中学校卒業式を行いました。
学園便り
3月22日、中学校卒業式と、中学・高校それぞれの終業式を行いました。
本校ホールで行われた中学校卒業式の様子をお伝えします。
<学校長式辞>
皆さん、中学校ご卒業、おめでとうございます。三年前の入学式ではすっかり緊張して壇上の折原校長先生を見上げていたましたね。山脇生としてしっかり頑張ろうという決意と、初めて会うクラスメートと仲良くやっていけるだろうかという思いでいっぱいだったのでしょう。それに比べて今日の皆さんは、一人ひとりが個性を発揮しながらお互いに調和していて、一昨年の山脇祭のスローガン、Be Colorfulを描いた一幅の美しい絵のようです。これからも、違うカラーを持つ者が集まってこそ、活き活きしたクラス、活き活きした学校になり、活き活きとした社会が創れるのだという事を忘れないでください。
皆さんはこの三年間で、勉強に部活に学校行事に一生懸命に取り組んでこられました。特に、二年生、三年生となってからは先輩として様々な学校行事を成功させることで、心身ともに大きく成長されました。これで皆さんの義務教育は終わります。今日は、皆さんが高校の教育を受ける準備ができたという大きな節目なのです。そこで、三年前に心に誓った目標を思い出し、それがどれだけ達成できたか、自分自身に正直に、振り返っていただきたいのです。
目標が達成できたと思える人は立派です。しかし中には、当初の目標や決心を忘れて惰性的に過ごしてしまったと思う人もいるでしょう。でも失望してはいけません。そう思うことこそが、気づきであり、ご自分の生き方を改善するきっかけになるからです。これまでの暮らし方を反省し、改めて、目標達成のために努力を重ねて行こうと決心する。これが、成長の第一歩です。そう決めて地道に努力していくことで、時間厳守、相手への礼儀といった、人間に欠かせない、全ての行動の基本になる習慣が身についてくるからです。万が一皆さんが、目標を持たず、惰性的に暮らして成人してしまったとしたらどうでしょうか。ご家族のお陰で通えた山脇での勉強も無駄になります。皆さんが一度は抱いた夢も、実現しないまま終わるでしょう。そうなったら皆さんは、皆さんのご家庭は、皆さんの社会は、皆さんの国は、そして皆さんの世界は、どうなってしまうでしょうか。今しかない、皆さんの貴重な時間を無駄にしてはいけません。この機会に、改めてご自分の暮らしを見直し、どういう生き方がしたいのか、どんな人間になりたいのか、真剣に考えてみて下さい。そうする事で皆さんは、ご自分の夢を見い出し、その夢に向かって前進していくことでしょう。
縁あって山脇学園に入学し、沢山の友達や先生方と出会って、三年間お互いに切磋琢磨してこの日を迎えたみなさん、皆さん一人一人、全員が、この世にたった一人のかけがえのない存在です。そんなにも大切な皆さんの未来を、意義あるものにするかしないかは、ご家族でも先生でも先輩でもなく、皆さん自身にかかっているのです。考え方や物の見方、価値観が多様化している現代社会で最も確かなのは、自分自身の思いだけだからです。どうかご自分の志を立て、それに向かって真っ直ぐに生きて下さい。
一人の人間が一度に出来ることは微々たるものです。しかしその微々たるものを地道に積み重ねることで、多くの先人方が私たちのために大きな成果を残していって下さったのです。その中で最も身近なお手本が、山脇学園の初代校長、山脇房子先生です。明治維新で武士階級が廃絶された時、皆さんと同じくらいの年齢だった房子先生は、すっかり変わってしまった家庭環境に負けず、病弱なお母さまに代わって弟や妹の面倒を見ながら、小学校と女子師範学校を卒業され、単身、仙台に住むイギリスの宣教師の家庭に住み込んで英語を学び、更に上京して上級英語を身に附け、国際人として、また教育者として大成されたのです。皆さんはこの、強い意志と奉仕の精神に満ちた大先輩・房子先生の理念の下で三年間学び、いよいよ四月から高校生になられます。中学校と大きく違うところは、高校では、自分の進路を自分で選び、それに必要な授業を受ける、という点です。将来の目標を決めるのも自分、それに向かって努力していくのも自分、その結果に責任を持つのも、全て、自分自身、なのです。
ここで、平成二十六年夏の甲子園で善戦した、三重高校野球部の、中村好冶監督が、部員に残した言葉を、皆さんにも贈ります。「自分がやると言った事を必ずやる。これが君たち高校生の仕事だ」折原先生が皆さんを応援しておられることを忘れないで。
以上で私からの式辞とします。
平成28年3月22日
山脇学園中学校校長 山脇 恭
中3生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
高校という新たなステージで、お一人おひとりがさらなる飛躍をされることを期待しています。