中学校入学式を行いました。

2016年4月8日

4月8日、春らしい暖かい日差しと澄んだ青空の下、本学園中学校入学式を挙行いたしました。

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正門

<学校長式辞>

 今年も、待ちかねた春、芽生えの春が巡ってまいりました。本日、平成28年度、山脇学園中学校入学式を挙行するにあたりまして、このように多くのご来賓、保護者の皆様に御列席頂けましたことが誠に有り難く、学園を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。
 只今入学を許可致しました新入生297名の皆さん、ご入学おめでとうございます。厳しい入学試験を突破し、晴れて本校の生徒となられた皆さんを、山脇学園は、心より歓迎致します。

 本学園は、1903年に東京市牛込区白金町に創設され、今年で創立113年を迎えます。創立者の山脇玄法学博士は、明治政府の命令でドイツに留学。法律、政治、国法、国家法などを学び、近代日本の法律体系を整えることに関わった人物です。時代の先を見る目の持ち主で、貴族院議会に於いて日本で初めて、女性に参政権を与える事を提案しました。それが、満場一致で否決されても節を曲げず、女性の地位向上を図るには、より高度な女子教育が必要であると考え、夫人の房子と共に、山脇学園を創設したのです。
 初代校長となった房子も、女性の教育と地位の向上に力を注ぎました。数ある業績の一つに、新入生の皆さんの着ておられる制服があります。これは房子校長デザインによる、日本で初めての洋装の制服です。
 玄博士はドイツ語、房子は英語に堪能で、欧米先進国の要人とも広く交流しましたが、彼等から学ぶべき事は学ぶ一方で、日本人としての誇りを決して忘れませんでした。その毅然とした態度が外国人に尊敬された所以なのですが、それは二人が当時既に、真にグローバルな見識の持ち主であったことの表れなのです。

 ところで本学園は、第二次世界大戦後、社会の要請に応じて、山脇学園短期大学を設置しました。しかしその後、女子の四大進学志望者の増加に伴い、女子短期大学はその社会的使命を終えたと判断し、山脇学園短期大学六十年の歴史に終止符を打ちました。そして、学園の持てる力を、全て中学高校の教育に注ぎ込み、山脇ルネサンスと名付けた学校改革をスタート致しました。その改革も新校舎の完成をもって一段落し、今の日本に必要な女性を育成する環境が整いました。これからは、玄と房子の理念を具現化して、現代社会のリーダーとして活躍できる女性の育成に力を尽くして参ります。

 さて、新入生の皆さん。皆さんは、これから始まる学園生活への期待と緊張感でいっぱいで、何事にも力いっぱい挑戦していこうと決意しておられる事と思います。その決意はとても大きな意味を持っています。というのは、人の脳のネットワークは、今の皆さんの年齢で最も盛んになり、その結果、皆さんの情報吸収力は、人生で最大になるからです。皆さんが決意した通り、今が、チャンレンジするのに絶好の時なのです。山脇学園という新しい環境のもと、新しい友達と出会い、其々の個性の違いを知り、人の気持ちを理解し、お互いに切磋琢磨し、勉強に体力作りに、そして教養を高める事に一所懸命取り組み、大きくなっていってください。困難や失敗に負けてはいけません。それらを乗り越えての成長こそ、本物の成長なのだと、私は信じています。
 初代校長・房子先生がそれを実証しておられます。明治維新で武士階級が廃止されたことで、一家の境遇が激変し、経済的にも厳しい状況となった時、房子先生は、まさに今の皆さんと同じ年頃でした。病弱な母上に代わって幼い弟妹の面倒を見ながら、小学校、師範学校を卒業。後に上京し、独学で英語をマスターされました。このような強い意志と奉仕の精神で苦難を乗り越えたからこそ、房子先生は、国際人として、教育者として大成されたのです。皆さんもこの大先輩を見習い、山脇生としての誇りと品位を保って、元気に楽しく、学園生活を送って下さい。

 最後になりましたが、保護者の皆様にお願いがございます。私ども教職員一同、皆様がこれまで慈しみ育ててこられたお嬢様方をお預かりし、将来其々の場でしっかりと活躍出来る女性に育てあげる為に、最善を尽くして参る所存でございます。それに際しまして私共の理想とする所は、ご家庭と学校が力を合わせ、お嬢様方の学園生活を最良のものにしていく、という一事に尽きます。どうぞ、深いご理解と共に、学校運営へのご協力を、よろしくお願い申し上げます。
 最後にもう一度、新入生の皆さんが心身ともに健やかに、楽しく有意義な学園生活を送られる事を心から願って、式辞といたします。

 

<新入生誓いの言葉> 

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新入生誓いの言葉

 本日は、私たち新入生のためにこのようなとてもすてきな式を開いていただき、ありがとうございます。私たち297名の新入生は、これから山脇学園で先生方、先輩方、仲間とともに毎日を過ごせることを心よりうれしく、楽しみにしています。
 私が山脇学園の生徒になることを志としたのは、小学4年生のときに行ったオープンキャンパスのときでした。先生方や生徒の方々の対応がとても丁寧で、学校全体の雰囲気も良く、こんなすてきな環境で私も毎日を過ごしたい!!と思ったときのことが、今でも強く心に残っています。それ以降も、できるだけたくさんの行事に参加して、その度に山脇学園へのあこがれは深まっていきました。
 そして、こうして入学することができた今、私が興味を持っているのは山脇学園の多くのクラブ活動です。英語へのあこがれが強く、将来英語を生かした仕事に就きたい私は、イングリッシュアイランドや英語劇クラブなどの英語を使うクラブに入って、英語力を高めていくことを楽しみにしています。
 これから、私たち新入生は、山脇学園の生徒としての自覚を持ち、互いに助け合いながら、充実したスクールライフを過ごしていきたいと思います。
  また、最後になりましたが、校長先生をはじめ、諸先生方や先輩方、これから私たち新入生に厳しく、温かなご指導をどうぞよろしくお願いします。

入学式後は、各クラスでホームルームを行いました。学級担任からお祝いの言葉と、これからの学校生活についてお話しをしました。

 新入生は、緊張感の中にもこれからの学園生活に胸を膨らませている表情にあふれていました。いよいよ来週から学園生活が本格的にスタートします。