山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

山脇の“いま”を伝える学園ブログ

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2025年度 中学校入学式を行いました~その1~

学園便り

4月8日(火)、山脇学園中学校入学式を行いました。

登校後は、武家屋敷門や校庭の桜を背景に、保護者の方と写真撮影する様子も見られました。

入学生は、どきどきしながら各HR教室へ。靴を履き替えて教室内に入り、入学式の流れについて事前に説明を受けました。

入学式が行われる講堂に移動。沢山の拍手に迎えられて新入生が会場に入場し、入学式が始まりました。

担任が新入生284名の氏名を一人ひとり読み上げました。新入生は、元気に返事をして、起立し、壇上の学校長に一礼して着席します。

学校長式辞をご紹介します。

学園中の満開の桜が温かな春の日差しに輝き、みなさんのご入学を祝福し、歓迎しているかのようです。

この佳き日に、ご来賓・保護者の皆様方にご臨席を賜り、山脇学園中学校入学式を挙行できますことは、大きな喜びでございます。

ただいま入学を許可いたしました284名の新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。今日、晴れて山脇学園の生徒となられた皆さんを、本学園教職員一同、心から歓迎いたします。

また保護者のみなさまにおかれましても、これまで慈しみ育てられ、長い受験勉強の日々を支えて来られたお嬢様のご入学に、感激もひとしおのことと存じます。心よりお祝いを申し上げます。

 

今呼名を受けたお一人おひとりのお姿を拝見し、改めてお会いできた喜びを感じています。真新しい制服はみなさんにとても似合っていて、美しくすがすがしい姿は、中学生になったのだ、という自覚が伝わってくるようです。

みなさんは厳しい入試を乗り超えて、今ここにいらっしゃいます。ここはゴールではなく、はじまりの場所です。一生懸命勉強に打ち込んでこられた日々はすべて、これからの学びにつながっています。真剣に取り組み、辛い時も投げ出さず頑張りぬいた日々、仲間と共に切磋琢磨した日々は、あなたという人間を強く深く、そして優しくしたことでしょう。学んだすべては、あなたの志の種となってたくさんの芽を出し、枝葉を伸ばすでしょう。みなさんがこの学園でどのように幹を育て、どのような花や実をつけていくのか、と考えると、今から楽しみでなりません。

ここまでの道のりのそばにいてくださった方々の顔を、思い浮かべてください。頑張ったのは皆さんですが、そばで導き、陰で支えてくださる方もまた、頑張ってくださったのです。その存在があったからこそ、今こうして新たなスタート地点に立てているのだということに、あらためて思いを寄せてください。

 

さて、改めまして山脇学園の志についてお話ししておきたいと思います。山脇学園は明治36年、1903年に創立されました。初代校長の山脇房子先生は、明治という時代にあって先進的な考えをお持ちでした。「これからの時代は、女性の社会での活躍が不可欠」「豊かな教養と高い品格を身に付け、自ら行動する女性の育成が必要」と考えていました。この志のもと、夫である山脇玄先生とともに山脇学園を創設しました。女性の国際社会での活躍も見据え、マナーを身に付ける授業や英語教育を重視したほか、時事問題を生徒同士で討論させるなど進歩的で実践的な教育を、自ら行ったそうです。

 

今みなさんが着ていらっしゃる第一制服をデザインし、日本で最初の洋装の制服として取り入れたのも房子先生でした。和服姿の女性がほとんどだった時代に、洋装の利便性に目を向け、時代の先端を行くことを恐れずに導入された制服は、一世を風靡しました。今もほぼデザインを変えずに受け継がれる制服を、生徒たちは誇りをもって着用しています。

 

またみなさんが胸につけている校章は、房子先生が育てたい女性像をデザインされたものです。ハートは「まるく優しい心」、富士山は「美しく品格ある姿、清らかさと徳を備えた人間性と高い志」を表します。校歌では「しるしに恥じずもろともに 努め励みて世に立たん」と歌われ、山脇生はこの校章に恥じぬよう、ともに世のため人のために貢献する人になりましょう、というメッセージが込められています。

 

私たちはこの房子先生の思いや女性としての生き方に学び、建学の精神を今に受け継いでいます。時代は変わっても「豊かな人間性を携え、社会で活躍し貢献する女性を送り出す使命」は変わっていません。今もみなさんが活躍する未来社会を見据え、学び続ける力や必要になるスキルを養うことも、また現代の学園の使命と考えています。

時代が求める教育に応え適切に進化し続けながら、みなさん一人ひとりの志の実現の手助けをし、6年間のご成長を精一杯支援していくという思いで、私たちは日々生徒たちと向き合っています。

 

山脇学園は、今年度創立122周年にあたります。今日からはみなさんが、新たな歴史をつくっていきます。まずは学園を知り、山脇生としての自覚を育んでいただきたいと思っています。学園生活を充実させる様々な秘訣は、みなさんとの道徳の授業でお話ししていきますが、今日は、「山脇ライフのスタート」にあたり3つのポイントをお伝えします。ぜひ実践してみてください。

 

1つ目は「疑問符を見つけよう!」

何もかも初めてのみなさん。出会うことすべて、きっと新鮮な気持ちでいっぱいのことと思います。

知らないことを恐れることはありません。むしろ「なぜ?」「どんな?」という疑問符を見つける、という意識を持ってみましょう。どんな先生、どんな授業があるの?どんな施設があるの?どんな先輩がいるの?なぜこのような決まりがあるの?などなど。

自分から聴いたり見たり調べたりして、ものごとの本質を知ろうとすることを「探究」といいます。探究はわかってくるともっと知りたくなるもの。疑問符が増えれば増えるほど、どんどん山脇学園を好きになっていくことでしょう。

 

2つ目は「違いを楽しもう!」

中学校生活は小学校生活と随分違います。時間割も、毎日授業を受け持つ先生も、皆違います。

また全校生徒は1600人、先生方は120人、考え方も感じ方も違う多くの人との出会いに満ちた学園生活です。多様性は学園の宝。出会いの数だけ、たくさんの学びがあるということです。

今ここにいるみなさんもそれぞれ違う場所や環境で育ち、異なる経験をもって集まっています。受験した入試も得意な科目もみんな違います。どうぞ、これからの生活でその違いを知り、楽しんでください。

でも同じなことがあります。それは、誰もが新しい生活のスタートにドキドキしていること。そしてみんなと仲良くなりたい、と思っていることです。緊張しているお互いを思いやれたら、きっとすべての出会いがワクワクに変わります。

 

3つ目は、「今から、あなたの場所から」

みなさんの志の種は、ここからたくさんの芽を出します。様々な経験を重ねるなかで、今まで知らなかった自分の種に気づくこともきっとあるはずです。

でもその発見や成長を妨げるものがあります。それは、あなた方自身の「嫌い、苦手、無理」という思い込み、自分で作ってしまっている枠です。もしそのような思いがあったら、ここで一度、リセットしてください。

 

今から、あなたの場所から、一歩ずつ登り始めればいい。人と比べることも、焦ることもありません。自分の歩幅で毎日登っていたら、昨日より今日、今日より明日、高い場所に上がり、広い景色が見渡せるようになります。そのとき初めて自分の道が見え、どの道を進むべきかを選ぶことができるのです。

先生たちは、みなさんが登っていく道のりが楽しく豊かなものになるよう一緒に歩きます。平坦な道ばか

りではなく、時にはちょっとハードな登り坂や、異なる景色が見える道も案内し、チャレンジを応援します。「今から、あなたの場所から」新たな生活の始まりです。たくさんの先生たちが学ぶ楽しさを伝えたい、とお会いするのを楽しみに待っています。

 

何といっても、山脇学園の一番の誇りは生徒たちです。在校生たちは「自走・自治」を心に、生徒会や行事を主体的に運営しています。自分の力を試そうと果敢にステージを求める生徒もたくさんいます。またチャレンジする仲間を応援し、健闘を称え、拍手を送り合うあたたかな校風があります。今後、行事や部活動など先輩たちと交流する機会も増えていきますが、是非様々なことを教わり、ともに創り上げ達成する感動を味わってください。

多くの卒業生が、山脇の友は一生ものだと口を揃えます。みなさんもそんな友だちを作っていかれることでしょう。今日、あなたの周りにいる一人ひとりの仲間と、楽しく豊かな時間を共に過ごし、たくさんのつながりを紡いでいってください。

 

最後になりましたが、保護者のみなさまにご挨拶を申し上げます。

本日、緊張の中にも凛とした姿でここにいらっしゃるお嬢様を拝見し、喜びとともに、改めて身の引き締まる思いがいたします。

中高の6か年間は、人生の中では短い時間かもしれませんが、人としての基盤をつくる大切な時期です。また生涯忘れることのない体験に満ちた、煌めきの日々です。そして心と体の成長に伴い変化の大きい時期でもあります。私たちは、そのような時期をお嬢様が安心して楽しく健やかに過ごされますよう見守り、全力を傾けてまいります。

どうぞご信頼をいただきますとともに、学園の教育へのご理解をお願いいたします。保護者のみなさまと私たち教員が手を携えることが、お嬢様のご成長に最も大切なことと考えます。お嬢様が本校の6年間で、しっかりとした根を張り、枝葉を伸ばし、風雨にも折れることのない強い幹を持って凛と立ち、周りにも豊かな恵みをもたらす、そんな女性へご成長される姿をともに思い描きましょう。どうぞご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

それでは、新入生の皆さんの桜花爛漫の笑顔が輝く充実した学園生活を願い、本日の祝辞といたします。

令和7年4月8日
山脇学園中学校校長 西川史子

中1担任団紹介。

在校生代表の高校生から「新入生歓迎の言葉」が贈られました。

新入生代表からは「新入生の誓い」の言葉が述べられました。

式後は、各クラスで初めてHRを行いました。

HRの様子は、その2の記事でお伝えします。