3学期中学始業式を行いました
1月10日(火)、3学期始業式を行いました。
中学3・2年生は講堂で、1年生は自教室にてオンラインで式に臨みました。
式では、学校長より目標を立てることや学年最後の行事となる合唱祭に向けてお話がありました。
中学始業式の学校長式辞をご紹介します。
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2023年、令和5年が明けました。みなさん、良い年を迎えることができたでしょうか。今日は、中学の2学年のみなさんと対面でお話できることを嬉しく思います。中継で繋がっている中1の皆さんには心を向けてお話したいと思います。
新年にあたっては「目標を立てる」ということを奨励しています。「目標」は自分への宣言であり、つい甘くなりがちな自分を律し向上させる力になります。現在の自分と未来の自分と真摯に向き合うことにもなります。何かを成し遂げる人は、必ず目標を立てている、ということで、昨年の式辞では目標の立て方のポイントを5つ紹介しました。中2・中3の皆さん、覚えているでしょうか。
1,ほどよい大きさであること
期限の中で自分の努力次第でかなえられそうな、モチベーションにつながる目標
2,具体的な成果がわかること
〇〇を頑張る、といった精神的なものでなく、達成できたかどうかが計量できる目標
3,行動につながること
日々思うだけでなく、自分が具体的に行動することによって成果が得られる目標
4,期限が設定されていること
逆算して、いつまでに何をどれだけやれば達成できるかが適切に設定されている目標
5,なっていたい自分が先にあること
達成した自分が、成長できた自分や、なりたい自分につながっている目標
このようなポイントに基づき、目標を立てたら、手帳に書き留めておくとよいですね。私も3つの目標を書きました。見るたびに自分の立ち位置を確認しながら、できるだけ楽しく努力していきたいと考えています。
さて、3学期のスタートです。3学期は正味2か月余りの短い期間ですが、一年間の締めくくりの大事なタームです。この締めくくりを意識して取り組む行事として、中学には「合唱祭」があります。
合唱祭は1965年から本校で行われ、今年で第54回目を迎えます。半世紀以上にわたって、毎年行われてきた伝統行事ですが、たった一度だけ行えなかった年、それが一昨年度でした。歌声の失われた授業のなか、それでも生徒たちは実施を諦めず準備していましたが、コロナ禍の様々な行動制限の中、中止せざるを得ませんでした。昨年度は、各クラスが講堂で歌ったものを録画して配信するかたちで実施しました。一人ひとりがiPadで音取りをし、壁に向かって歌って練習していた姿は切ない光景でしたが、本番の講堂での録画撮りでは、どの学年・クラスも一発でしっかりしたハーモニーを聴かせてくれました。
今年度は、表現活動の行動制限がなくなり、授業でもみなさんの歌声が戻っています。感染拡大の状況を見ながらも、できる限り対面で互いの演奏を聴き合えたらと考えています。コロナを乗り越えて復活する合唱祭、伝える相手が目の前にいてくれる3年ぶりの伝統の合唱祭を、ぜひ実現したいですね。また合唱祭は、本校の学校行事では唯一、中学だけの行事であり、中学3年生が最上級生として行事を取り仕切る行事でもあります。中3生には是非最高学年という気概を持って、後輩たちに新たな伝統を残していってくれることを期待しています。
合唱祭の目標は一言で言えば、「表現力」と「協働力」を発揮してみんなでハーモニーを創り上げることです。歌というのは、言葉にメロディーがついている、という点で、人間同士が思いを伝え合える最強の表現、だと私は考えています。合唱はそこにハーモニーをつけて、みんなで一緒に歌うのですから、伝えられる表現幅やエネルギーの大きさはさらに何倍にもなります。
約30年間音楽の教員として合唱祭に携わってきたなかで、生徒たちの歌が劇的に変わるミラクルな瞬間に何度も立ち会ってきました。それは「自分たちが伝えたいものが心に落ちた時」です。例えば歌詞を読んで、「あるワンシーンがどういう場面か、その人がどういう気持ちだったのか」を皆が理解したとき、「何故楽譜のここに、この記号があるのか、ここの休符で作曲者は何を表現したいのか」など楽譜の表現を皆が意識したときなど「ああ、そういうことか」となったときです。「歌詞を自分ごとにできた時」「目指す声のイメージが揃った時」「それをみんなで共有できた時」、つまり「伝えたいことが心に落ちた時」に、みなさんのこれまでの表現を超える瞬間が訪れるのです。そのような経験をしたクラスは本番でも、自分たちの思いを届けることに集中し、その合唱は聴く人の胸を打ちます。
これはみなさんのあらゆる表現や発表の機会に応用できるのではないでしょうか。「伝えたいものがなければ伝わらない」でも「本当に伝えたいものができたとき、その表現は人の心を動かす」のです。授業や部活や行事、あらゆるステージに臨む心構えになると思います。
合唱祭は、そのクラスが最後に「協働力」を発揮する行事です。みんなで一つのことをつくりあげるのは楽しくもあり苦労もあります。曲を選ぶのにも様々な意見や好みがあり、意見が割れたクラスもあったことでしょう。練習をどのくらいどのように行うかなど、これからのクラスの取り組みについても様々な意見があるでしょう。時にはみんなで話し合ったり、知恵を出し合ったりするプロセスが必要になります。でも、そのプロセスを是非みんなで楽しんでほしいなあと思います。クラスでいい合唱をつくる、という最上位目標に対し、リーダーシップ、フォロワーシップをどう発揮したらよいか、私はどのような立場で、どのように貢献するか、を一人ひとりが自分事として考えてください。そしてこれらを通して、自分自身が何を学び取り成長につなげるかということを、是非意識してみてください。
合唱祭はいつも、山脇生の豊かな感性とポテンシャルの高さを感じさせてくれます。今年の各学年・各クラスの曲目を見せて頂いたら、どれも素敵な曲ばかりでした。各クラスがどんなハーモニーを響かせ、想いを伝えてくれるのか、1か月後の本番のステージをとても楽しみにしています。
皆さん一人ひとりの目標に基づき、学習面もその他の活動においても、よい今年度の締めくくりとなる3学期であることを願い、今日の式辞とします。
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終業式・HR後は、大掃除を行いました。