い出をもう一段掘り下げて、自分にとってどんな成長をもたらす経験だったのかを、是非ことばにしてみてください。多くのことは、やっているその時はその価値は分からない。しかし少し時間が経つと、「あの時の自分」が俯瞰して見えて、感情や行動を振り返ることができます。出来事や経験から自分の変容に気づく、それこそが「学ぶ」ということであり、「こういう意味があったんじゃないか」と紡いだ自分のことばは、必ずあなたの人生で意味を持つ履歴になっていきます。

さて、2週間後には山脇祭、その1か月後には体育祭が迫っています。
改めて、「行事とは」を考え、これまでもお伝えしてきたことばを贈ります。「行事は参加するものじゃない、つくるもの」「毎年が唯一無二」「形ではない、かけがえのない時間が残る」その時間はもう動いていることを意識したいと思います。

言うまでもなく行事は山脇生が主体です。全員が真剣に取り組むことが大事です。全力を発揮しなければ、学びも感動もないのです。すべてを抱え込む必要はありません。大変なことは仲間と分け合ってください。そして、自分ではできないことをやってくれている人に気づき、アシストしてください。自分だけが輝くのではなく、仲間やみんなを輝かせることが、貢献するということです。

このあと各実行委員長から話があります。どんな行事にしたいのか、山脇生全員で改めて理想と目線を揃えてください。それを達成するための目標は6学年それぞれ、当然異なります。先ほど中学生には、高校生の姿を見て、学ぶことを伝えました。それが、あなたたちがリーダーになった時の道しるべになるのだと。後輩たちに何を置いていくのか考え、是非あなたたちの思いをことばにして伝えてあげてください。

高3生のみなさん、目いっぱいのエールで送り出した夏を経て、あなた方の旅はいよいよ終盤となりました。この先は一人ひとりのゴールに向かって、一人ひとり異なる道を歩んでいくことになります。一人で歩く道は孤独です。自分がどこまで来られているのか、この先にどんな難所が待っているのか不安になることや、周りの人はどんな道をどこまで歩いているのか気になることもあるかもしれません。最後まで歩き続けられるか弱気になってショートカットの道を探したくなるかもしれませんし、信じて選んだ道が思いがけず茨の道だった、ということもあるかもしれません。

見えないゴールに向かうとき、そのような心理になるのは、誰でも当たり前です。それでも何かを成し遂げた人は、その気持ちに打ち克った人。「人は人、我は我」を改めて心に刻んでください。そして一時の感情に左右されず、あなたの抱く志を見据え悔いのない道を選択してください。どの道を選んでも、最後まで全力で歩み続ける覚悟を持ちましょう。そんなみなさんに、先生たちは全力で伴走していきます。体育祭ではここまでの一人ひとりの歩みを結集し、みなさんにしか創れない煌めく時間をつくりあげてください。

 

最後に、9月から本校にいらっしゃる留学生のご紹介をします。フランス、ベルギー、イタリアからお一人ずつ3名が、1年間、いずれも高校1年生に在籍します。縁あって日本で、そして山脇学園で、人生の大切な一ページを過ごすみなさんを、全校で歓迎し、応援しましょう。緊張は、みなさんの挨拶や笑顔でほぐしてあげましょう。そして私たちも、多くのことを学ばせていただきましょう。

まだまだ残暑が続きそうですが、体調に気を付けて、少しずつギアを上げていきましょう。みなさんにとって飛躍の2学期でありますよう願い、始業の言葉といたします。

 

 

 

 2学期は山脇三大行事のうち、山脇祭と体育祭が実施されます。始業式後には、文化祭委員長・体育祭委員長より生徒に向けて、実施に向けての思いを話す時間がありました。両委員長ともに、行事に「全力」で臨むことの大切さを伝えてくれました。生徒たちは、お二人の思いを受けて、まずは13・14日に開催される文化祭に向けて、みんなで協力し、全力で準備に臨もうという思いが高まったようです。

 始業式の後には、各学年イベントがありました。

 中学1・2年は、夏休みを振り返り、2学期の予定を確認しました。さっそく文化祭の話し合いが行われているクラスもありました。

 中学3年から高校2年は、国立基礎生物研究所元所長・京都大学名誉教授である阿形清和先生をお迎えし、山脇学園の「探究学習」をテーマに講演を実施していただきました。ご自身の経験や生成医療に関する研究活動をもとに、たくさんのアドバイスをいただきました。講演会で沢山の刺激や学びを得た生徒たちのこれからが楽しみです。

 高校3年生は、共通テストガイダンスを受けたあと、気持ちを切り替えて、10月の体育祭で披露される「ペルシャの市場にて」「プロムナード」の全体練習を実施しました。後輩たちは興味津々で教室から姿をみていました。今から完成が楽しみです。

 2学期初日から、イベントが盛りだくさんでした。これからの生徒たちの挑戦や活躍を楽しみにしています。