2学期の始業式を行いました。
学園便り
9月2日(月)2学期の始業式を行いました。
屋外実験場は実りの秋を迎えています。
猛暑を乗り越え元気に育っている作物たちと同じように、生徒達も久しぶりに元気な姿を見せてくれました。
体育祭で披露する高3生の「ペルシャの市場にて」「プロムナード」の全体練習も始まりました!
始業式 学校長式辞
おはようございます。この夏は、猛暑、地震、台風などに翻弄された日々でしたね。
今日は青天の始業式を迎え、登校する皆さんの笑顔を見て2学期のスタートを切ることができ、とてもうれしいです。休み中はそれぞれがご自分の目標をもってさまざまに頑張っていたことと思います。コンテストや発表のステージに上がるなど、様々なチャレンジに挑んだ生徒のみなさんの報告も受けています。この夏の自分を踏まえて、また新たな目標を胸に2学期に向かってほしいと思います。
さて8月はパリオリンピックが話題になりました。私も人生の中で何度も見てきたオリンピックですが、今回は主役である選手の活躍だけではなく、いわば「ステージの裏側を支える人々」への視点をもちました。
選手が力を発揮できるよう試合会場の環境やフィールドを整えた人
観客が応援する環境を整えた人
選手の生活や健康、メンタルを支えた人
施設建設、ゴミ問題、食品ロスなど環境問題に向き合い、働いた人
選手の文化や言語の多様性に配慮して宿泊施設を準備した人
すべての競技に技術と責任をもってジャッジに臨んだ審判や審査員
開会式や閉会式の企画運営や演出を手掛け、携わった人
などなど、どれもオリンピックというステージの成功に欠かせない役割を持っていた方々です。
どの分野においても世界の一流の人々が集められ、議論して企画されてきたのだろう。そのチームの下でどれほど多くのメンバーやスタッフが仕事をしているのだろう。サイエンスやテクノロジーの進化はオリンピックにもこんな進化をもたらしているのだな。でもここはまだ改善の余地があるのだろう。この課題は、次までにどんな解決を遂げているのだろう。紛争によって参加できない国の選手たちは、どのような思いでこのオリンピックを見つめているのだろう。
ステージの裏側にいる人たちを思い浮かべながらこんなことを考えました。そしてもし私やみなさんがこれらの課題に関わり貢献できるとしたら、どんなことだろう、とも考えました。
私たちはつい、華やかで目立つものに目が行き、その結果だけを称賛しがちですが、何かをつくりあげるときの裏には、必ずそれを支える人々がいます。陰で働くたくさんの人たちがいるからこそ、その一人ひとりの経験や技術に裏打ちされた高い品質の仕事や、人を楽しませ喜ばせようとする強いマインドがステージの成功を支え、多くの感動を生みます。
よい観客も、ステージを支える人々です。モラルを持ち、温かく応援する気持ちを持って拍手を送る人の存在は、プレイヤーやアーティストの最高のパフォーマンスを引き出し、感動を分かち合う場を創ります。しかし、オリンピックでは、選手や関係者への誹謗中傷が数多くあったことが問題になりました。多くの人が抱いていた期待や願望がそうでない結果に終わった後の投稿が多く、自分の意見が正しいかのような表現で選手や関係者をたたくような誹謗中傷が多かったそうです。人間の心理や行動の闇の部分をしっかり見つめつつ、私たちは人間として一流を目指したいと思います。
1学期の終業式にご紹介した富田宇宙選手が、先日、パラリンピック競泳男子400メートル自由形で銅メダルを獲得しました。再び彼の言葉を紹介します。
「正直に言うと、健康だった時は頑張っている自分、結果を出している自分をえらいと思っていました。でも障害を負ってわかりました。実際は環境や人々やたくさんの幸運が、自分を頑張らせてくれているだけだったんですよね。だから今は、ただ周りのすべての人に感謝、なんです」
学園生活の様々なステージに、上がる主役はみなさんです。でも「自走自治」は、ステージの裏側を支える人もまたみなさんであるべきです。支えてくれる人、頑張らせてくれる人の存在に気づき、感謝できる人になって欲しい。一人ひとりが手を抜かず、自分の仕事にできうる限り真摯に取り組み責任を果たしましょう。それこそが互いの最高のパフォーマンスを生み出すことにつながります。
さて先日の「THE名門校」の放映の後、たくさんの卒業生が連絡をくれました。
大勢の人が見てくれていて驚いたとともに、OGならではの率直な感想をくれてうれしく思いました。
「見ました!」「オープンキャンパスの生徒たちすごいですね」「誇らしかったです!」「キラッキラですね」「羨ましい、素敵すぎます」。
また、ディレクター&カメラマンの方も、何度も取材と撮影に来てくださいました。放映後、次のようなメッセージをいただきました。
「山脇の生徒さんたちは本当に個性的で生き生きとしていて、素敵な生徒さんばかりでした。恥ずかしがりながらもインタビューに笑顔で一生懸命答えてくれた生徒さんたちに感謝です。山脇の魅力を伝えるには30分では短すぎ、ぜいたくな悩みですが使いたいシーンが多すぎて、編集で本当に苦労しました。今回山脇学園を取材できたことに感謝します。山脇学園は本当に素敵な学校でした。これからもすべての生徒たちが志を見つけられる、素敵な学校であり続けてください。」
さあ、山脇の2学期が始まります。大きな行事やステージが控えています。高2生、高1生の活躍が成功のカギを握っています。高3生の皆さんは、多くのことに「山脇最後の」の枕詞が付きますね。後輩たちに何を置いていってくれるのでしょうか。すべての山脇生の活躍と、一人ひとりの成長を大いに楽しみにしながら、先生たちはみなさんを力いっぱい応援しています。
最後に留学生のご紹介をします。フランスからお二人と、ドイツからお一人の、3名です。留学期間は1年間で、いずれも高校1年生に在籍します。国やご家族と離れ、縁あって青春時代の一ページを山脇学園で過ごすみなさんを、全校で歓迎し、応援しましょう。そして私たちも、多くのことを学ばせていただきましょう。
始業式の後には、中学3年生対象に東京大学工学部長の加藤泰浩先生をお迎えし、講演会を実施しました。
「みんなで未来を拓いていこう~工学は未来を拓く~」ということで、ご自身の高校時代から現在の研究者となるまでの経歴、ご専門のレアアース資源の研究や東京大学工学部の様々な研究、東京大学工学部のリケジョのキャンパスライフなどお話しいただきました。
最後には「自分で限界をつくらず、本気でやろうとおもえばどんなことだってできる。」という力強いお言葉をいただきました。講演会で沢山の刺激や学びを得た生徒たちのこれからが楽しみです。
長いお休みの間の様々な体験を通して成長した生徒達の、2学期の活躍を楽しみにしています。