3学期高校始業式を行いました
中学始業式後、高校始業式を行いました。
高校3・1年生は講堂、2年生には自教室へオンライン配信で実施しました。
学校長より、高校3学年それぞれに向けた言葉が送られました。
高校始業式の学校長式辞をご紹介します。
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2023年、令和5年が明けました。みなさん、良い年を迎えることができたでしょうか。今日は、高校の2学年のみなさんと対面でお話できることを嬉しく思います。凛として式に臨むみなさんの姿はとても素敵です。動画で繋がっている高2の皆さんにも心を向けてお話したいと思います。
さて、3学期です。いわゆる「年度のしめくくり」の時期ですが、私は高校生にとってはそれぞれの「スタート」でもあると考えています。今日は各学年のスタートについて考えてみたいと思います。
高2生が引退し、新体制の運営をスタートさせた部活動も多いかと思います。高1生のみなさんは、引き継ぎを受け、いよいよ自分たちが部活を率いていくのだ、という緊張感もあるのではないでしょうか。改めてではありますが、ここで山脇学園の部活動の「意義と目的」をお伝えしておきます。今さら、と思わずに、是非心にとめて、組織運営と後輩育成にあたってください。
〇生徒が、学年を越えたつながりの中で人間関係を構築し、部員同士が主体的に活動する組織を円滑に運営すること、またその一員として貢献することを学ぶ場とする。
○生徒が、好きなことに打ち込み、技術の習得や校内外での発表・成果を目指しながら、仲間と共に目標達成に向かって自らを成長させる場とする。
学校という小さな社会で、生徒会や部活、行事などを率いる高校生にとっては「組織」を運営する役割を担う立場になります。それは「自分のため」ではなく「チームが目的を果たすため」に働くことを学ぶことです。計画を立てて動くこと、役割を果たすこと、メンバーの多様な意見や価値観を受け容れること、自分の意見もきちんと発信すること、先生やメンバー同士の「報連相」の大切さ。組織を運営するということはまさに、一人ひとりの礼節と協働力が求められることを痛感することでしょう。そして、自分たちが責任ある立場になったときに初めて、後輩だった時には気づかなかった、先輩の苦労や悩みに気が付くことでしょう。それらすべてから学び取ることができたなら、人間としての成長、社会での活躍に必ずつながります。
そのような立場を担っていくみなさんにエールを送ります。良い組織をつくり、目指す活動をつくっていってください。あなたがたに笑顔で声をかけてくれた先輩、言葉や振る舞いが素敵だった先輩、リーダーシップを発揮していた先輩、見えないところでフォローしてくれていた先輩、自分から挨拶してくれたり下級生の声を聴いてくれたりした先輩など、みなさんが憧れた先輩になれるよう努力してください。そして先輩から引き継いだ良いものを継承しつつ、新たなチャレンジによって、よりよく進化させていってくれることを期待しています。
高2生のみなさん。これまで学園の行事や部活で中心となり運営してきた部分を、高1にバトンを渡し、本格的な受験勉強のスタートに舵を切ったところかと思います。この冬休みも合宿や講習など、それぞれが目標を定め、自分にとって必要な学習に取り組んだことでしょう。これからはセルフマネジメントのもと、自分の力で走り続ける、すなわち自走する力がとても大切になります。ただやみくもに走るのではなく、目標に照らして、自分に今必要なことを見極め、スモールステップで進み、振り返ることを繰り返すことが、結果的には着実に力をつけることになると思います。
私は、受験というのは、人間性を育む、人生における大切な機会だと考えています。勉強を通して自分と向き合い、目標に向かって本気で努力する経験を積み、時には壁にぶつかったり孤独を味わったりする一方で、その乗り越え方や、仲間や支えてくれる存在を知った日々を、私も今も忘れることはありません。本気で取り組んだすべての経験が、みなさんの人間性を深くしていきます。
そしてみなさんがこれまで部活や行事で見せてきた先輩としての姿を、これからは後輩に、真摯に学ぶ姿として示していけるのではないでしょうか。放課後、SSIなどで集中して学んでいるみなさんの姿はとても美しく、そんな先輩たちの後ろ姿を見ながら後輩たちも学んでいくのだと思います。
長丁場の一年になります。疲れたな、心が乾いてきたな、と思ったら「心が動くこと・潤うこと」を自分に与えてあげましょう。私のおすすめは人間の表現活動やすぐれた芸術にふれること。例えば音楽・絵画・映画・演劇などを鑑賞することです。できれば生で、圧倒的な人間のパフォーマンスに一時浸れるといいですね。感動することは、心身の細胞の一つ一つに潤いをしみこませ、生き返る感覚をもたらしてくれます。そしてまた頑張ろうと思う気持ちが生まれます。是非あなたのリフレッシュ方法を見つけながら、時には自分を俯瞰するゆとりをもって、進んでください。
最後に高3生のみなさん、「ステージ本番」のスタートです。
まずは心身の健康を自分でしっかり管理してください。本番は胸を張って堂々と、強い気持ちで臨みましょう。粘り強く、諦めず、やってきたことを悔いなく出し切っていらっしゃい。結果をしなやかに受け止めながら、自分で自分をよい状況にもっていけるように。
先生たちは、一人ひとりのステージで力が出し切れるよう、袖から見送り、思いを馳せ、祈っています。何かの時には、私たちが舞台裏にいることを忘れずに。あなたがたが「やりきった」という清々しい顔で帰ってくるのを待ちながら、旅立ちの準備を整えておきます。
では、一人ひとりが目標に向かいスタートできる3学期でありますよう、そして大きな成長を遂げられる一年でありますよう祈り、今日の式辞といたします。
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気温は低いですが、校庭にはたくさんの日差しが届き、空気が澄んでいます。
屋外実験場では、寒い中花を咲かせている植物も見られました。
3学期も、実り多い時間となりますように。