山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

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2学期の終業式を行いました ~その1~

学園便り

12月21日(土)2学期の終業式を行いました。

刺すように冷たい朝の空気の中に、ほっとするような陽だまりやあたたかな色を見つけました。

 

式の様子

講堂内は気持ちの良い緊張感と静けさに満ちています。

今回は高校終業式での学校長式辞を紹介します

おはようございます。

9月の2学期の始業式には、オリンピックを振り返りながら「イベントの成功には優れた舞台裏の存在が不可欠」「皆さんの自走自治を期待する」と話しました。あの日が随分遠いことのように思えるほど、この4か月間にはいろいろなことがありましたね。今、皆さんにはどんなシーンが思い浮かぶでしょうか。

 

2学期は、たくさんの生徒が部活や研究・探究活動などでの発表にチャレンジしました。校内にとどまらず、校外に自分の力を試す場を求めて、アクションを起こした人も数多くいました。「My Stage」として表彰した生徒もたくさんいます。が、そのような発表の場だけではなく、様々な「試験」もまたみなさんが挑む本番の舞台だったと思います。

どの舞台も、努力の成果が得られる場合もあれば、残念ながら思うようにいかないこともあります。でもどれも真剣に取り組んだなら、それは絶対無駄にならない。真剣に打った点ならばいつか必ず、自分の中の輝く星になる、と私は思います。本気で準備し、真剣に挑んだ皆さんを、心から称えます。

 

2学期は学園としての大きな行事もありました。みなさんが主体となってつくりあげた二大行事の様々なシーンは、今もそれぞれの心に残っていることでしょう。クラスや部活動などの発表の場を「Our Stage」と呼ぶならば、一人で挑むMy Stageと異なり、Our Stageはチームの一員としてチームの目標や成果に貢献することが求められます。どんな役割であっても、みんなの役に立てた、と今皆さんが感じられていたらいいな、と思います。

 

卒業生がよく話してくれるのは、山脇で培ったリーダーシップ、フォロワーシップの経験や、イベントの企画運営に携わった経験が、仕事の中にとても活かされているということです。みなさんもそう遠くない先に社会に飛び立つわけですが、その時に必要になる力を、高校時代の様々な場面で育てているわけです。

毎年帝国データバンクが発表する、企業が求める人材像トップ3は、1位が「コミュニケーション力」(13年連続1位)、2位が「主体性・意欲」、これらがダントツで4割を超えており、「素直さ」「誠実な人柄」がそれに続きます。

皆さんが仕事をしていくAI社会では、さらに「知的好奇心」「課題設定力」「実行力」などが必要になるといわれています。

 

本校で行っている非認知スキルテストでは、18のコンピテンシー(行動特性)を測定することができるのですが、山脇生は全国と比較して各コンピテンシーの値が高く、特に「寛容」「外交性」「解決志向」がかなり高く出ているという結果があります。「寛容」とは、心の広さや人を受け入れる気持ちのこと、「外交性」とは興味や関心が外界に向けられ、行動的で社交的なこと、「解決志向」とはできていることに心を向け、生産的な行動をすることです。山脇全体としてこれらの値が高いということに、私はとても頷けました。

さらに学校行事などの中心となって活躍した学年は、「感情コントロール」や「課題設定」といった値が高く出ています。「感情コントロール」はアンガーマネジメントとも言われ、怒りなどの負の感情をコントロールする力です。また「課題設定」は、問題を見極め、解決する手立てを設定する力です。

みなさんが、組織を運営する経験のなかで、様々な困難や人間関係や自分の感情と向き合いながらも、強さやしなやかさを身に着けていった成長がはっきりと感じられる結果となりました。

行事・部活・校外学習などでのさまざまなStageを経て、みなさんは将来どんな場所においても活躍し、必要とされる力を蓄えている、私は山脇生にそんな大きな頼もしさを感じています。

 

さて、様々な強みや個性を持つ山脇生が、全体として素晴らしいハーモニーを響き合わせるためには、互いの音を聞き合う、ということが必要になります。合唱祭で言えば、自分のパートだけでなく、他のパートの声もよく聴く、ということですね。クラスや学年を超えて、山脇生全体で奏でている音色や響きはどんなだろう、と私は耳を澄ませています。

 

その意味で、先日朝の校門で、考えさせられる光景を見ました。

その日は、朝皆さんが家を出る時間には曇りでしたが、8時前くらいから雨が降り始めました。ほとんどの生徒が傘をさして歩いていましたが、家を出るときには雨が降っていなかったのでしょう、傘を持っておらず、濡れている生徒も何人か歩いていました。次第に雨が強くなってきて頭からびしょぬれになって校門をくぐる生徒も見受けられます。

駅からここまでの間に、山脇生同士、傘をさしかけないのかな、というのが素朴な疑問でした。

多分、知っている友達が濡れて歩いていたら「入って!」と声をかけると思うのです。でも知らない先輩や後輩だと「よかったら入りませんか」とは言いにくいのだろうか、と。

困っている人は助けてあげたい、とみんな思っている。知らない人だと少し勇気がいるけれど本当はやりたいと思っている。ならば、同じ山脇生同士からやってみては、と思ったわけです。

 

視野を少し広くして、心を少し広くすれば、気づくことがあります。

少し勇気がいるけれど小さな一言や行動が、相手の気持ちを温かくすることがあります。

「もの」ではないGIFTは、お金がなくても気持ちさえあればいつでも贈ることができます。

まずは、山脇生が、同じ山脇生の奏でる音に、耳を澄ましてほしい。そして自分から響き合わせて表現につなげてほしい、と感じた光景でした。

当たり前になっていてなかなか意識できないけれど、あなた方を日々支えてくださっている方々がたくさんいます。

それに気づける人でいてください。1年の終わりにあたり、そのような方々に、あなた方の方法で、GIFTを贈って欲しいなと思っています。

 

最後に、高2の皆さん、この1年、学園の様々を率いるのだ、という自覚をもって、前向きに主体的に考え、生き生きと活躍をしていた姿が目に焼き付いています。本当にお疲れさまでした。高1生にバトンを受け渡す時期がきました。高3から引き継ぎ、あなたたちが重ねて大切にしてきたものを、後輩たちにGIFTとして置いていってほしいと思います。高1生は、しっかりと受け取ってくれるマインドができていることでしょう。

 

高3生の皆さん、たくさんのステージを経て、ついにラストステージが近づいてきましたね。でも焦ることも人と比べることもありません。自分のゴールに向かって、自分の歩みを信じて、進んでいけばよいだけです。

この間皆さんが、後輩たちに贈ってくれたことばを読んで、胸が熱くなりました。たくさんの経験と愛のこもったことばをありがとう。この後の激励会では、後輩たちや先生方からのGIFTを受け取り、力に代えてください。みなさんが力強い足取りで、最後の一日まで歩み続けられるよう、応援し、祈り続けています。

 

ではみなさん、それぞれにこの一年を振り返り、2025年での飛躍を目指し、前へ進んでいきましょう。

インフルエンザが流行っています。お体にお気をつけて、どうぞ、良いお年をお迎えください。

 

★その2では、式後の高3生向け「激励会」、HR、大掃除の様子などをお伝えします!

https://www.yamawaki.ed.jp/blog/2024_2gakkisyugyoshiki2/