山脇学園中学校・高等学校 YAMAWAKI GAKUEN JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

山脇の“いま”を伝える学園ブログ

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中学校卒業式

学園便り

3月20日、中学校卒業式と、中学高校それぞれの終業式を行いました。
YAMAWAKIホールで行われた中学卒業式の様子をお伝えします。

 

 

<学校長式辞>
只今、211名の生徒に、中学校の卒業証書を授与いたしました。

皆さん、中学ご卒業おめでとうございます。
皆さんが入学式で、山脇の制服に身を包み、緊張して壇上の折原校長先生をみつめていた日から、早いもので三年が経ちました。まだ幼かった皆さんに、思わず、心の中で頑張ってねと念じたことが昨日のようです。皆さんは「今日から山脇学園の中学生だ。勉強も小学校とは違うのだ」という誇りと「まわりは知らない人ばかり。楽しく打ち解けてやっていけるだろうか」という緊張が、半々だったことでしょう。
その皆さんも、勉強に部活に学校行事に一生懸命取り組んだ成果で、この3年間で大きく成長されました。特に二年生、そして三年生となってからは、先輩として、様々な行事の先導をつとめて、後輩を導き学校行事を成功させることで大役を果たし、若さの中に、深みが加わりました。これで皆さんの義務教育は終わりです。すなわち、皆さんが更に上の教育を受ける準備が出来たという大きな節目でもあります。
そこで今日は、ご自分が三年前に心に誓った目標を思い出し、それがどれだけ達成できたか、自分自身に正直に振り返って頂きたいのです。もし当初の目標や決心を忘れて惰性的に暮らしてしまったと思ったら、これが、気づきのチャンスです。どうかこれまでの日々を反省し、改めて目標達成の為に努力を重ねていってください。
人間は、目標に向かってきちんとした日々を重ねることで、時間を守ることや相手に対する礼儀などが身に尽きます。それはまた、皆さんが、其々の分野で良い仕事のできる人間になるために欠かせない、基本的な準備でもあります。私たちが、仮に、目標もなにも持たず、惰性的に暮らしながら成人してしまったら、私たち自身は、私たちの家庭は、社会は、国は、どうなるでしょう。折角ご両親が通わせて下さった山脇での勉強や修行も無駄になります。そして一度は抱いた将来の夢も志も、実現しない侭に終わるでしょう。今しかない皆さんの貴重な時間を無駄にしてはいけません。ご自分の暮らし方を見直し、改めてどういう生き方がしたいのか、どんな人間になりたいのか、真剣に考えてみてください。今日という節目の日が、皆さんの気づきの機会になることを心から願っています。
縁あって山脇学園に入学し、沢山の友達や先生方と出会い、三年間お互いに切磋琢磨し、今に至った皆さん。皆さん一人一人が、この世にたった一つの大切な存在です。その大切なご自分の未来を、意義あるものにするかしないかは、ご両親でも先生でも先輩でもありません。先ほどからお話してきたように、それは皆さん自身です。考え方や、物の見方、理想などが多様化している現代社会で、最も確かなのは自分自身の思いだけだからです。
人間が一度に出来る事はほんの小さな事かかもしれません。しかしそれを積み重ねる事で、皆さんの人生は価値あるものになるのです。そのことを、明治の時代に実証されたのが、他ならぬ山脇学園の初代校長、山脇房子先生です。
明治維新で武士階級が無くなった時まだうら若い少女であった房子先生は、著しく変わってしまった家庭環境にも負けずに、病弱なお母様に代わって幼い弟妹の面倒を見ながら、松江の師範学校を優秀な成績で卒業、上京して独学で英語をマスターし、日本人としての誇りを忘れぬ国際人として外国の要人の尊敬を集め、優れた教育者として大成されました。この、強い意志と奉仕の精神を兼ね備えた房子先生の理念の元で、富士の高嶺のような凛とした理想と、それを包む暖かいハートの校章を胸にして、三年間学んだ事を活かし、将来の夢を実現するための準備をして下さい。
高等学校では、皆さんの進路に必要な授業を、ご自分が選んで受けることになります。自分の目標を自分でたて、その結果に自分で責任を持ち、いくつもの壁を自分で乗り越え、自分の志を全うするためです。スピーチコンテストや、合唱祭や、マイオピニオンコンテストを成功させてきた皆さんです。きっと「自分自身に正直に、自分の意志を持ち、人の意見にも耳を傾け、自分にも人にも誠実に、生きていきます」と断言して、前進していかれることと信じます。天の折原先生が見守っておられます。頑張ってください。
以上をもって、中学校を卒業する皆さんへの餞の言葉とします。

卒業生の歌「明日の空へ」

校歌斉唱

○卒業証書を手に