2023年度 1学期始業式を行いました
新学期、学園周辺では様々な植物が花開き、彩りを添えてくれています。
4月7日(金)の1学期始業式は、中学3年生・高校2年生が講堂、その他の学年は自教室へのオンライン中継で行いました。
【講堂】
【自教室】
【学校長式辞】
おはようございます。2023年度(令和5年度)が今日から始まります。
校門で、新しい学年章をつけた皆さんを見ながら、一人ひとりのご成長を改めて感じていました。新しいクラス、新しい友だち、新しい先生とともに、新たなご自分を感じてほしいと思います。
今年度、山脇学園は創立120周年を迎えます。「120周年を祝う会」の企画実行委員メンバーが考えてくれたスローガンは「Next Step~今を生き、未来へ紡ぐ この伝統」です。「伝統をつないできた先輩や校舎への感謝の気持ち、120年続く山脇学園にお祝いの気持ち、これからも素晴らしい学園が続くようにという願いの気持ち」が込められています。今年度はみなさんでこの言葉を胸に、過ごしていきたいですね。行事としては、二つ予定しています。創立記念日の5月1日に予定している「120周年を祝う会」は、今、企画実行委員や有志参加の部などが準備をしてくれています。また山脇祭の3日目にあたる9月18日には、「Home Coming Day」として卒業生である同窓生のみなさんを大勢お招きして、在校生のみなさんを通して山脇学園の「今」を感じていただきたいと思っています。これらのイベントを通して、生徒自身が今の学園を作り、歴史を築いていることを改めて感じていただく一年になることを願っています。
さて、今年度のスタートにあたり、生徒の皆さんに期待することを3点お伝えします。是非山脇生共通の、今年度の目標としてください。心のメモの用意はよいですか。
1.「礼節・協働」2.「チャレンジとアクション」3.「自走・自治」の3点です。
「礼節・協働」は、昨年に引き続きです。もうみなさんは意味については分かっていると思うのですが、実際の人間関係において実践できているでしょうか。様々な場面で、思いが伝わっていなかったり、誰かの不機嫌な言葉や態度が気になったり、考えの違いに悩んだりすることは多いのではないでしょうか。多様な価値観の中で、皆が安心を感じ、認め合い、伸びやかに過ごせる場を創りたいものです。
先日「一人の力は大きい」という話をしました。まずはあなたから行動につなげてほしいと思い、昨年に引き続き「礼節・協働」を目標の一つにしました。具体的な行動や心がけとして、「挨拶」「目と心で話を聴く」「きれいな言葉 伝わる表現」の3つを挙げておきます。シンプルなことばかりですが、これらの実践は、良い人間関係を築き、心地よい場をつくり、互いによいものを受け取り合うことに必ずつながります。幸せな出会いを拓く鍵としていつも携えてください。そして新年度、新たに出会う先生やお友達に、早速、実践してみてください。
二つ目の「チャレンジとアクション」は、何も特別なことではありません。今まで経験したことのないこと、初めてのことに手を伸ばしてみることです。具体的には行事の実行委員に立候補すること、校内で用意している様々なプログラムに参加すること、自分の考えや活動の成果を人の前でプレゼンすること、また校外のコンテストに応募することや、海外交流の機会を求めること、今の自分の学力より一段高いレベルを求め、これまでにないほど学習に打ち込むこと、それらすべてがその人のチャレンジとアクションであり、「My Stage」につながります。
先生たちは、生徒のみなさんの予想を超えた力を見せられ、大きな成長に驚かされ感動させられることがあります。そのような場面は主に二つです。一つは皆さんが自らアクションを起こし、本気で取り組み、ステージに臨む時。もう一つは、その結果を受け止めたあとです。たとえ結果が敗退に終わったり思い通りにいかなかったりしたとしても、そのあとに大きな変容や成長を感じさせてくれるのです。本気で取り組んだプロセスに意味を見出し、価値に変えていくみなさんの力やしなやかさに、先生たちはいつも感動させられます。またそれを応援し称え合い、温かな拍手を送り合うのも、山脇生の素敵なところだと思っています。是非この一年、意識的にご自分がチャレンジするステージを求め、アクションを起こしてみてください。
三つ目は「自走・自治」です。自走は「自分で走る」、自治は「自分で治める」と書きます。私は山脇生の優しさや素直さ、人柄の良さを本当に好ましく思っているのですが、時折「受け身や指示待ちの姿勢」を感じることがあり、もったいないと思うことがあります。「言われたとおりにやる」「やらされる」ではなく、「自分のためにやる」「自分でやり方を考える」「自分をマネジメントしていく」という発想で動く。それが「自走」です。
また、「自治」とは、「自分たちが過ごす場所を、もっと楽しく、もっと豊かに、もっといい集団にするために自分たちでよりよいやり方を考えていく」ことです。先日の職員会議では、山脇祭企画委員長と副委員長が、今年度の山脇祭の企画案や推進状況を先生方にプレゼンしてくれました。山脇祭のスローガンに込めた思いや、様々なやり方の比較検討を踏まえたうえで、現状の思いと意思を明確に伝えてくれました。生徒自治の山脇祭の実現を期待させてくれるもので、大変嬉しく思いました。自分たちが、自分たちの手によって、よりよい方向に切り拓いていく、という気持ちを先生たちは応援します。
とはいうものの、みなさんにはまだ組織を運営するという経験が足りません。やり方がわからないときや、これでいいのか迷うこともあるでしょう。「自走」が「暴走」にならないよう、「自治」が「独断」にならないよう、適切に先生方に報告や相談をし、教えや意見を求める姿勢も大切です。
「礼節・協働」「チャレンジとアクション」「自走・自治」を心がけ、毎日の学園生活を自ら楽しく、成長につながるものにしていってくれることを願い、今年度の目標といたします。
最後に、4月から高校1年生に在籍される留学生の紹介をします。朝校門のところに、ブルーとイエローの国旗が掲示してあったのをご覧になった方もいると思います。
ウクライナからの留学生です。彼女は、ロシアの攻撃を受けるウクライナから、昨年お母様と日本に避難して来られました。この3月、港区立の中学校を卒業され、このたび山脇学園に留学生として在籍することになりました。
ロシアによるウクライナ侵攻は、多くの国々が対話による早期の平和的解決を強く願ってきたにもかかわらず、長期化し被害は深刻化して、その影響は世界中にも及んでいることはご存知の通りです。私たちに何ができるのか、そして未来の国際社会の平和をどのように築けばよいのか、彼女から学ぶことも多いことでしょう。共に彼女の祖国を思い、一日も早い解決を祈りながら、一緒に考えていきたいと思います。そして縁あって過ごす山脇学園が心の故郷になるよう、楽しく温かい日々をつくってあげてください。
また、すでに在籍している留学生3名も高2生となりました。留学期間も残り数か月となりましたが、山脇での生活からたくさんのものを持ちかえってもらえるよう、一緒の日々を大切に過ごしたいと思います。
それでは、120周年を迎える学園で、みなさんがそれぞれ実りの多い一年を送られることを願って、始業式の言葉とします。
【新任紹介】
始業式後は、各クラスでHR。新しい教室での、新しいクラスメイト・担任との時間です。
各学年・クラスで、自己紹介をしたり、委員決めを行ったりして新学年のスタートを切りました。
新年度が始まり、皆わくわくしていることでしょう。
この1年も共にチャレンジを続けていけることを楽しみにしています。