山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

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3学期の始業式を行いました

学園便り

1月9日(金)3学期の始業式を行いました。

3学期の始まりの日、校内の椿もつぼみをふくらませています。朝早くから校舎内には生徒たちの元気な声が響き、毎年この日を迎えるたびに、一年の始まりを実感します。

高校始業式での学校長式辞を紹介します。

おはようございます。
2026年、令和8年の幕が開きました。
新しい年の始まりにあたり、今年も学園がみなさんの明るい笑顔に満ち、互いに豊かに学び合える場であることを願っています。

さて新年の新聞を読んでいる中で、特に多く目にし、印象に残ったことばがあります。「α世代」ということばです。α世代とはZ世代の次の世代で、2010年以降に生まれ、世界で約20億人いる現在16歳以下の若者たちを指す呼び名です。幼いころからスマートフォンやSNSなどのデジタル機器に囲まれ、人工知能(AI)とともに育つ初めての世代だと言われています。

α世代の特徴として、次のような点が挙げられています。「AIを使いこなすデジタルネイティブであること」「グローバルな視点で教育を受け、多様な価値観と豊かな共感性をもつこと」そして「情報端末から得る豊富な知識によって、柔軟で前向きな未来志向をもつこと」
そしてこのα世代が、AIがもたらす先端技術の恩恵を受けながら、今後数十年で起こる世界の大きな変革において、新しい時代をリードしていく存在になるだろう。一方、倫理的な問題や、世界の分断・多極化といった課題にこの世代がどう向き合うかが、22世紀の世界を左右するカギになるとも言われています。 

年齢的な世代の括り方でいえば、現在の山脇学園にはZ世代とα世代がともに学んでいることになります。単純に16歳を境にすれば「高校生はZ世代、中学生はα世代」ということになりますが、いま同じ場所でともに成長し合っている山脇生の各学年に、世代の境目を意識することはありません。
一方で、同じ学び舎にあっても、みなさんの学びの環境はこの数年間でも大きく変化していることは確かです。全校生徒がiPadを学習ツールとして使うようになったのは5年前、今の高3生が中2の時からでした。以来、オンラインの学びやAIを活用した教材の導入が進み、昨年からは全校的に生成AIの学びへの活用を進めています。ガイドラインや安全な環境を整備し、全生徒がAI検定を経て正しく使う力を身に着けてもらい、順次活用を始めたというのがこの一年の動きでした。山脇学園の学び、という変遷だけみても、何年後かに振り返った時、「大きな教育の転換期だった」と思い出される数年間にみなさんは立ち会っているのです。

ところで私はX世代、という世代に分類されています。X世代とは、テクノロジーの変化を後追いで吸収しながら、新しい価値観やツールを受け入れつつ伝統的な考え方も大切にする、旧来と新時代の価値観が共存した世代だそうです。そのあとにはY世代、Z世代が登場し、それぞれに異なる特徴を持つと言われています。私が生きてきた約半世紀においても、人々は生まれ育った時代背景や社会環境の違いにより、その価値観や行動を変化させてきたことを実感します。

でもそのような世代の比較は、ある程度長く生きてきたからこそ実感できること。学生時代の自分を振り返ると、ただその時代を当たり前に享受し、新しいものを追いかけていました。伝統的な考えや自分たちを理解してくれないおとなたち世代の価値観を「古い」とみなしていたこともありました。

新たな世代の入り口に立つみなさんに願うのは、「生まれてきた時代、生きていく時代を真摯にとらえ、しなやかな思考力と豊かな人間性を育んでほしい」ということです。そしてそのために「すべての世代から学んでほしい」ということです。あなた方の生きていく時代はVUCA(先行きが不透明で予測困難な時代)などと呼ばれていますが、これまでのどの世代の人々にとっても未来は不透明で予測困難で、希望と漠然とした不安を抱えていたはずです。それでもどの世代も、その時代の社会状況を受け入れ、知恵を絞り、困難を乗り越え、新たなものを生み出してきました。知識はSNSから引き出すことができても、人が経験から得た強さやしなやかさ、知恵などは人からしか教わることができません。周りの人々の世代の背景を知り、壁をつくらず、互いの強みも弱みも慈しみながら対話ができたら、もっと豊かで持続可能な社会づくりにつながるのではないか、そしていつか現れる“β世代”へ何をつなぎ、残すべきかも、共に考えていけるのではないかと思うのです。

また、みなさんがAIとともに生きていく世代であることをふまえ、先生たちの願いを、本校の「生成AIガイドライン」の最初の「デジタルフレンドシップツール」ということばに込めています。よい友だち関係とは、あなたを高め、成長させてくれる関係です。甘えて依存したり、楽をするために利用したりする関係ではありません。例えばドラえもんは、のび太君が困って泣いて頼むと、道具を出して助けてくれます。でも何でもやってくれたり、安易に答えを教えてくれたりするわけではありません。ドラえもんにも苦手なこともあれば間違えることもありますが、いつもヒントを示し、視点を与え、時には厳しいことも言ってくれて、のび太君を成長させてくれる存在です。あなたはどんなのび太君でありたいか、どんなドラえもんにそばにいてほしいか、「デジタルフレンドシップ」ということばの意味を考えていただきたいと思います。

ちなみに、私はAIを活用するとき「しない」と決めていることが二つあります。一つは、「人からの信頼と、自分自身への信頼を失うような使い方はしない」。もう一つは「大切な人へ思いを伝えるときは使わない」。今日も思いを紡いだことばがみなさんに伝わっているといいなあと思います。

最後に、ラストステージに向かう高3生の皆さんへ。
今思い出すのは、あなた方の体育祭での姿です。
後輩たちの活躍を温かく見守りながらも、自分たちの競技に全力を尽くす姿、最後まで妥協せず諦めずやりきる姿、そんな仲間を応援する姿。思い出してほしいのは、失敗を恐れず力いっぱい取り組み、一生懸命を心から楽しんでいた、あの時の気持ちです。全力を尽くすことを全力で楽しんだからこそ、最高のパフォーマンスが生まれ、結果につながったのです。
ここからのあなた方もそのままでいい。諦めない。全力を尽くす。自分のきげんは自分で取る。辛い時も苦しい時もごきげんの価値を手放さない。そして最後は一生懸命を楽しむあなたたちでいてください。先生たちはあなた方を信じ、そのステージに声援を送り続けています。必要な時には、いつでも舞台裏にいることを思い出してください。皆の笑顔に会える日を待ちながら、2か月後にはこの学び舎を巣立つみなさんの、旅立ちの準備を整えています。

では、すべてのみなさんにとって、これまで打ち込んできたことに大きな花を咲かせる3学期となることを祈り、本日の式辞といたします。

中学始業式後には、三大行事の一つである合唱祭について、実行委員長からお話がありました。委員長からは学年ごとにエールが送られ、合唱祭に向けて、心を一つにし、思いを高めました。

式辞で取り上げた生成AIとの付き合い方に加え、顔を合わせて言葉を交わすコミュニケーションの重要性についても、ホームルームで改めて話題にしました。生徒たちは、これからの学びや人との関わりを見つめ直す時間となりました。

また、高校の始業式後は、高校3年生が最後の合同HRを実施しました。高3生に向けて、学年団の教員一人ひとりから熱い応援メッセージが送られました。

保健室前は、お正月飾りや干支でデザインされた「心のセルフケアあみだくじ」も登場。

寒い1月もこれで乗り越えられそうです。

3学期も各自の「志」を大切に、様々なことにチャレンジしていきましょう。