山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

山脇の“いま”を伝える学園ブログ

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2024年度 高等学校卒業式を行いました~その3~

学園便り

卒業式での在校生からの「送辞」、卒業生からの「答辞」をご紹介します。

送辞

冬の寒さが残りつつも校舎を吹き抜ける風に春の暖かさを感じる季節になりました。桜の蕾も先輩方の旅立ちを祝福しているようです。この佳き日に山脇学園をご卒業される皆様、本日はご卒業おめでとうございます。在校生を代表し、お祝いを申し上げます。

 先輩方が入学してからはや六年が経ち、学園生活のさまざまな出来事に思いを巡らせながら、今ここにいらっしゃると思います。

 先輩方は学園生活の様々な場面で私たちを支えてくださいました。私たちが悩んでいた時、親身になって相談に乗ってくださり、楽しいと思える環境を作ってくださいました。そのおかげで、私たちはのびのびと楽しく活動できました。先輩方が作ってくださった環境を引き継いでいきたいと思います。私たちがその環境を作る中で、見本としていた先輩方がいなくなることは寂しく、心細く感じられます。

 私が最も印象的なのは部活動です。いつも先頭に立ち後輩を導いてくださいました。想像以上に練習がきつくて、逃げ出したくなるような時もありました。そのような時でも先輩方は真剣ながらも、明るく笑顔で物事に取り組んでいました。そして、後輩にも真摯に向き合い優しく支えてくださいました。自分たちが部をまとめる立場になった今、指導の大変さや責任の大きさを強く感じています。これまでどれだけ迷惑をかけ、どれだけ助けていただいていたのだろうと思います。私たちは先輩方から、結果が出なくて苦しくても、立ち上がり挑み続ける強さを感じました。先輩方と共に励んだ日々は大切な財産となり、その思いを引き継いでいきます。

 山脇祭ではオープニングセレモニーが講堂で行われる形を作ってくださいました。部活動のパフォーマンスを目の前で見ることができ、準備期間を経ていよいよ山脇祭が始まる、というワクワクを感じることができるようになりました。今年度の体育祭では全力で競技に取り組み、仲間に声援を送る姿が印象的でした。私たち後輩にも声援を送ってくださり、その声援が大きな力になりました。6年間の集大成である「ペルシャの市場にて〜プロムナード〜」。指先まで意識した踊りや「紬」という人文字からは仲間との日々や思い出をつむぎ、一人一人がこれからの人生のチャンスをつかんでいけるようにという思いが伝わりました。

振り返ると一緒に過ごした時間は光のように速く、輝かしいものでした。先輩方は全てのことに全力で取り組み、いつも自分たちの無限の可能性を信じて物事にあたっていました。そのような姿を見習い、これからの学園生活を送っていきます。

 “Everybody has talent, but ability takes hard work. ”「誰でも才能を持っている。しかし、才能を開花させるのは努力だ。」これは、元プロバスケットボール選手のマイケル・ジョーダンの言葉です。この先の人生、志の実現にあたり大きな壁を幾度となく乗り越えなければならない時があると思います。ですが、先輩方の困難に挑み続ける強さは努力し続けるための力となり、自身を奮い立たせるものになるはずです。そして、志の実現への道を一歩一歩歩むことができると思います。

 先輩方は今日から、それぞれ新たな道に進んでいかれます。自分の無限の可能性を信じ、歩み続けてください。

 最後になりましたが、改めて本日はご卒業おめでとうございます。皆様のさらなるご活躍を心からお祈りし、送辞とさせていただきます。

令和七年 三月八日
山脇学園中学校高等学校  在校生総代 

答辞

穏やかな春の日差しが港区赤坂にも降り注ぎ、今日という特別な日を包み込んでいます。この佳き日に、私たち卒業生のために温かい式典を挙行していただきましたこと、心より感謝申し上げます。ご臨席賜りましたご来賓の皆様、教職員の皆様、保護者の皆様、そして山脇学園を支えてくださるすべての皆様に、卒業生一同、深くお礼申し上げます。

今朝、武家屋敷門をくぐったとき、憧れの第一制服に袖を通して迎えた6年前の入学式の日がよみがえりました。慣れない満員電車に揺られて登校した後に赤い名札をつけて授業を受け、時には広い校内で迷子になりながらも、少しずつ学園生活に馴染んでいきました。しかし、その最中の突然の休校。学年末考査が無くなったことに安堵したのも束の間、次第に友達と会えないもどかしさやコロナ禍前の学園生活が戻らないのではないかという不安が募り、自分たちではどうすることもできない状況に悔しさを感じました。行事が本来の形でできないと知ったときの喪失感は、今でも忘れません。

しかし、今ではこの経験に感謝しています。今まで通りにはいかないからこそ、山脇祭ではクラス企画や売店など、新しいことに挑戦できました。また、友達とお弁当を囲む時間、クラスメイト全員が揃う朝礼の光景、そんな何気ない日常が、かけがえのないものだと気づきました。コロナ禍という変化を受け入れながら、私たちは新たな学園生活を紡いできたのです。

そして迎えた山脇最後の体育祭。77期全員で何度も練習を重ね、「ペルシャの市場にて」を完成させた達成感は今でも鮮明に覚えています。休み時間、誰かが音楽をかけると自然に輪になって踊り出す。そんな光景が、私は大好きでした。先輩方が大切に紡いできた伝統に、私たちも新たな1ページを加えることができたことを誇りに思います。

6年間私たちらしい充実した学園生活を送ることができたのは、多くの方の支えがあったからです。校内ですれ違うと必ず明るく元気に声をかけてくれた職員の皆様。担当のクラスや学年が変わっても愛情を注ぎ続け、お忙しい中真剣に私たちに向き合ってくれた先生方。弱音を吐いてしまったときでも、優しく励まし続けてくれた学年団の先生方。皆様のおかげで、私たちは大きく成長できました。

保護者の皆様へ。忙しい中美味しいお弁当を作ってくれたこと、学校であった他愛ない出来事を毎日楽しそうに聞いてくれたこと、進路に迷ったときに何度も一緒に考え、背中を押してくれたこと。その大きな愛に支えられ、私たちはここまで歩んでこられました。

これからも精進してまいりますので、どうか見守っていてください。

そして、共に歩んできた77期の仲間へ。行事には全力で取り組み、嬉しいときは自分のことのように喜び、つらいときは寄り添う。そんな心優しいみんなに何度も救われました。一緒に笑い、悩み、乗り越えてきた6年間は、かけがえのない宝物です。

在校生の皆さんへ。頼もしい後輩がいてくれたからこそ、私たちは全力で部活や行事に挑むことができました。私が大切にしている言葉に「一所懸命」があります。「一生懸命」ではなく、一つの所と書いて「一所懸命」。時には休み、周囲を頼りながらも、自分が挑戦すると決めたことには全力を尽くす。その積み重ねが、成長につながるはずです。皆さんもこれから、山脇学園で自分だけの色を紡いでいってください。

「紬」という字には、じっくりと積み重ねて築き上げるという意味が込められています。私たちは、コロナ前とコロナ後に橋をかけ、学園の伝統を受け継ぎながら、自分たちの6年間を紡いできました。時に困難もありましたが、それらすべてが私たちの青春であり、忘れられない思い出です。山脇学園で得た経験を胸に、それぞれの未来へ向かって、新たな歩みを紡いでいきます。

今後の皆様のご健康と、山脇学園のさらなる発展を心より祈念し、答辞といたします。

令和7年3月8日
山脇学園高等学校 第77回卒業生総代

77回卒業生からのメッセージ