2022年度2学期始業式を行いました

2022年9月1日

9月1日(木)、2学期始業式を中高合同、リモートで行いました。

学校長より、2学期の行動目標である「協働力」についてお話ししました。高3生にはそれぞれの志の実現に向けた激励の言葉も送られました。

また、2学期から本校に迎える留学生の紹介後、本人からも流暢な日本語での挨拶がありました。今学期は3ヶ国から3名の留学生を迎えます。多様な文化・価値観に触れ、互いに多くを学んでほしいと思います。

以下、始業式での学校長の式辞をご紹介します。

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みなさん、おはようございます。

今朝の校門での皆さんの笑顔や挨拶に、2学期もがんばろうというパワーをいただきました。

3年ぶりに行動制限のない夏休みでした。ずっと行けなかった場所に行くことができた人、なかなか会えなかった方に久しぶりに会えた人もいたことでしょう。また、日ごろできないことにチャレンジし、新たな出会いや自分の枠を広げる経験をした人もいます。生徒の皆さんのさまざまなチャレンジの報告を聴いており、嬉しく思っています。

あなたのこの夏のキーワードはなんでしょうか。頑張ったこと、学んだこと、訪れた場所、素敵だった景色、会った人、心に残った言葉、観た映画、読んだ本、などなど、是非手帳に書き留めておいてください。思い出は時間が経つと薄れてしまうものですが、あとからそれらのキーワードを見たときに、その夏を思い出せたり、成長した自分を感じられたりできると思います。

さて、1学期は学校生活目標として「礼節を行動に」をテーマとして意識してもらいました。2学期のテーマをお伝えします。「協働力」です。協力して働く、と書いて協働力です。2学期は山脇祭・体育祭といった、学校をあげての大きな行事が行われます。これまでに出会い、交友を深めた仲間や先輩後輩たちと共に力を合わせ、発表や披露をする場です。

よく「行事に参加する」といいますが、私は、行事は「参加する」のではなく、「つくりあげる」ものである、と考えています。みんなでなにかをつくりあげようとする時に、必要不可欠なのが「協働力」です。

その年に行われる行事は、その年そこに居る生徒の皆さんがつくる唯一無二のものです。行事は形には残りません。共有するのは時間です。行事は当日だけのものでもありません。そこまでの準備の時間も含めて行事です。どれだけみんなで考え、一緒に創り上げる過程を楽しめるかで、一人では到底できない大きなものを披露し、見ていただくときの喜びや感動も大きいものになります。準備も本番も頑張る山脇生を見ていると、みなそのことをよく知っているのだなあと感じます。

一方、関わる人が多くなればなるほど、それをつくりあげる難易度はあがり、みんなの異なる考えや価値観をどうまとめ、どうかたちにするかが問われます。

 

ではどのように「協働力」を発揮すればよいのでしょうか。

まずは、みんな違うのは想定内であることを受け止めましょう。いろんな意見があっていい、いろんなやり方があっていい、〇か×かではないのです。大切なのは、その違いの中で目線を揃え、現状での最適解を目指し、メンバーが最大限のパフォーマンスを発揮することです。行事に限らず、クラスや部活など、みなさんはさまざまなチームに所属し、メンバー同士が関わりあって生活しています。一人ひとりがチームに貢献しようとする気持ちが「協働力」です。そのためのポイントを、今日は3つ紹介します。よかったら頭の中にメモして役立ててください。

<1>「目標」に立ち返る

これでいいのか迷ったときは、その行事やチームの目標を思い出しましょう。

今行こうとしている方向は、目標とぶれていないでしょうか。そして目標達成のために、自分は今、なにをすればよいでしょうか。

<2>リーダーシップとフォロワーシップ

何をやるにもリーダーは必要です。リーダーは目標達成のために責任を持ち、意見を聴き、判断する人です。でもリーダーだけでは何もできません。リーダーを支えつつ、提案したり行動したりするフォロワーシップがあってこそ、チームは成果を生み出します。改めてこの言葉の意味を調べてみてください。自分は所属しているチームの中で、今、どちらの立場で、仕事をしているでしょうか。人のせいにせず、自分が果たすべき役割を果たしているでしょうか。

<3>対話と礼節

気持ちを伝えたり、大切なことを共有したりするには、対話が必要です。今はメールやクラスルームなどで「連絡」は簡単に出来るようになりました。でもこればかりに頼ると、誤解やすれ違いも多発します。会って話さなければ伝わらないことがあります。時間を見つけて対話をしてください。その際には、「礼節」を思い出してください。親しさや忙しさに甘えて感謝を忘れていないでしょうか。相手の立場や思いを受け止めたうえで、自分の意見を伝わるように表現しているでしょうか。

「目標に立ち返る」「リーダーシップとフォロワーシップ」「対話と礼節」上手くいかない、と感じたらこの3つを思い出してみてください。あなたが変わることで、チームは必ず変わります。

夏休み中もそれぞれの行事の実行委員さんたちが、一生懸命動き、準備を進めていました。その思いが山脇生全員に共有され、結実することを願います。

さて、9月から本校に3名の留学生をお招きします。ご出身はブラジル、ドイツ、スウェーデンで、留学期間は約1年間となります。長く祖国を離れて日本で学ぶことを志し、縁あって山脇学園で青春時代の日々を過ごされることになります。いずれも高校1年生に在籍しますが、是非全校で歓迎し、応援し、山脇での日々を楽しく充実したものにしてもらいたいですね。そして私たちも、留学生の方々から多くのものを受け取り、学ばせてもらいましょう。

最後に、高3生の皆さん、高校生の夏が終わりました。残された日々を「もうこれしかない」と思うか「まだこれだけある」と思うか。私は「ここから」と言いたいと思います。

皆さんは毎日着実に昨日より今日、今日より明日、高みに登っています。登っている時は苦しいし、足元しか見えない、でもある日、見える景色が以前よりもずっと広がっていることに気づき、自分が登ってきた道のりを誇れる時が来ます。気負うことも、人と比べることもありません。ここからも粛々と、目的地を見据え歩みを進めましょう。時に孤独を感じることもあるでしょう。でも、決して一人きりで歩いているわけではないことを、みなさんは知っているはずです。

みなさんにとって最後の体育祭は、3年ぶりの6学年合同となります。高3生として6年間を振り返り、友と培ってきた協働力を発揮して、山脇の行事の伝統を後輩たちに残していってくれることを期待しています。

では、すべての山脇生にとって飛躍の2学期となりますよう祈って、始業の言葉とします。

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屋外実験場では、7月に植えた稲の苗がすくすくと育っています。

20222学期始業式
屋外実験場水田

 

20222学期始業式
屋外実験場ひょうたん

 

20222学期始業式
放課後の校庭

今学期も実りの多い時間となりますように。