山脇学園高等学校卒業式 Vol.1

2018年3月16日

3月10日(土)、山脇学園高等学校第70回卒業式を行いました。

2017卒業式

2017卒業式

 山﨑元男学校長より、一人ひとりに卒業証書が手渡されました。

【学校長式辞】

2017卒業式

 本日、山脇学園第70回卒業式を挙行するに当たり、山脇恭理事長先生はじめご来賓の皆様やたくさんの保護者の方々のご臨席を賜り、まことにありがとうございます。
 卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。学校を代表して心よりお祝いを申し述べます。
 私は昨年4月に着任した関係上、皆さんとは1年にも満たないお付き合いでした。それでも廊下であいさつを交わしたり、校庭などでちょっとした会話をしたりした思い出は残っています。特に山脇祭での「ペルシャの市場」のダンスは、なぜか理由もわからないまま、とても感銘を受けました。私の好きな言葉は「まじめさ」「誠実さ」「ひたむきさ」などですが、考えてみると、それらのすべてがあのダンスには込められていたからなのでしょう。また「闇ペル」と言われる夜の再演では、都会の高層ビルの窓から漏れる明かりと、教室の全照明によって照らされる皆さんの姿は、幻想的でさえありました。それを囲む全教員のシルエットも山脇の一体感を感じさせてくれました。それらに象徴される、この山脇での6年間を大事にしてください。

 高校を卒業するということは、皆さんにとって人生の大きな節目になります。社会学の言葉でいえば、「通過儀礼」の一つということができます。これから大学に入り、社会人になるその出発点でもあります。同時に今までとは大きく違う環境に踏み込んでいくことを意味しています。その環境とは、残念ながらいろいろなところに男女差が残っていて、女性にとってはまだまだ十全なものではないのです。
 アメリカのハーバード大学の学長に、2007年ドリュー・ファウスト博士が付きました。ハーバード大学初の女性学長です。彼女は学長指名後の記者会見で「私の学長選任は1世代前でも考えられなかった女性の機会拡大を象徴している」と述べ、男女の機会均等が進んでいることを称賛しました。でもその一方で、「私はハーバードの女性学長ではなく、ハーバードの学長です」ともコメントしています。女性であることがことさらに強調される風潮に警告を発したということです。実はファウスト博士、初の女性学長というだけでなく、「ハーバード大学卒でもなく、ハーバードに在籍したこともない学長」でした。それはハーバードの歴史の中で、335年ぶりの事柄でもあったのです。こちらの方は、初の女性学長というトピックの陰に隠れて、あまり光が当たりませんでしたが、これはこれで特筆に値する快挙でありました。

 山脇学園は「女性のリーダーの育成」を教育理念に掲げています。ファウスト博士のような「世界で最も影響力のある100人」の一人に選ばれなくとも、社会のあらゆるところで「リーダーシップ」を発揮する場はあります。多様化、複雑化する社会の中で現在最も声高に求められているのが、混とんとする時代を担うリーダーの存在なのです。でもそのリーダーシップの考え方そのものが変わってきているのです。
 50年前では、一人のリーダーがどんな行動をとっていたか、その結果十分な利益なり、便益を生み出していたかが評価の基準でした。でも今ではリーダーは一人とは限らないし、行動だけで評価するのではなく、行動の道筋を重視するようになってきています。「分散型リーダーシップ」という考え方があります。これは、仕事を遂行するために必要な専門的技術や知識を持った複数の人がそれぞれ自分の得意とする分野において、指導的役割をリレー形式で果たしていくというものです。重要なのは、リーダーシップを発揮するのは一人だけではなく、時にはその立場に固執せず、降りるべきときには降り、協力者になるべきだというのです。そのためには、日頃からきちんと目を配り、各自の得意不得意を見極めて判断していくことが必要です。
 このように見てくると、こうした目配りや誠実さというのは、男性より女性の方が得意なのではないでしょうか。実際、全世界13カ国、6万4000人を対象に行った調査で、リーダーに求められている資質のほとんどが、一般に女性的とされる資質であることが明らかになっています。それは「誠実」「利他的」「共感力がある」「表現力豊か」「忍耐強い」などです。同時にこの調査で、「男性がもっと女性のような発想をしたら、世界は好ましい方向に向かうだろう」という意見に、世界平均の63%を上回り、日本人男性の73%が賛成と答えているのです。
 女性であることに臆することなく、これからの人生で、自らの資質を活かしながら、様々な場面でリーダーシップを発揮するよう願っています。
 ご卒業おめでとうございます。

【答辞】

【卒業生による「感謝の歌」】

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【「校歌」斉唱】

graduation2017-11【卒業生退場】

卒業生の、終始凛とした姿に、胸打たれる卒業式でした。

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