3/9(土) 第71回卒業式を挙行しました Vol.1

2019年3月11日

春らしく清々しい晴天のもと、第71回卒業式を挙行いたしました。少し大きめの制服に袖を通した中学入学式から早6年、大きくたくましく成長した姿で今日を迎えることができました。

2018年度卒業式
正門
2018年度卒業式
卒業生入場

校長先生から「おめでとう」と声をかけていただきながら、一人一人卒業証書を受け取りました。

 

 

2018年度卒業式
学校長式辞

 

山脇学園第71回卒業式式辞

平成31年3月9日
校長 山﨑 元男

 本日、山脇学園第71回卒業式を挙行するに当たり、山脇恭理事長先生はじめご来賓の皆様やたくさんの保護者の方々のご臨席を賜り、まことにありがとうございます。
卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。学校を代表して心よりお祝いを申し述べます。

ただいま238名の生徒に卒業証書を手渡しました。生徒一人ひとりの胸にどのような思いが去来しているでしょうか。人生の大きな節目の一つである今日のこの日の思いを大切にしていってください。

一方、それぞれのお子様をこれまで育ててこられた保護者の皆様、本日はまことにおめでとうございます。お子様たちの成長を、ともに喜びたいと思います。おめでとうございます。

今日のこの節目の日を迎え、少し振り返ってみますと、皆さんは平成12年、あるいは13年生まれですね。西暦だと2000年、または2001年になります。ちょうど境界の年に当たっています。皆さんの中には、もしかして100歳を超えて、3世紀を生きる人が出てくるのではないでしょうか。平均寿命の延びを考えるとそれも十分に可能なのです。
この18年の間には、世界を揺るがす大きな事件、災害が起こりました。2001年9月11日に起きたニューヨークのテロ事件。この事件のあと、世界の情勢は大きく様変わりを遂げたのです。また、2011年3月11日には東日本大震災が起こりました。本校でもたくさんの生徒が帰れずに、泊まったということを聞きました。皆さんは10歳くらいでしょうか。覚えていますか?明後日で8年を迎えます。
この大震災は地震だけではなく、津波でも多くの犠牲者を出し、さらには福島の原子力発電所の事故というとてつもなく大きな災害を生み出しました。地震のあと、福島の漁師の方が、「地震の被害だけなら港が回復すれば、漁に出られるのに、原発事故のせいで、何もできない」とインタビューに答えていたのが鮮明に心に残っています。ニューヨークのテロ事件は記憶にないので、それはもうあなた方にとっては歴史上の事柄に過ぎません。しかし、福島の原発事故は、その被害に苦しみ、復興の道半ばにいる人々を目の前にしている限り、生々しい現実であるはずです。でも、私たちはその現実を目の当たりにして、何もできない無力さも感じているのではないでしょうか。

「絆」という言葉が一時期大きく喧伝されました。被災地、被災者との絆を持つことが必要だというように。まもなく8年が経とうとしている今、その絆はまだちゃんと機能しているのだろうかと思うと少し後ろめたい気持ちにもなるかもしれません。後ろめたさとともに、一方でそれでいいんだとも思います。

「絆」は、福島のような被災地、被災者との関係だけではありません。ごく身近な友人や家族や親子、あるいはもっと範囲の広い社会との関係性をも表現できます。絆を持つということを親子関係や友人関係で考えると分かりやすくなるかもしれません。その結びつき方をロープで例えるなら、ぴんと張った硬質なイメージではなく、ゆったりと下向きにたれているイメージでしょうか。硬く張り詰めた関係ではお互いに疲れてしまいます。緊張関係にあるとそれは長続きしません。そこで、お互いの間を結んでいるものはあるにしても、それはゆったりとしたロープのようで、いつもは下向きにたれている。それが理想的なあり様だと思うのです。

必要な時にはどちらかがそれをわずかに引っ張って、相手に自分のほうに来てもらう、あるいはロープを手繰りつつ、先方に近づいていく。そうしなくとも、相手がそこにいることを、ロープで結ばれていることによってではなく、眼で確かめる。そのような絆の結び方が無理なく、かつ束縛感を感じないで済むようになるのです。 また、どちらかが岩場に立っているような緊急の時、片方が足を滑らせるとすれば、彼を支えるために、もう片方が、ある余裕を持って自分の足場を確保することができる。それを私は「ゆるやかな絆」と呼んでいます。

そうしたあり様が理想的だというのは、実際に行おうとすると結構難しいからですが、双方にゆとり、余裕が必要です。
「ゆるやかな絆」という考えは、福島との関係でも言えて、常にぴんと張り詰めた関係でではなく、お互いが必要と認めたときに、必要な手を差し伸べることで続けていければそれでいいのではないかと思うのです。この「ゆるやかな絆」という考えは、これから皆さんが社会に出たとき、生きるうえでの余裕をもたらしてくれる考えとして、大事だと思い、紹介しました。
ご卒業おめでとうございます。

 

2018年度卒業式
答辞

<<答辞>>

やわらかな日差しが心地よく、春の訪れを感じるこの佳き日に、私たちのためにこのような盛大で素晴らしい卒業式を挙行してくださいましたことを、心より感謝申し上げます。

伝統ある制服に袖を通し、期待と不安に胸を膨らませて臨んだ入学式からはや六年が経ちました。慣れないことが多く、入学当初は戸惑うこともたくさんありましたが、先生方や先輩方のご指導のおかげで、今日という日を迎えることができました。

思い起こせば、この六年間の学園生活で、たくさんの思い出を皆で作ってきました。合唱祭や山脇祭では意見がまとまらずぶつかることもありましたが、友人たちと団結し、互いに高め合えたことで、大きな達成感を得ることができ、とてもよい経験となりました。

また、夏季学校や修学旅行、体育祭などの多くの行事では、仲間と協力して、一所懸命取り組んできました。泣いたことも笑ったことも、今ではどれも大切な宝物となっています。特に、最後の体育祭での「ペルシャの市場」プロムナードで「志」という人文字を皆で作り上げたことは、何にも代え難く、忘れ難い思い出となっています。この「志」という文字には、「全員が高い志を持ち、目標に向かって努力する」という意味が込められています。今日、私たちはそれぞれの思いを胸に、さらなる高みを目指し、各々が輝ける場所に向かって、別々の道に進みます。

在校生の皆さん、今日この長い歴史を持つ山脇学園を皆さんに託します。新しい取り組みも増え、皆さんにとってより楽しく、充実した学園生活を送ることができると思いますが、先輩方が代々受け継ぎ、私たちに残してくださった伝統を引き継ぐとともに、後輩に伝えていってください。

私たちはこれから、新しい道をそれぞれ歩み始めます。大きな壁にぶつかり、悩んだり苦しんだりする時もあると思いますが、山脇学園が母校であることを誇りにし、六年間の学園で学んだ精神と、これからも変わることのない友情を糧として、乗り越えていきたいと思います。

ここで改めて、今日までお世話になった先生方、ご来賓の皆さま、在校生の皆さんに感謝申し上げます。また、私たちのことを一番近くで支え、今日まで育ててくれた家族にも、感謝の気持ちを伝えたいと思います。迷惑をかけることも多々あると思いますが、これからも温かく見守ってください、

最後になりますが、今後の皆様のご健勝とますますの発展を祈念し、答辞とさせていただきます。

                                平成三十一年 三月九日
山脇学園高等学校第七十一回 総代

2018年度卒業式
送別の歌

 

2018年度卒業式
感謝の歌
2018年度卒業式
卒業生退場