サイエンスクラス校外学習 『富士山学会』
学園便り
5月13日(金)。サイエンスクラスは校外学習のため、富士山へ向かいました。
当日は生憎の雪崩注意報発令。富士山5合目につながるスバルラインが閉鎖であったため、富士山麓の樹海探索からスタート。研究者の方に同行頂いた現地の観察は、研究の視点の高さを実感できる良い機会になりました。
まだ道路に面する樹海の入り口一つとっても、散策路を挟んだだけの左右の樹木に大きな成長の違いが見られます。森林の中を歩き回ってやっと出会えるようなものだけでなく、普通ならば見落としてしまう何気ないポイントにも、見るべき眼をもって見ると、どこにでも自然の面白さが存在する事がよく分かりました。
バスの移動も余すことなく活用するため、研究者の方には車内でのご講演も行って頂きました。
事前にプレゼン資料を送って頂き、iPadへダウンロードして準備。車の中で、資料を読みながら、研究者になるまでの厳しさや、逆に研究の楽しさを中心にお話し頂きました。論文や研究の構成にも焦点を当ててくださり、科学英語の授業で正しく教わっている内容と連関のあるタイミングになりました。
その後は、山梨県富士山科学研究所へ。科学英語で採用した論文の研究に関して、大学レベルの背景知識まで含めてご講義頂きました。ハードルはあるものの、生態系をメインとした研究は大雑把なものではなく、ミクロの視点とマクロの視点を使い分けて研究し、それを統合して初めて全体像が把握できるようになっていく事が良く分かりました。
講演終了後に併設のミニ展示室もあり、宝永噴火の噴出物の量を実物の積み重ねで再現したものや、野生動物の骨格標本などがあり、また一部は触ることもできたので、生徒たちは興味を持って観察をしていました。映像以上に、本物のツヤ感や質感、においに触れられることは現場に行く意義の一つです。
現地の自然が育てた文化・歴史を体感する場所として、最後は山梨県富士山遺産センターへ。富士講(富士山信仰)について、理解を深めることができました。富士山の雄大な自然が人を魅了する事は今も昔も変わらず、自然そのものが信仰の対象とさえなっている事に納得している姿が印象的でした。
また、サイエンスクラスが日本の女性の科学者の育成を考えることが目標の1つとしている点から、富士講が以前は女人禁制であったという事実は、女子校として考えさせられる側面もありました。その他、資料館には地学の側面を展示している場所もあり、火山噴出物の展示や、富士山の成り立ちを再確認する動画もあるので、富士山の地学的要素を理解する助けになり、充実した時間を過ごしました。



