2022年1学期終業式を行いました
7月21日(木)、1学期終業式を中高別、リモートで行いました。
高校終業式では、学校長より「大人のふるまい」についてお話がありました。「礼節」の心を持った先輩としての行動への期待と、高3生には成人のお祝いの言葉も伝えられました。
今回は、中学終業式での「フォロワーシップ」についての学校長の言葉を紹介します。
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中1生、中2生、中3生の皆さん、おはようございます。
今日は皆さんのお顔を見てお話しすることを楽しみにしていたのですが、感染拡大で叶わず残念です。
中学生の皆さん限定のお話になります。画面越しではありますが、どうぞ目と心で聴いていただきたいと思います。
1学期が終わります。4月からの日々はみなさんにとってどのような時間でしたか。昨年、一昨年の1学期を思い起すと、今年の1学期は久しぶりに従来の学園生活が帰ってきたという感じがしました。みなさんが元気で登校する姿や笑顔のあいさつからパワーをもらいながら、それが当たり前の光景になりつつあること、そしてこの3か月半の間にも中1生が学園生活に慣れ、山脇生らしくなっていく姿や、中2生、中3生が日々確実に成長されている姿を、嬉しく拝見していました。
印象的だったのは6月のオープンキャンパスです。たくさんの受験生や保護者の方をお迎えするなか、生徒の皆さんの思いのこもった発表を見ることができました。みなさんのおもてなしの気持ちや、「私たちの練習や準備の成果を見ていただきたい」という皆さんの思いがあふれた一日でした
来場者のアンケートのほとんどに、「生徒のあいさつや気配りが気持ちよく、嬉しかった」という言葉がありました。特に中3生の受付・案内など係のみなさんの対応については、感謝や感動の言葉が多くありました。「質問に優しく丁寧に答えてくれた」「校内で迷っていたら、ご案内しましょうかと生徒さんから声をかけてくれた」「さりげない気づかいに、生徒さんの聡明さを感じた」などなど絶賛でした。
生徒が参加するオープンキャンパスは2年ぶりでした。終日笑顔で頑張っていたみなさんの姿を久しぶりに見ることができただけでも感動でしたが、このようなアンケートで生徒を褒めてもらえたことで、改めて皆さんを誇りに思い、先生たちにとって幸せな一日となりました。
コロナ感染は今また拡大の様相を見せていますが、この2年で培った英知や経験を活かし、感染防止に必要なことは粛々と行いながら、みなさんのあのような輝きを見て頂ける機会を可能な限りもてるよう願っています。
さて今日は「フォロワーシップ」というテーマで話をします。改めてですが、山脇学園は中1生から高3生までが同じ学び舎で学園生活を送っています。1600名もの生徒がさまざまな年齢、考えや価値観と共存しながら、日々一緒に生活している一つの社会です。みなさんにとって学校とは、毎日慣れ親しんだ場所である一方で、それぞれの「プライベート」な場所ではなく共同生活を行う「パブリック」な場所です。
先日の朝礼でもお話しましたが、学園生活は生徒が主体であり、全生徒が会員である生徒会には委員会や部活、行事の実行委員会など様々な組織があります。山脇ではそれらの多くの取り組みが中高一緒なので、大抵のことは高校生がリーダーシップをとってくれ、中学生の皆さんを率いてくれます。中学校だけの学校なら中3生がリーダーの役割を担うわけですが、本校ではそのような場は多くはありません。そのようななかで中学生のみなさんが担える役割がフォロワーシップです。
組織やチームはそれを率いたりまとめたりするリーダーが必要なのですが、実際にはリーダーだけが頑張ってもうまくはいきません。取り組みをしっかりと回し活動の成功へとつなげるためには、その目的に共感し、リーダーを支援するフォロワーシップが不可欠です。フォロワーシップに心掛けるべきことは、リーダーの動きをよく見て学び、自分からできることはないか考え、声をかけたり手伝ったりして「動く」ことです。後輩たちがフォロワーシップを発揮するチームは、先輩たちの力を引き出し、より良い活動をつくり出せる集団に必ずなっていきます。フォロワーシップは、その組織やチームの中で自分が貢献し、主体的に動こうと意識すればだれでも実行できます。その経験は高校生になったときリーダーシップを発揮するうえで、大きな力となるでしょう。またそのような意識は、今皆さんがいるクラスやグループなどで誰かと行う活動の中にも活かされますし、今後の人生のどのような組織やチームの中でも発揮され、豊かな人間関係をつくりだすことにつながります。
さて、今学期は「礼節」がテーマでした。礼節とは、相手のことを大切に思う気持ちを、伝わるように表現する心のことでしたね。これもフォロワーシップに必要な心がけですね。
自分の発した言葉や自分の態度、行動や見た目が、周りの人にどのような影響を及ぼすかを考えること。
みんなのなかで笑顔やプラスの言葉を心がけ、自分から和やかな雰囲気をつくりだすこと。
校内の様々なルールの意味を考え、下級生に美しい姿やあるべきふるまいを示すこと。
これからも大事にしていってほしい心がけです。
またこういった「礼節の心」は、夏季休業中のご家族との関係にも実践できます。
いつもやってもらっていることに気づき、おかげ様の気持ちを表現すること。
自分ができることをすることで、家族を楽にしてあげること。
親しい関係に甘えストレートな感情をぶつけるのではなく、自分の考えを伝わる形で伝えること。
あなたから変わることで、ご家族との時間もきっとより豊かに過ごせると思います。
さて夏休みです。人生に3回しかない中学時代の夏休みのうちの1回です。たっぷりあるあなただけの時間。あなた自身が有意義だったと思えるように使ってほしいと思い、「セルフマネジメント」と「チャレンジ」という二つの言葉を贈ります。
まず目標を立てましょう。そしてそれに基づいて、夏休み全体を自分でスケジューリングし、素敵にデザインしてみてください。自分で自分の毎日をセルフマネジメントするのです。学習も同じです。宿題や課題をこなそう、とにかく終わらせよう、というマインドは外しましょう。取り組むことで自分の得意を伸ばし、足りないことを補うことが目的です。自分にプラスになる学習をどのくらいどのように行えばよいか、しっかり考えマネジメントして取り組んでください。
そして、夏休みのマネジメントに、あなただけの「チャレンジ」を何か一つ入れてください。できれば、あなたの中にある種を開拓し、伸ばせるようなチャレンジです。得意なことのコンクールに応募してもよいし、何か作品を仕上げてもよいと思います。調べたかったことをとことん調べてもよいし、ほんものの自然や一流の芸術に触れるのもよいと思います。それらのチャレンジはきっと、様々な世界を知り、新たな人と出会い、あなたの枠を広げ、あなたの志の発見につながるはずです。
すべてのみなさんにとって、取り組んだことに「意味があった」とご自身が思える夏休みになりますように。
どうぞ、お元気で。
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校長先生や担任の先生のお話を受けとめて、一人ひとりが2022年チャレンジの夏を過ごしてくれることでしょう。
9月に、心身ともに成長した山脇生に会えることを楽しみにしています。