山脇学園中学校入学式 Vol.1

2020年5月9日

5月9日(土)山脇学園中学校の入学式を、インターネットを利用して実施しました。

開会の前に、YAMAWAKIホールで4月22日から行っている「オンライン朝礼」にて出席点検をし、入学式への気持ちを整えました。

開会の辞、国歌演奏に続いて、担任より一人ずつ呼名。
画面越しにワンピース(第一制服)を着た皆さんの姿を見て、「はい。よろしくお願いします。」という清々しい元気な声を聞くことができて本当に嬉しく思いました。
がらんとしたホールではありましたが、新入生の皆さんやその姿を見守っている保護者の方々を感じ、温かな雰囲気に包まれました。

【入学許可】

 

【山脇学園中学校入学式式辞】

本日2020年度山脇学園中学校入学式を挙行いたします。

このようにオンラインでの入学式は今まで経験したことがありません。いつまで休校措置が続くのか、はっきりしないのでは、新入生の皆様さんの気持ちの整理もできないのではないかと思い、今日を一つの区切りにしようと考えました。区切りを設けるのは大事だと思うからです。

ただいま入学を許可いたしました268名の新入生のみなさん、入学おめでとうございます。

厳しい入学試験に合格し、晴れて本校の生徒となられた皆さんを、山脇学園は心から歓迎いたします。また、保護者の皆様、これまで慈しみ育てられた皆様のご苦労を思い、お嬢様のご入学を心よりお祝い申し上げます。おめでとうございます。私ども教職員一同、お嬢様をお預かりして、最善をつくしてまいる所存です。

さて、山脇学園は、明治36(1903)年に創立され、今年で117年目を迎えます。その間、関東大震災や第2次世界大戦などがあり、山脇学園もそうした歴史の波にもまれて大変な苦労があったと聞いています。戦争中は在校生に対して勤労動員などがあり、勉強することができませんでした。生徒に勉強をさせるのではなく、生徒を労働力として使ったのです。男性の先生には召集令状が届き、次々と戦場に駆り出され、先生の数が足りなくなっていきました。終戦間近の時には空襲があり、この同じ場所にあった校舎の3分の一が焼けたと言います。教育の場そのものが崩壊したのです。
それらを乗り越えて今の山脇があるのです。

皆さんは今、勉強すること自体に大変な苦労をしていると思います。でもちょっと世界に目を向けて見ましょう。ユニセフの報告では、5歳から17歳の、学校に行かなければならない子供たちの5人に一人、約3億300万人が教育を受けられない状態にあると言うのです。日本の全人口の3倍弱の多さです。その原因としては、紛争、貧困、自然災害、宗教などが挙げられています。最も多い理由が貧困です。また、紛争があってそこを追われて難民になってしまうと、子供の教育は二の次になってしまいます。世界には教育を受けたくても受けられない多くの子供たちがいることを忘れてはなりません。

新型コロナウイルス感染症という事態を受けて、そのような様々な事を考えます。今言った世界の中での、私たちが置かれている環境はどういうものであるかを考えたのも、その一つです。普通に教育を受けられることのありがたさを実感しています。
ではなぜ私たちは勉強をしなければならないのでしょうか。そんな根本的な疑問さえも浮かびます。
山脇学園の初代校長山脇房子先生は、ご自分の著作の中で、「徳の高い人になりなさい」と言っています。
これについて少し説明します。今皆さんがつけている校章を見てください。ハートの中に富士山がかたどられています。この校章も房子先生が考えられたものですが、その説明は次のようになされています。

「秀峰三姿」と言い、秀でた峰の三つの姿と書きます。もちろんそれは富士山の事を言っています。
一つ目として、「富士山は、何時どこから見ても姿が変わりません。いつも同じような形をしています。このように人も、いつも同じ態度をしているように心がけたいものです」と。どのような時にも、平常心を保つことの重要さを言っています。今の状況にもつながる心がけでしょう。
二つ目、「富士山は始終白雪をいただいております。いかにも清らかな、穢れのない姿をしています。私どももまた、心に穢れを持たず、偽りのない日を過ごしたいものであります」。文字通り穢れのない心の大事さです。

三つ目、「富士は火山の一つでありますが、表面は非常におだやかに平和の姿をしています。」「腹が立って胸はいっぱいになっていても、静かにこれを抑える克己心を養いたいものであります」。これは、感情を抑える克己心とおだやかで平和を求める姿が大事だと述べています。
そして、「徳を磨き、徳を積んで、徳の高い人になることは、自分の心がけ一つでできるのであります」とまとめています。
言い表すことが難しいのですが、大きな意味で勉強をすることは、徳の高い人になる為に必要であり、それは能力や才能などに関わらないというのです。この、誰でも心がけ一つでできるという点が房子先生の言いたいことであったろうと推察します。徳の高い人になって、いい人生を過ごしてほしいのです。

山脇学園の教育目標は、房子先生の言葉だけではなく、新しい言葉として掲げました。それは入学してから追々お知らせすることにしておきます。
私たちは、新型コロナウイルス感染症の流行を前にして、様々な行動をとります。こうした未知の出来事に対し、気を付けなければならない点があります。この感染症には、社会的に三つの顔があると言われています。

それは、「負のスパイラル」といわれるもので、一つ目、病気そのものへの不安。二つ目、感染するのではないかという不安、三つ目、それに起因する差別です。病気への恐れは当然だと思います。死ぬかもしれないのですから。また、感染への不安もよくわかります。ただ、それに起因する差別は、みなさんの心持一つでなくすことができるのです。スカイツリータワーを青くライトアップして、医療従事者への連帯の気持ちを表したり、病院関係者に無料でお弁当を配ったりして、そうした人々を勇気づける行為をニュースなどで見ると、とても嬉しくなります。むやみに人を貶めたり、攻撃したりすることはしてはいけません。徳の高い人になりましょう。

最後になりましたが、保護者の皆様に申し上げます。この度、大切なお嬢様方を本学園がお預かりすることになり、教職員一同、この重い責任を全うするために全力を傾けてまいります。新入生の皆さんが心身ともに健やかに、有意義な学園生活を送られることを願い、式辞といたします。

2020年5月9日
校長 山崎 元男

この後、在校生歓迎の言葉、新入生誓いの言葉、担任団紹介、校歌斉唱と式は続いていきます。

続きは、vol.2でご紹介します。