2023年度山脇学園中学校入学式を行いました ~その1~

2023年4月12日

4月8日(土)、山脇学園中学校入学式を行いました。

【登校】

武家屋敷門、通称「志の門」を通って登校します。校庭でも記念撮影が行われていました。

【入学式前】

教室では担任と初対面。入学式についての説明を聞きます。呼名の練習をするクラスもありました。

各クラスから入学式場となる講堂へ移動します。入場前にマスクを外しました。皆、少し緊張の面持ちです。

【新入生入場】

担任を先頭に講堂へ入場しました。保護者・来賓の方々、教職員の拍手に迎えられます。

【入学許可】

担任より一人ずつ名前を呼ばれます。返事をして、起立、一礼。

【学校長式辞】

温かな春風に桜の花びらが舞うこの佳き日に、ご来賓・保護者の皆様方にご臨席を賜り、山脇学園中学校入学式を挙行できますことは、私ども教職員にとって大きな喜びでございます。

ただいま入学を許可いたしました283名の新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

今日、晴れて山脇学園の生徒となられた皆さんを、本学園教職員一同、心から歓迎いたします。

また保護者の皆様におかれましても、これまで慈しみ育てられたお嬢様のご入学に感激もひとしおのことと存じます。心よりお祝いを申し上げます。

 

今呼名を受けたみなさん一人ひとりの凛としたお姿を拝見し、改めてお会いできた喜びを感じています。真新しい制服は皆さんにとても似合っていて、すがすがしい姿は、中学生になったのだ、という自覚が伝わってくるようです。

みなさんは、厳しい入学試験を突破して、今ここにいらっしゃいます。真剣に勉強に打ち込んだ日々はすべて、ご自身の力になり、これからのご成長につながっています。受験を通して学んだ知識はもちろんのこと、目標に向かって真剣に努力したこと、一生懸命考え取り組んだたこと、辛い時も投げ出さず最後まで頑張ったことなどは、今は意識していなくとも、みなさんのなかに確かに形作られているのです。それはいくつもの種となって、いつか必ずや芽を出し枝葉を伸ばします。たくさんの種を携えたみなさんをお迎えし、ともに土壌を開拓し、みなさんの持つ力を最大限に伸ばしていくことを先生たちはとても楽しみにしています。ここまでの道のりには、一番近くにはご家族、そして周りには先生方や友達の存在がいつもあったことでしょう。勉強を頑張ったのは皆さんですが、一人では成し得なかったことを陰で支えてくださる方がいてくださったからこそ、今日の日があるのだということにあらためて思いを寄せてください。

 

さて、山脇学園での生活をスタートされるにあたり、本校のことについて少しお話をしたいと思います。山脇学園は明治36年、1903年に女子實修学校として創立されました。創設者であり初代校長の山脇房子先生は、学問を実際に習得することで、社会の役に立つものを創り出せる学校を目指そうと實修学校と名乗ったのです。つまり本校は、当初から知性と教養を社会貢献につなげられる女性の育成を志して設立されたのです。

「ハートに富士」の校章は、その建学の精神と育てたい女性像を表しています。ハートは「まるく優しい心、相手を受け容れ、平和を願う心」を、富士山は「いつどこから見ても清らかで品格ある姿、徳を備えた人間性と高い志」をさします。

また校歌では、「山脇生はこの校章に恥じないよう、みなで世のため人のために貢献できる人になりましょう」というメッセージが歌われています。今皆さんが着ていらっしゃるワンピースの制服をデザインし、日本で最初の洋装の制服として取り入れたのも房子先生でした。和服姿の女性がほとんどだった時代に、洋装の利便性に目を向け、時代の先端を行くことを恐れずに導入された制服は一世を風靡しました。今もほぼデザインを変えずに、生徒たちが誇りをもって着用しています。

このような建学の精神や房子先生の想いを「不易と流行」に照らし、山脇学園は、「志」を持ち、未来社会で生き生きと活躍できる女性を育成し送り出すことを使命と考え、進化し続けています。本校で「志」とは「自らの決意・目標を持って学ぶ」ことと、それを「人や社会への貢献に活かす」という二つの意味を指します。学んだことを世のため人のために使えてこそ、自分の存在意義を知り、人生に幸せを感じて生きることができると考えているからです。VUCAといわれる、複雑で変化の激しい予測のつかない未来社会にあっても「志」を携え、しなやかに枝葉を伸ばし折れない幹を持つ人を育てたいと考えています。

 

コロナ禍を経て、だれもが自宅でオンラインで授業を受けることができる時代になったことを実感しました。本校も改めて、学校の役割とは何か、学力とは何か、という根幹の視点から捉え直し、カリキュラムや教育内容を見直し、教員も学び続けてまいりました。このたびのご入学にあたり伺ったアンケートで、そのような本校の姿勢を高く評価していただき、志望して下さったことを知り、大変嬉しく思っております。

イングリッシュアイランドやサイエンスアイランド、ラーニングフォレストといった学習エリアでは、アクティブで探究的な学びを、さまざまに行っています。もちろん教室でも、生徒同士が考えたり話し合ったり発表したりする、楽しくて深め合える授業がたくさん繰り広げられています。毎日のすべての教科の授業が、みなさんの頭と心と体を育てます。

中学高校の6年間は、生涯でもっとも心身の成長著しい時期です。皆さんの中にあるたくさんの種にご自身が気づけるよう、学年ごとや学年を越えた様々なチャレンジを用意しています。是非失敗を恐れることなく、自分から手を伸ばしてみてください。本校では自分で走る、と書く「自走」という言葉を大切にしています。何事も受け身ではなく、「自分のためにやる」「自分でよりよいやり方を考える」「自分をマネジメントしていく」という姿勢を求めています。与えてもらうのを待つのではなく、自分から受け取ろうという態度、工夫してみようという発想です。そのように学んだ方が楽しいし、より多くのことを自分の中に蓄えることができます。チャレンジする姿勢と自走する力を身につければ、みなさんの可能性はより無限に広がっていきます。

 

今年度は、山脇学園創立120周年にあたります。生徒による「120周年を祝う会」の企画実行委員が考えてくれたスローガンは「Next Step~今を生き、未来へ紡ぐ この伝統」です。「伝統をつないできた先輩や校舎への感謝の気持ち、120年続く山脇学園にお祝いの気持ち、これからも素晴らしい学園が続くようにという願いの気持ち」が込められています。

ちょうど1カ月前は、高校3年生の卒業式でした。その時の卒業生代表の答辞の一部を、先輩からのメッセージとしてみなさんにご紹介します。

私達はリモート授業や学校行事の規模縮小などに加え、中止、延期と隣り合わせの高校生活を送ってきたためか、大人たちからは度々「かわいそう」と言われます。しかし、本日卒業の節目に立ち、明るい思い出でいっぱいであることに気づきました。卒業アルバムのページをめくるたび、社会情勢の向かい風に屈せず、こんなにも楽しい思い出を私達が協力して笑顔で作れたということにとても心が温まりました。山脇祭や体育祭など学校行事に加えて、日常生活でも一人ひとりがこの状況の中でどうやったら楽しく過ごせるかを考えて実現したことを誇らしく思うと先生方はおっしゃっていました。この先社会でどんなに大変なことがあっても、私たちはここでの成長を胸に、強く乗り越えていきます。後輩の皆さん、頑張っているときに失敗して、自分に自信がなくなることは誰にでも起きると思います。しかし、謙虚に失敗経験から学び、新たな挑戦をし続ければ必ずうまくいくときが来ます。そしてその過程で、絶対にご自身の可能性を過小評価しないでください。素晴らしい将来に向かって日々山脇で努力されている皆様を私達は心から応援しております。」

みなさんには、是非先輩たちの思いを受け継ぎ、120年目からまた、新たな山脇の伝統をつくっていってほしいと思います。

 

さあ、中学校生活の始まりです。広い校舎、様々な学びのエリアで、たくさんの先生、たくさんの先輩たちが、みなさんとお会いできるのを待っています。

今、あなたの周りにいる方々は、今日から共に過ごし、学園生活を共につくっていく仲間です。育ってきた環境や経験は違っても、これから楽しく有意義な学園生活を送りたいという思いは一緒だと思います。山脇学園では、多様な価値観の中で皆が安心を感じ、認め合い、伸びやかに過ごせる場をつくること、自分たちの過ごす場所をより楽しく充実したものにしていこう、という生徒の気持ちを大切にしています。クラス、部活動、委員会、行事などあなたの力が発揮され貢献できる場所もたくさんあります。また仲間がチャレンジし頑張る姿を、応援し合うあたたかな風土があります。そのようななかで、人と一緒に協働しつくりあげる喜びと感動をたくさん味わってください。それは学校でしかできない経験です。多くの卒業生が、山脇の友だちは一生ものだと口を揃えます。素晴らしい体験を共にしながら、みなさんもそんな友だちをたくさん作っていかれることと思います。

 

最後になりましたが、保護者のみなさまに申し上げます。

本日緊張感の中にも、立派なお姿でここにいらっしゃるお嬢様を拝見し、改めて大変うれしく思っております。この度、大切なお嬢様をお預かりすることになり、改めまして身の引き締まる思いがいたします。教職員一同、心を合わせ、お嬢様の教育に全力を傾けてまいります。私どもは、お嬢様が自走して学ぶ力、主体的に進む道を選択し、人生を幸せに生きていく力をつけていけるよう、関わってまいります。ご成長に伴い適切な支援の仕方を考えながら、保護者のみなさまと手を携えていくことこそが、お嬢様の豊かな実りにつながると考えております。どうぞ篤いご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

それでは、新入生の皆さんが心身ともに健やかに、実り多き学園生活を送られることを心より願い、本日の祝辞といたします。

【学級担任紹介】

2023入学式

【校歌紹介】

式の最後に、2階席より合唱部員が校歌を披露しました。

入学式には多くの保護者の方にご臨席いただくことができました。
その2では、在校生からの「歓迎の言葉」、新入生の「誓いの言葉」、式後のHRの様子もご紹介します。